Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Wolfsburg Meistershale !!!

2009-05-30 | EURO Football

5月23日ブルガリアのソフィアを後にし一路ドイツに戻る。
Munchen を経由し北の大都市 Hamburg に。空港から一直線に向かった先はいつもここでお世話になっている G さんが当地で7年に渡って経営されているの寿司ティクアウェィ店。 

“お疲れでしょう。 食事まだでは無いですか?食べてください。どうぞ。” 

昼食時の忙しい時間にも関わらずおいしいお寿司とうどんのセットを御馳走になってしまう。 私はパンも大好きだけどやっぱり毎日では…..ワールドカップの時もそうだったけど G さんのところのお寿司を食べるとこれまでの疲れなんて本当にすっ飛んでしまう。 

“今日は HSV はアウェーでここでは試合は無いんだけどよろしかったんですか?”

Football 狂の私を気遣ってくれる。 日本での出来事や最近のハンブルグ事情
(これが結構役に立つ。)の話を10分程度して荷物をお店の倉庫におかして頂き、営業に出掛ける事に。 荷物まで預かって貰うなんて本当に厚かましいんだなぁ…..俺は…….

この日は Bundesliga 2008-09 の1部リーグの最終節。9試合が全てほぼ同じ時刻にキックオフとなる。前節を終わって首位 Wolfsburg 以下優勝の可能性が残された4チームの星勘定は下記の通りだった。

1. VfL Wolfsburg     20-6-7 75-40 +35 66
2. Bayern München 19-7-7 69-41 +28 64
3. Vfb Stuttgart     19-7-7 62-41 +21  64
4. Herta BSC         19-6-8 48-37 +11 63

ただし Herta Berline は奇跡でも起きない限り優勝は難しく、その可能性が皆無に等しかった。 Wolfsburg の対戦相手、Werder Bremen は3日前にイスタンブールで UEFA Cup の決勝戦を戦っており(しかも敗れており) これまで今シーズンの Bundesliga では10位。優勝も Champions League もUEFA Cup もそして降格の可能性が無く最終戦へのモチベーションが上がるだろうかと思われていた。 

日本でも注目されている長谷部、大久保の所属するVfL Wolfsburg は初めての Meisterschale まで最終節の Bremen と引き分ければそれで充分。悲願達成まで遂にあと勝点1と迫っていた。 しかも最終節は2位の Bayern と3位の Stuttgart は直接対決となっておりこの試合が引き分ければ Wolfsburg が敗れても優勝と言う優位な立場であった。 

今シーズンの Budesliga は序盤2部から昇格したばかりの 1899 Hoffenheim が台風の目となる。11月29日の15節を終えて11勝1分3敗で首位。 このまま最後まで突っ走ってしまうのではないかと思わせた。 しかし第18節で Energie Cottbus を 2-0 で敗った後は第31節の 1FC Köln 戦を 2-0 と勝利するまでの12試合が何と7分5敗。シーズン序盤の快進撃が嘘の様に失速してしまった。
替って首位に立ったのが Herta BSC Belin かつて奥寺が在籍した事もある。第20節でワールドカップで決勝戦の舞台ともなったホームの Olimpiastadion で Bayenr を 2-1 で降し首位に立つ。次節にはアウェーで Wolfsburg に敗れて一旦は3位に落ちるも第22節で Gladbach をホームで 2-1 で降すと再び首位に返り咲いた。
だが第26節で Wolfsburg がホームの Volkswagen Arena で Bayern を 5-1 で粉砕し歴史的勝利を挙げ首位に立つ。そして第33節まで首位をキープし続け初優勝に王手をかけた。 VfL Wolfsburg は今シーズン第17節を終わって首位 Hoffenheim に勝点差9で9位であったが、第22節の HSV Hamburg を 3-1 で破り以降合せて Bayenr 戦の勝利を含め8連勝。 特に今シーズンホームでは16勝1分の圧倒的な強さを見せた。 

そして第33節アウェーの Hanover 96 戦。 この試合は2トップが爆発 Edzin Dzeko が3ゴール、Grafite が2ゴールで 5-0 でホームの Hanover を粉砕し優勝に大きく一歩前進を果たした。 今季躍進の立役者の2トップは得点王争いでもブラジル人の Grafite が26得点で首位。2位はボスニア人 Dzeko の 25得点。 これでは大久保の出番はこの試合の様に途中出場に限られるのも理解できる。 
長谷部は連勝中の Arminia Bielefeld 戦から怪我で欠場するもこの試合は長谷部誠が右サイドバックで出場。 Die Welt am Sonntag の採点は3点。 Bild 紙は2点そしてKicer 誌の採点も2点。 しかも Kicker 誌は初めて長谷部を Elf des Tages に右サイドバックのポジションで選出した。 ( Die Welt 紙は左の2列目であったけど) これには6月のワールドカップ予選3連戦に向けて大いに勇気づけられた。 頼むぞ長谷部。
一方、Budesliga では常勝軍団の Bayern München。今シーズンは Jürgen Klinsman を監督に迎え新体制でシーズンに臨むもシーズン開幕当初はなかなか波に乗れず第7節を終了して11位。 第8節アウェーで Karlsruhe を 1-0 で破り第19節の Dormnund 戦まで引き分け1つ挟んで10試合9連勝で Hoffenheim に勝点差1で2位に浮上。しかし以降は Wolfsburg に大敗を喫したり、 UEFA Champions Leageu で Barcelona に良い処なく敗れ、4月25日の Schalke 04 戦を 0-1 で落とすと2日後監督更迭を発表。 Jupp Heynckesを暫定監督に据え第節から3連勝を飾るも前節 今シーズンの台風の目 Hoffenheim 相手に 2-2 で引分けてしまい、Wolfsburg に王手を掛けられた。そしてついに今シーズンは首位に立つことはなかった..... 
32節まで首位 Wolfsburg に勝点1差で3位に着けていた Herta Berlin は 33節で FC Shalke 04 とスコアレスドローでほぼ優勝圏外に去る事になってしまった。

さて営業回りをしていると時計の針はもう5時を少し回ってしまった。 Gさんの店に戻ろうとするとあるカウンターの前で人だかりが。 カウンターの前の看板には白墨で HSV – Frankfurt 15:30 と書かれている。 20人程度の人々がビールグラスを片手に大型のテレビスクリーンに映し出されている Bundesliga の最終節の中継を見入っている。 その中の人に Woflburg はどうなったかと尋ねたら。 Vier und ein, Wolfsburg Vier と教えてくれた。 すでに Wolfsburg が 4-1 と大きく Bremen をリードしており優勝は秒読み段階となっていた。 

テレビ中継は Bayern 対 Stutgart を映しながら、他球場でゴールシーンがあればそちらを映し出している。 ここにいる人の殆どは Frankfurt で試合をする地元の HSV Hamburg の動向を知りたがっているようだった。 かつて高原が所属した Hamurg は今シーズン首位に立つこともあったが、第33節を終えて勝点58で6位。 最終節の Eintracht Frankfurt に勝つか引き分けて同じ勝ち点58得失点差で上回る5位の Borussia Dortmund が Borusia Mönchn Gladbach に敗れれば順位が入れ替わり UEFA Cup 出場権が手に入る。 今シーズンは UEFA Cup に出場し準決勝で Bremen とのNord Derby に PK戦で敗れた。 そのHSVだがこの試合はここまで 2-0 と Frankfurt をリードしていた。後で知ったが稲本はこの試合にはベンチ入りもしておらず、Friedhelm Funkel 監督が今シーズンで退団する事から来季はチームを離れ J リーグ入りが濃厚となっているらしい。 
テレビから連続して Tore ( ゴール ) の声が響いてきた。 Hanover がチェコ代表のJiri Stajner の今シーズン8ゴール目でArminia Bielefeld に追い付いた。 そして Gladbach がブラジル人DF Dante のゴールで先制した。 上記した様に Dortmund が敗れて HSV が勝つと来季の UEFA Cup 出場権が手に入るので周囲の人達から歓声があがる。 

そしてもう一つのドラマ、降格、残留の天と地の分かれ目も。最終節を残して降格の可能性が残るのは下記の4チーム。

15 Bor. M‘ gladbach   8-6-19    38-61  30
16 Arminia Bielefeld    4-15-14  27-54  27
17 Energen Cottbus   7-6-20     27-57 27
18 Karlsruher SC       7-5-21    26-54  26

下位同士の直接対決は最終節には組まれていなかったがどこのリーグでもこの争いは熾烈だ。最終節を前にどのチームも残留、降格の可能性があった。
M’gladbach は引き分ければ降格から逃れられる。 最下位の Karlsruher は Herta に勝たねばならない。その上で Bielefeld または Cottbus が負けるか引き分けるかしてくれれば自動降格の17位を上回る事が出来る。それだけに 16位 Bielefeld,
17位 Cottbus は負けられない最終戦となっている。

テレビスクリーンでは60分 Bayern が van Bommel のゴールでリードを2点とした。Bayern の追加点に一同残念そう。 しかし Wolfsburg は3点リードしている。この試合経過は選手達に伝えられていたか? 61分、今度は更に大きな溜息が。 Frankfurt で HSV が Alexsander Meier の失点を喫し 2-1とされた。 そしてその直後の62分には見慣れた選手が両手を上げていた。 Socceroos の 長身選手Joshua Kennedy だ。 ヘッドを Hertha Berlin ゴールに叩き込みリードを 3-0 に広げた。 Kennedy はこれがシーズン初ゴールだ。しかし残留争いをする Cottbus はリードしている。 63分Stuttgart の Maro Gomez の今シーズン24ゴール目が決まり 1-2 と1点差に迫る。 だが Stuttgart も Wolffusburg が勝ってしまったら優勝は無くなる。 Gomez の今シーズンの Top Scorere もほぼ不可能に近くなっている。 EURO 2008 では1次リーグ3試合に出場したが結果が残せず準々決勝からは Löwe 監督がシステムを1トップに替えた事からベンチに下がった。 決勝戦では Klose に替って途中出場したがスペインの前にゴールを挙げられなかった。来年のワールドカップではどうだろう....試合後 Bayern München 入りが発表された。 それに伴い? Podolski が古巣の 1FC Köln に戻る事となった。 

Bayern の失点に少し歓声があがったが今度は大きな落胆のため息が。 Frankfurt が Caio のゴールで HSV に追い付いた。 カウンターを叩いて „ scheisse !! „ と叫ぶ人も。 これで HSV は約3分間で連続2失点だ。 さらに1分後今度は UEFA CUP 出場権争いをする Dortmund が Poland 人 MF Jakub Blaszcykowski の今シーズン3ゴールで同点に追い付いた。Blaszczykowski はワールドカップドイツ大会のメンバー。 EURO2008 は怪我で出場出来なかった。この時点で、再び Dortmund が HSV を上回る事に。

そしてテレビから „ Tore Cottbus !! „ の声が聞こえる。 クロアチア人MF Rivic Stivenのシーズン初ゴールが決まりリードを 2-0 と広げた。 この時点で Bielefeld が同点だったのでこの時点では自動降格圏からは脱している。 Cottbus は69分にルーマニア人 FW Jula Emil の今シーズン4ゴール目でリードを3点に広げた。 Cottbus のサポーターの一人が泣きだしたのをテレビは映した。そしてたまに中国人MFの 邵佳一が映し出される。 もし Dortmund に追い付かれた Gladbach が逆転されても得失点差から Cottbus が15位まで上がる事は考えにくい。しかし16位なら自動降格を免れ2部リーグ3位のチームと入れ替え戦だ。 しかしここにいる HSV サポーターは UEFA Cup 争いをするDortmund の勝利は望んでいない。73分またも Kennedy が映し出される。 62分に続いてゴールを決めリードを4点と広げた。だが Cottbus が3点差をつけている。Kennedy は翌日は妻いされた Die Kicker 誌が選ぶ最終節の Elf des Tages に選ばれた。ワールドカップ予選要注意だなぁ.......
それにしても Hertha Berlin はどうしたのだろう? Karlsruher に勝てば UEFA Champions League の可能性も出て来るのだが......

74分 Wolfsburg が優勝を決定づける Edin Dzeko のシーズン26ゴール目が決まり 5-1 となった。大歓声がテレビから聞こえて来る。 Bremen は UEFA Cup の決勝で敗れた Shakhtar Donetsk との激戦の疲れが残っているのだろうか..... エースの Diego は来シーズン Juventus への移籍が決まったらしい。
そしてテレビから „ HASEBEeeeeee ~ !! „ と言う声が聞こえてきた。後で知ったがこの試合の先制ゴールのシーンで長谷部がインターセプトし右サイドを上がって作ったチャンスを Micimovic が決めたシーンが映し出されたのだった。

こうなると注目は残留争い。 84分 Hanover が Sergio Pinto の今シーズン4ゴール目で Bielefeld を 2-1 と突き放す。 席を立つ Bielefeld サポーター達が映し出される。 試合は徐々にタイムアップに近づく。 そして何度も Wolfsburg を映し出す。 89分 Carlos Eduardo のシーズン8ゴール目で今シーズンの台風の目であった Hoffenheim が Schalke 04 を 3-2 と突き放す。 結局今シーズンは7位に終わったがこの結果に満足する地元のサポーターは多いと思う。来シーズンはどうなるだろう? 
ロスタイムに入り大歓声が沸く。 Piootr Trochwski の今シーズン6ゴール目で HSV が 3-2 と Frankfurut に勝ち越した。 これで UEFA Cup の出場権をほぼ手中に。 そして Bielefeld がかつての Poland 代表FW Artur Wichniarek のゴールで同点とした。試合には引き分け Karlsruher と共に降格が決まってしまったが最後に意地を見せた........ 画面は替って優勝に沸くWolfsburg が映し出される。 Maghat 監督のインタビューが映し出される。
かつて HSV Hamburg のメンバーで TOYOTA Cup に来日してもう26年。
来年は Schalke 04 で指揮を執るんだけどチームはどうして引き留めないのか....

                

長谷部は....大久保は.....必死に探すがなかなか映らない...........

           

シーズンは終わったが、5日後の5月28日、初めて入れ替え戦が行われその!st Leg ではホームで1部の Cottbus が何と2部3位の 1FC Nürnberg に 0-3 で完敗してしまう。2nd Leg はワールドカップで日本がクロアチア戦を行った Franken Stadion で5月31日に行われる。 
そして5月30日には Berlin でドイツカップ ( DFB Pokal ) の決勝戦が Bayer Leverkusen と Werder Bremen の間で行われる。 勝てば UEFA Cup だ.... 

そしてドイツ代表はアジア遠征を敢行。5月29日上海で行われた中国代表との試合は Podolski のゴールで 1-1 で引き分けた。入れ替え戦がなければ邵佳一も出場できたか??

中学、高校の時に憧れた Die Budesliga 今こうして地元で視ているんだなぁ...........

そして私はGさんの店に戻った。 翌日はGさん宅で食事を御馳走になり、しかも洗濯機まで使わせて頂いた。 出張中にこうして洗濯できる事はどれほどありがたい事か....

その上、“列車の中で食べてください。”とお弁当まで作ってくれた。
車中で食べたそのお弁当。どれたけおいしかった事か........  

Jリーグでも最終節はこの様に“全試合中継”してくれないかな移動する ICE のなかでおいしいお弁当に舌鼓を打ちながらそう思った。 あぁ憧れの Die Bundesliga ........


          



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