五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

チャイの味

2008年01月15日 | 第2章 五感と体感
水をめぐる思い出を巡らしていたら、ふと思い出した味があります。
「チャイ」ネパールを旅し、ポカラという湖のある村からトレッキングをした時、ひたすら歩いた川沿いの殺風景な平坦な道にぽつんと一軒の小屋がありました。峠の茶屋といった風情です。
薪で火を焚き、鉄鍋に煮えるお茶。紅茶に生姜と山羊の乳を入れて温め、漉して出来上がり。「チャイ」という飲み物です。最近では、スタバ(スターバックス)で気軽に飲めるようになりましたが。
ネパールの田舎では、素焼の器に入れて頂いていました。
その素焼の器、飲み終えると、投げて割るのです。

二月から三月にかけてのバックパッキング。まだまだ寒い季節でした。
軽装備でひたすら歩き、そろそろ殺風景な風景に飽きてきたころ。それを知ってかころ合いよく辿り着くお茶屋さん。
黄土色の土と川。その両側には低い山があり、私たちはその川沿いの道を数時間歩きました。地図によるとそろそろ山道が近づく辺り。

ヒマラヤを少しでも近くから見たい衝動に駆られた旅人や本格的な登山をする人、村の人々・・・皆、このお茶屋で一服です。

生姜の香りが鼻にツンときて、お砂糖をたっぷり入れたチャイ。
歩き疲れ、寒さに負けそうになった時の一杯。体中の細胞が暖められ、元気が蘇ります。

鮮やかな青い空と不純物のない空気。
空を見上げて、大地を歩いたときのチャイの味は何より美味しい命の水でした。

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コメント (2)
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