Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

アウェーで快勝 これで大きく前進出?? Qatar 0-3 Japan

2008-12-10 | 夏季五輪

約1カ月近くに渡った欧州と中東の出張から帰国して17時間後、日本代表はドーハでカタールに快勝。おそらくこの日の勝利は多くの日本人に安堵感を与えた事だろう…….

中心選手が離脱。不安な試合前……
中澤、楢崎が相次いで離脱。前節はホームでウズベキスタンと引き分けこの試合の結果如何では岡田代表監督の進退問題にまで発展すると煽るマスコミ。しかし煽ったマスコミはカタール側も。前日の記者会見では“地元”の記者達から随分と“明日敗れたらどうするのか…..” と言う内容の質問を浴びせられたらしい。

 

一方のカタールは前節アウェーでオーストラリアに 0-4 と完敗。しかし私自身が分析してもあの大敗は中東ではお目にかかれない試合直前の豪雨、主力選手の怪我による離脱。そしてメツ新監督が指揮を執って初めての試合ということが敗因と考えられた。それだけにホームで選手も揃って監督がチームを掌握する11月19日のアウェーゲームで日本が苦戦する事は必至と想像した。 

 

日本のスタメンはGKが川口、3次予選のバーレーン戦以来1年8か月ぶりのワールドカップ予選出場だ。DFは右サイドに内田、左サイドにはこれまで使われてきた阿部では無く長友。両サイドバックは共に北京五輪メンバー。長友はワールドカップ予選初登場だ。闘莉王と組むCBには33歳のベテランの寺田周平。ボランチには右に Bundesliga Wolfsburg の長谷部。左に遠藤。2列目には右に中村俊輔、左に大久保。田中達也が真中にトップ下の様なポジションを取り玉田がワントップ。 Budesliga で好調だった稲本が怪我の影響で合流できないのが残念だった。
一方のカタール前節オーストラリア戦は累積警告で出場停止だったセネガルからの帰化人選手Mohamed Saqr AHMED がスタメンGK。DFラインは4バックで左サイドが Messad Ali A.M. ALHAMAD, 右サイドがこの日のゲームキャプテン Meshal Mubarak A.M. BUDAWOOD 。 CB はBial Mohammed B RAJAB と Inrahim Majed A ABDULLMAJED 。 主将の BUDAWOOD 以外は昨年の五輪予選の日本戦にホーム、アウェー共に出場している。守備の要であるAbudula Obaid S Koni が累積警告で出場停止だが、彼以外も前節4失点を喫したDF陣は ABDULLAMAJED 以外は全て入替えられた。 ボランチには左がサウジアラビアからの帰化人 Majdi Abdulla SIDDIQ ,最終予選は4試合連続のスタメン。そして昨年の北京五輪予選メンバー。右にクウェートからの帰化人選手 Talal Ali H ALBLOUSHI 。ALBLOUSHI はAFC の公式記録によるとウズベキスタン戦とオーストラリア戦で警告を貰っているはずなんだけどなぁ…… 2列目左には Hamid Ismaeil H KHALEEFA 前節オーストラリア戦は後半から出場しこれがこのワールドカップ予選初登場だった。 右にはウルグアイからの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin 。そして同じくウルグアイからの話題の帰化人ストライカー Sebastine QUINTANA がワントップで、そのトップ下に2006年AFC最優秀選手の Khalfan Ibrahim KH A AL-KHALFAN 。 この日は1トップを起用。それはメツ監督お気に入りのフォーメーションの為か?それとももう1人の FW Sayed BECHIR の怪我が回復しないからか…… 注目のエジプトEL-Ahari 所属のHussain Yaser M ABDULRAHMANAl はベンチ入りも果たせなかった。
Saad 競技場は昨年北京五輪予選で日本が痛恨の逆転負けを喫した競技場。そしてこの日のスタメンには GK Saqr AHMED をはじめDF M. ALHAMAD, A. ABDULLAMAJED, MFの AL KHALFAN, H. ALBLOUSHI と5人の選手がここをホームとする Al-Saad Club 所属の選手達だった。 

 

立ち上がりカタールの猛攻
日本のキックオフで始まった試合は開始直後からカタールが激しく当たってくる。21秒には玉田が B RAJAB に倒されるもノーファール。1分21秒には達也が ABDULL AJED に倒されたが今度は笛が鳴った。2分34秒には俊輔がお返しにとばかりに BUDAWOOD を倒す笛は鳴らなかった。しかし立ち上がりのカタールは当たりだけが強いわけでは無く日本ゴールを脅かす。3分15秒、長友が H.KHALEFA を倒してFKを与え、そのFKを SIDDIQ が攻撃参加したCBのABDULLMAJED の頭を狙うがそのヘッドはGK川口の正面に。4分37秒は中盤で長谷部がボールを持った  ALKHALFAN にタックルを入れると一旦はボールはこぼれるが ALKHALFAN はしつこくそのボールを拾いそのまま縦にドリブルであがり QUINTANA とのワンツーでエリア内に抜けて来るが内田、寺田らに囲まれシュートは撃てず。中央に QUINTANA がフリーだった。5分15秒は俊輔のパスを受けた玉田から SIDDIQ がボールを奪いそのままドリブルで右サイドに流れクロスを入れられるが中央の QUINTANA には両側から闘莉王と寺田がマークに入る。7分17秒には長友がまたもH.KHALFAN を倒してFKを与え、同じ様に SIDDIQ がゴール前に上がったABDULLMAJED を狙う。遠藤のマークを振り切り ABDULLMAJED はフリーでヘッドを放つがボールはクロスバーを越えてくれた。8分25秒には遠藤からボールを奪ったQUINTANA が右サイドにボ-ルを送り H.KHALFAN が受けるがここは大久保が戻ってマーク。9分1秒には右サイドをA.M. ALHAMAD からH.KHALFAN に縦パスが通る。ここも大久保が戻ってサイドに逃げる。その後のスローインを繋がれA.M.ALHAMAD が中に入れるが長谷部がコーナーに出す。ブラジルからの帰化人選手 MONTESIN が入れたCKは闘莉王がクリアーした。12分44秒には寺田が内田に送るべくパスを QUINTANA に拾われてしまうがここは俊輔が戻ってマークに入る。 
カタールはトップの QUINTANA だけでなく2列目の H. KHALEEFA, A.ALKHALFAN, MONTESIN らが積極的に上がってくる。セットプレーではCB の B.RAJAB,  ABDULLMAJED の2人がゴール前に上がって来る。そして日本選手は立ち上がりなかなか前を向けなかった。

劣勢の中で先制。そして主導権…..

劣勢だった日本は達也のドリブル突破を中心にでカタールゴール付近まで近付ける様になる。14分23秒には達也から闘莉王に渡りミドルが放たれる。ボールはGK AHMED の正面を突いたが、それ以降3連続CKを取るなどの攻撃を見せ流れを引き寄せる。
そして19分2秒、俊輔からボールを受けた内田がタメを作り前線へフィード。カタールエリア付近で大きく弾んだボールはすぐ右を疾走する長谷部の動きに一瞬注意が行ったB.RAJEB の左を通り達也がうまくバウンドを利用してボールをコントロールした達也が右サイドから強烈なショットを放つと球足の速いゴロのシュートは GK AHMED の股間を抜けてカタールゴールネットを揺らし、日本が先制ゴールを挙げた。
立ち上がりの劣勢を凌いで決めた貴重な先制ゴールだった。 

 

10分を過ぎてカタールは最前線の QUINTANA にロングボールを放り込む攻撃が多くなりかえって立ち上がりの様に日本エリア内に連続して侵入する攻撃は見られなかった。俊輔、大久保は守備の意識も高く、両サイドでボールを繋げなかったのだろう。 23分14秒に AL KHALFAN が遠藤をかわしてクロスを入れるが中央の QUINTANA には合わない。これが久々にボールを繋いでの攻撃であった。

 

29分36秒テレビの右隅に先にマナマでキックオフされたバーレーン対オーストラリアの試合はオーストラリアが 1-0 で勝利と報道された。試合前からオーストラリア FFA のサイトで途中経過をチェックしていたがずっと 0-0 だったのだが…. さすがはオーストラリアと感心している場合ではなかった。これでこの試合はますます負けられなくなってきた。
そう思っていると32分9秒にカタールが連続攻撃を見せる。中央で ALKHALFAN が長谷部をかわしてドリブル突破そして縦に入れるがこれは長友が逆サイドの右にクリアー。しかし MONTESIN がその先におりそこに遠藤がマークに入り MONTESIN は倒れる。ホイッスルは鳴らなかったが内田がクリアーしたボールはカタールの選手に当たって QUINTANA に。 QUINTANA は左サイドの ALHAMAD に送るがそこは大久保がマークに入りサイドに出す。そのスローインを ALKHALFAN が拾ったところを闘莉王がマークに入ると ALKHALFAN は倒れるがここも笛は鳴らない。そのこぼれダマを玉田が拾ったところにボランチの ALBLOUSHI がチャージに入り玉田が倒れるとここで中国人の孫主審は笛を吹いてくれた。 BUDAWOOD 主将が抗議をする。カタールの選手が倒されても笛を吹かないじゃないか…とばかりに。しかし最初に MONTESIN が倒された後は笛が鳴る前に MONTESIN は手でボールを自分の方に寄せていた….. これが前半カタールが最後に見せた攻撃らしい攻撃だった。
35分23秒には俊輔が左からの CK を入れる。やはり足が悪いのだろうか…..いつもは遠藤が蹴るのに。 そのCKは一旦カタールDFにクリアーされたがこぼれダマを長友が拾い俊輔に戻す。俊輔は一旦達也に預け抜け出してエリア内の左サイドから中に入れるとそこには走りこんだ長谷部のショットはヒットせずに右に弾む。それを拾った闘莉王が中の達也に折り返す。正面から達也はふわりと浮かしてゴール前に送り大久保が飛び込むがボールには触れずGK AHMED がキャッチ。38分37秒には右サイドから長谷部が中へ入れると達也がスルーして玉田にそして右から中に走りこんだ達也に戻すとそこにCB の ABDULLAMAJED がタックルに入るとボールは左に流れる。そのボールを大久保が拾ってシュート体勢に入るが KHALEEFA, ALHAMAD そして SIDDIQ に囲まれシュートは撃てなかった。大久保は後ろから蹴られたとアピール。しかしここは玉田と重なってしまっていた。後ろの玉田に渡しても良かったか…..44分15秒には内田から逆サイドに振られ大久保ががんばって追いつき後ろの遠藤に戻す。遠藤は ALBLOUSHI をかわしてシュートを撃つがここは B. RAJAB がブロックした。そして2分間のロスタイムが過ぎ追加点は生まれなかったが日本リードのまま前半が終わった。

早い時間に追加点 久々の予選快勝
両軍選手交替がなく後半が始まった。先に次の1点をとった方がこの試合の主導権を握ると考えていた46分8秒に玉田の素晴らしいシュートがカタールゴールに突き刺さる。BUDAWOOD が大久保のシュートをクリアーするが長友がそのままヘッドで前に返す。長谷部がそのボールを拾いマークに入った RAJAB, SIDDIQ の二人をひきつけ左の玉田に。フリーの玉田は得意の左足を振り抜くと弾道はそのままGK AHMED の手を弾いてゴールネットに。2006年ワールドカップのブラジル戦で決めた強烈な左足のショットを思い出させる素晴らしい思い切りの良いシュートだった。だがGK AHMED も横方向にはよく反応していたが少し上方向に飛ぶべきだっただろう……。メツ監督の渋面が映し出される。試合後このゴールに就いて“少なくとも手に当ててはじき出すべきシュートだった。”と語っていたが……
この時間帯のこの追加点が結果的にカタールイレブンの気勢を大きく削いだ。47分24秒には ALKHALFAN が遠藤がマークに入る前にミドルを放つ。この試合の ALKHALFAN は1人奮闘という感じで何度もスピードのあるドリブルを見せた。しかしトップの QUINTANA が闘莉王、寺田のマークにあい思う様に動けなかった。 

  

58分にカタールベンチは2列目右の KHALFEEFA をベンチに下げて FW Ssyed Ali BECHIR を投入し2トップにし、 ALKHALFAN を2列目の真ん中から右に回した。これは長友対策のあったのかもしれないがこの交替でトップ下が空いてしまったので遠藤と長谷部がより一層動ける様になった。67分には MONTESIN を下げて Mohammed Abdulraab A.A. AL YAZIDI が投入される。AL YAZIDI も北京五輪予選組。しかし日本戦では控えで出番が無かった。
カタールの選手交替もむなしくその直後の67分38秒に試合を決定付ける3点目が入る。達也がドリブルでエリア内に侵入したところを BUDAWOOD がコーナーに逃がれ、その右からのCKを俊輔が遠藤に預け戻されたボールをファーサイドに上げたクロスに闘莉王がヘッドで決めた。マークに入ろうとした B RAJAB は闘莉王と並んでいた寺田の動きに惑わされ闘莉王をフリーにしてしまった。

3点差はついたがバーレーン戦のこともあるので100%安心は出来なかったがこの得点を機に観客が帰途に付き始めてしまい、テレビから木霊するのは我らが日本サポーター達の歓声ばかりとなった。70分には達也がさがり前節累積警告で出場停止であった松井が投入され2列目に左にはいり大久保がトップ下に。日本は4点目を狙って攻撃の手を緩めず72分25秒には長谷部が、73分38秒には松井がミドルを放つ。 80分44秒に後半初めてカタールが日本ゴールに迫る。孤軍奮闘の ALKHALFAN が右サイドをドリブルで上がり逆サイドの BUDAWOOD に送り QUINTANA に繋ぐ。 QUINATANA は中に折り返し80分に SIDDIQ に替わって投入された北京五輪予選の日本戦に出場した Magid Mohammed I HASSAN を経て再び ALKHALFAN に渡りシュートを撃たれる。寺田に当たってシュートコースは変わったが川口が右手1本でファインセーブ。この試合は初めて川口がクローズアップされたシーンだった。しかし ALKHALFAN のシュートは寺田の手に当たっていたがその前の I HASSAN から送られたボールをトラップした ALKHALFA のプレーがハンドにとられた。 ALKHALFA は孫主審にしきりき肩でトラップしたと訴えていたが…… 

 

日本は両端のスペースを一杯に使ってボールを回して時間を稼ぐ。そして85分には大久保に替わって岡崎が投入され玉田と2トップに91分16秒には佐藤寿人が玉田に替わって投入されそれぞれ最前線でボールを追い回す。時間が経つにつれてプレーが荒くなり89分に RAJAB, 90分には I Hassan そして92分には ABDULLMAJED が警告を受ける。 ABDULLMAJED は次節のウズベキスタン(アウェー)には出場できないことになった。 93分10秒試合終了を告げるホイッスルが鳴り日本がアウェーで貴重な勝ち点3を手にした。

次節はオーストラリア戦 
この試合の勝因はいくつもあるだろうが私はまずベテランDFの寺田周平を挙げたい。試合後俊輔がインタビューで“初出場の寺田さんもがんばってくれた…” というコメントを残したことが寺田周平の素晴らしい人間性を表していると思った。 
中澤不在を感じさせないパフォーマンスで QUINTANA を抑えた。

 

カタールはこの敗戦でオーストラリア、日本の上位2カ国に大きく水をあけられることに。残ったホームゲームもオーストラリア戦。バーレーン戦での QUINATANA のPK失敗がだんだん重くのしかかってくるのでは….
次節日本はオーストラリア戦。この試合は両国にとって非常に大事な試合。それだけに楽しみな試合。それにしてもオーストラリアも韓国も負けないなぁ……….

私の専門分野であるオーストラリア戦まではまだ2ヶ月あるのでこれからじっくりと Socceroos を分析できる。(そう思っているのは自分だけやろなぁ……..)

それにしても次節はなんで横浜でするねん。 

さいたまスタジアム 2002 でやらんかいな……….

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿