Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

キックオフは明日。英国紙を賑わすなでしこ

2012-07-25 | 夏季五輪

 いよいよ明日。ロンドン五輪、日本選手団の先陣を切ってなでしこ達がカナダと対戦する。
北京五輪とは大違い。 あの時は地元中国を破って準決勝に進出したなでしこ達を称賛するマスコミはほぼ皆無だった。むしろメダルを1歩手前で逃した事ばかりがクローズアップされた。
ロンドン五輪では他の競技よりもまるでワールドカップの様にサッカーが非常にクローズアップされ過ぎている気がする。
しかし大会前に彼女達がある“使命”を負う様な記事が地元紙に。

Japan's female athletes fly economy while men's team sit in business 男子チームがビジネスクラスに座る一方で日本の女子アスリート達はエコノミークラスで飛び立つ

彼女達は世界女王天災に見まわれた自国に希望を齎した。しかし日本の女子五輪サッカーチームは欧州への疲れるフライトをエコノミークラスでの移動させられその一方であまり祝福されない男子チームはビジネスクラスでリラックスしていた。
ドイツで女子ワールドカップを掲げ挙げたなでしこジャパンを取り巻くこの問題は東京から日航機が到着すると過ぎに明らかになった。

“反対だと思うんですけどね。年齢的にも私達の方がシニアなのに。”チームのスーパースターである澤穂希が日本のメディアに冗談っぽく語った。

こう言う行で始まった記事は澤自身が4度目の五輪挑戦である事、昨年のワールドカップで優勝した後の帰国路はビジネスクラスで帰らせて貰った事も語ったと述べられている。そして彼女達はメダルが期待できると言うおかげで少し脚が伸ばせる Premium Economy クラスが準備されたとも書かれていた。 
ワールドカップでの優勝に就いては“なでしこジャパンは昨夏ドイツから帰国した時は英雄的に出迎えられ、その勝利は3月11日に起こった約20,000人の犠牲者と福島での原子力発電所事故を出した津波を引きずっていた日本人達にめったにない貴重な光であった。”と表現され、ワールドカップ後、日本で最初にチームとして政府からの栄誉(国民栄誉賞)を受けたおかげで澤を始め他の選手達がコマーシャルやテレビへの出演が増えた事も書かれていた。

またロンドンに向けて出発する前に国立競技場で行われた試合で女子チームがオーストラリアを難なく 3-0 で降した一方で男子はニュージーランドと 1-1で引分け好印象を与えられなかった事。そしてなでしこはロンドンで金メダルを期待されているのに対して男子は初戦は難敵スペインと相対し以降モロッコ、ホンジュラスと対戦が続きメダルは期待できないと書かれていた。

日本オリンピック委員会は柔道やレスリングの様な体格の大きな選手以外は殆どがエコノミークラスで開催地に向かっていると語っている事も書かれており最後に澤が “我々がワールドカップで優勝した時、帰りのフライトはビジネスクラスにアップグレードしてくれた。五輪でも良い結果を残して再び同じ様な事が出来る様に希望している。”という彼女のコメントで締めくくっていた。

しかしこれに関連する記事はまだ続いた。

Japan, Australia and organisers face sexism claims  日本、オーストラリアそして主催者側は性差別に直面している。

オリンピック行きの航空機に乗り込むともしあなたが男性ならば左側に案内され女性ならば右側に行かされる。
要するに男性は機内前方のビジネスクラスに。女性は後方のエコノミークラスにと云う事らしい。

記事はなでしこ達がエコノミークラスでのフライトを強いられた事だけでなく、同様の事はオーストラリアの男女バスケットボールチームの事でも起こっていたと書かれている。
オーストラリアバスケット協会も Boomers として知られる男子代表チームはシドニーから比較的リラックス出来るビジネスクラスで出掛けた一方で Opals と言われている女子代表はエコノミークラスで飛び立ったと書かれている。オーストラリアの Sydney Morning Herald 紙には男女それぞれ予算がある為にこの様な事となったとスポークスマンは語っていると書かれていたと報道。

 “まず第一に我々は常に選手達の健康を意識している。代表チームの移動の準備に就いては異なった要因が考慮される。身長や身体のサイズ等が優先して考慮される。男子バスケットの平均身長は 200.2cm で女子は 183cm である。 とスポークスマンは語ったらしいが女子選手のLiz Cambage は203cm で男子のAdam Gibson は 188cm でPatrick Mills は183cm である。と同紙は述べているとの事。

また矛先は LOCOG ロンドン五輪パラリンピック競技委員会にも向けられている。それはスラロームカヌー競技で男子はカナディアンシングル、ペア、カヤックシングルと3種目あるのに女子はカヤックシングル1種目しか採用されていないと言う事だ。今の女子カナディアンシングルの英国チャンピオンであるSamantha Rippington は LOCOG がこの種目を除外した事に就いて
 “私が訊ねたい事はただ LOCOG に二つの単純な質問に答えて欲しいと言う事だ。それは男子にはある5種目のオリンピックカヌー競技が女子には無いのは差別ではないのかと云う事とこう言った事が続くのかと云う事だ。”
12歳からカヌーを始めた27歳の Reading 出身の彼女はロンドン五輪を邪魔する気は全く無いが、彼女は LOCOG の公平な再調査の下での決定が次のリオでの競技委員会にプレッシャーを与える事を希望していると述べている。

戦前、あの人見絹江選手が活躍していた頃は女子だけの五輪があった。多くの女子選手、役員の努力の積み重ねにより多くの女子選手が五輪で活躍出来る場が出来た。世界的にスポーツのプロ化が進む事により五輪種目に採用されているかいないかは競技自身の死活問題になる。

なでしこフランスに完敗でも心配は無用….

7月20日、Paris Charlety 競技場で行われたフランスとの試合で 0-2 で敗れた。  

この試合はオーストラリア戦から少しメンバーを替えたスタメンで臨んだ。大儀見と組む2トップは安藤では無くオーストラリア戦では2列目左だった川澄がFWに上がり、宮間が右から左に回り2列目右には大野がスタメンに入った。 そしてGKはこの試合も福元が先発だった。

対戦相手のフランスは欧州でも1,2を争う強豪。昨年のワールドカップでも準決勝に進出した。スタメンも代表出場数177、18ゴールを数える38歳大ベテランの Sandrine Soubeyrabd こそ出場しなかったが、代表36ゴールの FW Marie-Laure Delie 、代表出場 150 試合のベテラン Sonia Bompastor らがスタメンに起用されスタメン11選手の出場数をトータルすると817試合にもなるほぼベストメンバー。7選手が Lyon 所属の選手だった.



試合は地元の声援を受けるフランスが開始から押す展開。なでしこたちは移動の疲れとこれまでの合宿の練習疲れからか最初の一歩がいまいち。ワントップの Delie ががんがん上がってくる。更にトップしたの Necib もなかなか良い縦パスを Delie に通してくる。なでしこでは大儀見がさすが die Bundesliga 所属といわせるあたりの強さを見せるけど頼みの宮間、大野が厳しいというよりも早いチェックに合いボールをうまく出せない。澤へのマークも当然の様に厳しい。



昨年のワールドカップでは準決勝まで進出しアメリカに敗れている。そのアメリカと五輪では初戦に当たる。 なでしこが1位でグループを通過するとおそらく2位になるかもしれないフランスと当たることも。 最近は男子代表チームではアフリカ系の選手が減ったけど女子には何人かアフリカ系の選手が。さすがに縦のスピードは速い。 Wendie Renard は185cmもあり右サイドの Corine Franco はがんがん上がってきてまた日本の左サイドにボールを放り込むあたり鮫島を上げささないということからかよく研究しているなぁと思った。
なんとか持ちこたえてくれよと思うも24分 Nacib のスルーパスがなでしこDF陣の間に通され Marie Laure Delie が走りこみ福元の守るゴールに蹴りこみフランスが先制をした。ちょっとDF陣がみなボールを目で追っていたか? 前半終了間際に宮間のシュートがゴールポストを叩いたのがGK Bouhaddi を唯一脅かしたシーンで前半は 1-0 で折り返した。

後半開始前に行われた選手交替はGK福元が海堀に替わっただけだった。そしてフランスの方が52分意先に Delie に替わって Eugenie Le Sommer を投入する。これでピッチ上に Lyon 所属の選手は8人となった。 なでしこベンチは67分に川澄を下げて安藤ではなくマラドーナ岩渕をついに投入する。脚は大丈夫か、そしてドリブルで切り裂いてくれ…と思うも大きな選手に体を寄せられて押さえ込まれてしまう。



そして74分右CKにあわせた Wendie Renard のヘッドがなでしこゴールに突き刺さりリードを広げられてしまった。大野が下がって安藤が入った直後だった。 そしてなでしこは時折映ったパリの日本人学校の子供たちを沸かせるシーンは少なく最後までゴールを奪うことが出来ずに完封負けを喫してしまった。彼女たちが完封されるなんて何試合ぶりだろう…



この勝利にフランスは25日のアメリカ戦を前にかなりの自信を持った様でフランス各誌は “アメリカ戦を前に多くの自信を…” てな見出しが見られた。 

MFのGaëtane Thiney はこの試合結果を“明らかに我々に大きな自信を与えた。しかしこれはまだ我々自身のフィジカルや戦術、守備の連携を調整する為の準備試合に過ぎない。我々はもっとゴールに出来るチャンスがあった。自身のゴールはオリンピックに取っておこう。フィジカルは徐々に良くなってきており五輪本番では更に良くなるだろう。” と語り終了直前に投入された DF Laura Boulleau は“DFとしてトッププレーヤーと相対するのは非常に興味があることだ。ワールドカップ以降守備能力は上がってきていると述べた。しかし Catala は”これは重要な試合ではない。他の国同様まだ試合はある。“と語ったらしい。



フランスの初戦はアメリカ戦でどうしてもこちらにピークを持っていかざるを得ない。陸上の長距離をやっていた経験から言わせて貰うと(あまり関係ないか?)試合の4日前から練習量を落として競技に備えるので5~6日前は疲労がピークだ。運動量を必要とする彼女たちにフランス戦でベストコンディションを要求するのは少し酷だ。
夕刊紙等は大げさに“内部崩壊”とかの見出しを付け、スポーツ新聞でも否定的な見出しを付けていた。
日本も初戦は大事であるがこの試合の出来上がりは当然100%ではなくそうである必要も無い。この試合からコンディションを上げて行くことだろうから今夜行われる緒戦のカナダ戦には当然結果は出してくれると信じている。

4年前私達に感動を与えてくれた女子ソフトボール種目は五輪競技から外されいつ再採用されるか解らない。そして日本のマスコミもソフトボールを全く取り上げなくなってしまった。

第13回世界女子ソフトボール選手権の決勝戦に進出した日本は宿敵アメリカを延長10回の末 2-1 で破り42年振りの世界選手権優勝を果たした。 あの上野由岐子がまたアメリカ打線を1失点に抑えたのだ。

こう言う報道をもっとしろよ。そして五輪選手団に伝えろよ!彼女たちの無言のエールじゃないのか…..と思ったよ…..

 

 

 

 

 

 



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