Mr.コンティのRising JAPAN

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腹が立ったなぁ~ ドロー狙い批判に試合内容批判   Japan 2-0 Brazil 3rd August

2012-08-06 | 夏季五輪

この数日間腹が立って仕方が無かった。 バドミントンの無気力試合が女子サッカー1次リーグ最終戦のなでしこの試合にまで飛び火している。 ドロー狙いの何が悪いのだろう? テレビで見たバドミントンの試合は共に勝ちたくなくてわざとサーブを失敗したりシャトルをネットに当てたり。これは中国、韓国ペアー双方共に勝利を放棄した戦いぶりだった。

だけど日本対南アフリカの試合、少なくとも南アフリカは勝ちに来ていた。試合内容は全く異なるものだ。

メキシコ五輪でサッカー日本代表は引分け狙いの試合をした事がある。1次リーグ最終戦日本はスペインと引分けを“演じた”がこれは所属するグループBで2位通過をすれば準々決勝は地元メキシコとの対戦となり引き続きメキシコシティーに居座れるが首位通過となれば地元メキシコと対戦するばかりでなく数百キロ離れたブエブラ市に移動せねばならないという事からだった。首脳陣はもう一つのグループリーグの最終戦ブラジル対ナイジェリア試合経過を見ながら試合途中で引分け狙いの指示を送ったらしい。
同じ事は対戦相手のスペインも考えており後に釜本氏が“ボールを持ったら相手DFがみなドリブルコースを開けよるんや。”と語っていたの憶えている。 試合は引分け狙いの指示が徹底されず森孝滋や杉本隆一らのシュートがポストやバーを叩き日本ベンチはその度に肝を冷やし、長沼監督は“勝つなと思って見ていたのは生涯ただ一度だった。”と述壊していた。

その後日本が準々決勝でフランスを破り以降の戦いで銅メダルを勝ち取った事は誰もが知ることだ。

この試合の事を批判する人は誰もいない。それは批判されるものではないからだ。それともこういう歴史を知る人がすくないからか?

批判される過去の事象はワールドカップスペイン大会1次リーグのGroup 2 の最終戦だ。 このグループの初戦はアルジェリアが2年前の欧州選手権で優勝していた列強西ドイツを 2-1 で破る波乱の幕開け。 西ドイツは続くチリを 4-1 で降すもアルジェリアは第二戦のオーストリアに 0-2 で敗れたが最終戦チリ戦は 3-2 で勝利を納め、3戦終わって2勝1敗勝点6、得失点差±0 で1次リーグを終え、西ドイツはオーストリアとの最終戦に臨んだ。 この時点で西ドイツは勝点2得失点差 +2、オーストリアは2戦2勝勝点4、得失点差 +3 。最終戦は西ドイツが3点差以内で勝てば西ドイツ、オーストリア両国揃って2次リーグ進出となるところであった。試合は西ドイツの巨漢 Hrubesch が先制すると後はお互いボールを後ろで回し観客の大ブーイングの中シュート何て殆ど見られず、西ドイツ、オーストリア共に揃ってめでたく2次リーグに進出し初戦で西ドイツを破ったアルジェリアは惜しまれつつ1次リーグで大会を後にした。そして西ドイツは決勝まで進みイタリアに敗れた。
この試合は当時大問題となり英国専門誌には “残ったオーストリアと西ドイツは次のラウンドに進む為にはどうすればよいか正確に知っていた。 ”と表現された。両国ともドイツ語を母国語とする国であった。

この試合の反省から次のワールドカップを含めた多くの国際大会の1次リーグ最終戦は全て同時刻キックオフと決められた。

もし諸外国がなでしこの引分け狙いを批判するのであればその尻馬に乗るのではなく過去にこう言う事がありながら何の御咎めも無かった事を世界に発信し皮肉る事は今の日本人ジャーナリストには出来ないのだろうなぁ~。 と思った。

 最も難しい準々決勝戦 奇襲にでたか4バックのブラジル

北京五輪では当時地元ではメダルが期待されていた中国女子代表に完勝し競技場に静寂をそして私に痛快感を齎したなでしこジャパンの今回の対戦相手は2大会連続銀メダルを勝ち取っていたブラジルだった。
そのブラジルのスタメンフォーメーションは1次リーグとは異なるもの。それまで3バックで Cristiane, Malta の2トップに Farmiga をトップ下に置く布陣だったのが 4-3-3 の布陣。 まず攻撃的に、なでしこから先制ゴールを奪うというゲームプランか?それは五輪前のフランス戦を見ての作戦か?

                   GK 1 Andreia

    2 Fabiane     14 Bruna     5 Erika      12 Rosana

         13 Franceielle          16 Renata Costa

                     8 Formiga

        10 Marta       9 Thais       11 Cristiane

            17 大儀見          11 大野

      9川澄                            8 宮間

             6  阪口          10澤

    5 鮫島         4 熊谷      3 岩清水      2 近賀

                     GK 1 福元




英国戦からスタメンを2人替えて来た。英国戦では起用されなかった Fabiane が右SBでスタメンに起用され、3トップながらも Farmiga がCHFで起用された。そしてベテラン MF の Rosna はベンチスタートだった。
なでしこは GK 福元をはじめ7人の選手を入れ替えというよりもレギュラー選手に戻しこのブラジル戦に備えた。

3トップ全開のブラジルだったけど....

試合は37秒に大野が最初のシュートを放った後はブラジルが支配する展開。 Cristiane はドルブルだけではく上背もある。
3分20秒には澤が Malta を倒して正面でFKを与える Franceille が直接狙ったFKは壁の間を抜けるがGK福元の正面に。8分11秒、 Franceille が入れたCKに左SB Rosana が飛びこむがここはDFクリアーで再びコーナーに。
16分には左から Rosana が上げたクロスに Cristiane がヘッドで落として詰めた Renata Costa にフリーで撃たれるがクロスバーを超えてくれた。 19分には Farmiga の強烈なミドルが飛ぶが福元がパンチで防ぐ。この20分足らずでブラジルの放ったシュートは6本。 Malta がやや中盤に下がりボールをキープし Cristiane, Thais がPA内に侵入してくる。そして両SBが上がって来て何度もサイドチェンジを試みていた。
CK時には福元の前に上背のある Cristiane 、Tahis が遮る様に立つ。数本のCKの後にようやくフィンランド人のジョケラ主審がようやくファールを取ってくれた。



しかし20分少し前になると今度はなでしこが連続してシュートシーンを見せる。22分には澤のスルーパスが川澄に通り粘って大儀見に折り返し大儀見が放ったシュートはブラジルDFに当たり跳ね返りを大野がシュートに持ち込むがバーを越える。しかし見事な波状攻撃だった。23分24秒は左サイドからのパスを受けた宮間が Rosana をかわして放ったシュートはポストの右に僅かに外れる。 25分にはMalta のハンドで得たFKを宮間が絶妙の位置にピンポイントで入れて走り込んだ大儀見がヘッドですらすがシュートはクロスバーを越えて行く。これでシュート数が6対6で並んだ。
なでしこはワンタッチパスが多くブラジルDFが翻弄されるシーンが続くが、ブラジルはワンタッチパスが無くボールを受けるとドリブルに自身があるのが球離れが悪く、次第になでしこDF陣にボールを取られる様になって来た。
そして27分中盤左サイドでFKを得ると澤がすぐさま縦パスを送る。するとそこに走り込んだ大儀見がそのままドリブルでPA内に侵入し追いかける Erika, Franceielle がマークに入る前に放ったシュートがブラジルゴール右隅に決まり日本が先制ゴールを決めた。 この澤のプレーはまさにブラジルのお株を奪うプレーだった。そしてあれだけ攻めまくっていたのに失点を喫した事はブラジルにとってショックだったに違いなかった。

そしてそれ以降なでしこの選手達はブラジル選手にボールが入るとすぐさま2人、3人と囲い込みが早くなりボールを繋がせない。 32分には late play で Cristiane が鮫島をファールで倒すなど焦燥感が募っていた。 ファールをする事により日本ボールとなりプレーが止まるのでそれはブラジル自身首を絞める事となった。 ブラジルは1次リーグではファールが37あり準々決勝進出8カ国ではワースト記録だったらしい。 
36分にはゴール前でブラジルがFKを得る。それを Malta が直接狙いクロスバーを大きく越えるがちょっと直接狙う距離ではないと思った。それだけ焦っていたのかもしれない。
前半30分以降にブラジルは4本のシュートを放ち前半だけで12本のシュートを放ったが(日本は7本)日本ゴールネットを揺らせなかった。 

後半に入り48分 Malta が阪口を倒して警告を受ける。まだ焦る時間じゃないのに、と思う。それとも無得点に終わった英国戦の流れを案じたのだろうか?それでもシュートを放つのはブラジルばかり。後半だけで Cristiane は6本もシュートを撃った。63分にはアーリークロスの中央からほぼフリーでヘッドを撃たれる。一瞬やられたと思ったが弾道はクロスバーを越えてくれた。岩清水が身体を入れて万全の態勢では撃たせなかった。 この試合、 Malta,  Cristiane をバイタルエリアでマークに付き思う様なボールコントロールをさせなかった。
そしてなでしこは大儀見を残してみな中盤に下がり守備を固める。 73分中盤で日本ボールになると大儀見が左サイドを上がりそこに一発のパスを入る。大儀見がサイドを上がり中央に走り込んだ大野に入れると落ち着いて Erika のマークをかわした大野がブラジルゴールに蹴り込み試合を決めるゴールを決めた。これが後半なでしこが撃った2本目のシュートだった。この試合大儀見そして大野の2トップが得点を決めたと言う事となった。

2点差を付けられたブラジルベンチは80分右SBの Rosana を下げて Ester を投入し85分には MF Renata Costa を下げて Graiella を入れて総攻撃を掛けるが中盤でボールを持ってもなでしこのマークが早いので前に運べなかった。Cristiane や Malta がボールを持っても直ぐに囲まれてしまいそれ以上何も出来なかった。
そしてタイムアップ。 なでしこが2大会連続で五輪準決勝進出を決めた。何よりも評価されるべきは4試合連続で無失点と云う事だろう。

翌日のブラジルの新聞から....

この敗戦は次回五輪のホスト国となるブラジルにとってはショックだった様だ。

Marta diz que eliminação da seleção brasileira de futebol foi injusta
ブラジルが負けるなんてアンフェアーだ。 Marta は語った

私からすればこの結果はアンフェアーだ。何故ならブラジルより日本の方が良いプレーをしていたからだ。日本戦は最高のパフォーマンスを見せた。しかしゴールを許したその二回だけ注意を怠った。 “
2016年のリオ・デジャネイロ五輪時には30歳になる Malta だが次回の五輪に就いては、“フィジカルがフィットしていてまだ体力があれば考えても良いが、後進を若い選手に譲らねばならない。




また昨年ワールドカップで優勝したここ数年の日本に就いて Cristiane は “長期プランにおけるチーム造りの結果今日の日本がある。何年もかけて試行錯誤の後に今やワールドカップ優勝を果たした。 この日の日本が行った様に、何故我々が出来なかったのだろう?我々には才能のある選手がいるが、それだけでは不十分だ。” と話しており、ブラジルには日本の様な強化プランが見られないと地元紙に語っていた。

          

Brasil é eliminado pelo Japão nas quartas de final
ブラジルは日本の準々決勝戦で敗れ五輪5大会目で初めて準決勝に進めなかった  O Globe

女子サッカーが五輪に採用されて以来初めてブラジルは準決勝に進出出来なかったと言う事が書かれていた。

Emocionada, Marta coloca em dúvida sua presença nos Jogos Olímpicos de 2016
Mata  2016年五輪には言及せず

Cardiff での日本戦に敗れた後に 2016年リオ大会の参加に就いては何も言わなかった。
“今回、我々は万全の準備を持ってここに来た。 しかし今は何かを替えなければならないだろう。そしてそれを続けねばならないだろう。4年後自分が五輪でプレーしているかは解らない。しかし五輪メンバーを夢見る少女達が多くいる。 ”この様に涙目で語った。

Mata や Barcello 監督のコメントばかりが日本では紹介されているが Cristiane の様なコメントもあったらしい。

4年後地元開催となるブラジル女子代表の強化はどうなるのだろう?そしてその時なでしこのメンバーは。なでしこは U-20 でもアジアのトップだから大丈夫だろう。しかし今は次の準決勝戦の事を考えよう。

 

次は聖地 Wembley だっ !!



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