Mr.コンティのRising JAPAN

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近藤監督追悼 1982 ナゴヤ決戦最終戦

2006-02-05 | プロ野球
第26回戦 9月30日 ナゴヤ球場 中日11勝10敗5分け
巨 人000030011=5 加藤  4勝 7敗 西本15勝10敗 1S
中 日000200000=2 三沢  6勝 6敗
本塁打:大島 16号 ( 加藤 ) 原31号( 郭 )
巨人:加藤、西本
中日:鈴木、三沢、安木、堂上、小松、郭

この日は前日に前期試験が終わり試験休みであった。この試合はNHKが試合開始から中継を行ったのでアルバイトを終えて下宿に帰り粗食な自炊夕食を食べながらテレビの前に座していた。連敗のジャイアンツは加藤初がそして中日は鈴木孝政が先発であった。鈴木はこの年巨人戦で初完封勝利を挙げたが、8年前の優勝時から中日の中心投手であったのでむしろ意外に感じた。中日とてこの試合に勝たねば昨夜までの連勝が無駄になると言っても過言でなかったので、この直接対決最終戦はこれまでの2戦以上に意味のある試合だった。試合は鈴木、加藤の投手戦で始まったが均衡を破ったのは4回二死からの大島の16号ソロだった。大島はこの3連戦5打点目。尚も宇野、中尾が連打。そしてこれまで無安打だった田野倉がタイムリーを放ち追加点を。この試合先制点は絶対欲しいと思っていただけに痛い失点であった。調子の良い大島に均衡を破られ、無安打の田野倉が追加点とドラゴンズファンには最高の試合展開であった。しかし、この直後ジャイアンツは奮起する。先頭打者の松本が得意のセーフティーバントで出塁。続く鈴木康友は送りバントを失敗するが 2-0 から松本が盗塁に成功。すると鈴木孝政はストライクが入らず、鈴木康友を歩かせてしまう。そして篠塚がきっちり送り二、三塁とすると4番元 New York Yankees の大スターロイ=ホワイトのタイムリーで同点に。先発鈴木を降板させると二番手三沢から原辰徳が四球を選び、中畑がレフト前にはじき返す。これを左翼大島が好返球でホワイトのホームインを阻止。大島は6回にも韋駄天松本匡をホームで刺しこの三連戦攻守に渡って大活躍だった。しかし、続く淡口もセンターにはじき返し原辰徳が還って逆転。見事な集中打だった。巨人は第二戦までの8得点中、タイムリー打で挙げたのは2得点。一方の中日は江川から連打を奪うなど集中打攻勢を見せていた。ジャイアンツも3戦目になってようやく打線の繋がりを見せた。中日は牛島が好投を見せが、対照的に2番手以降不安があったジャイアンツはここで前日先発し5回を投げた西本聖をマウンドに送った。西本は気迫の投球で強竜打線を激封する。特に8回は自らのエラーで1死2,3塁のピンチを招くが、後続の代打木俣、巨人戦に強かったモッカに外野フライさえ打たせず討ち取る。西本の炎の快投に触発された打線も8回篠塚の内野ゴロ、9回には原辰徳が6番手郭源治から三連戦3連発目となる31号ソロで加点し 5-2 と差を広げた。最終回の中日は2死から藤波が内野安打、田尾がセンター前安打で続き、代打の豊田に再び奇跡を託す。 2-2 からアウトコース低めのきわどいところをボールと判定された次の球を右翼戦すれすれにファウルを打たれる。ブルペンでは江川がアップを始めていた。しかしその次のピッチをカーブで豊田を三振に討ち取り首位を奪還した。これで中日はマジック10のまま。ジャイアンツが残り4試合を全勝しても中日が残り13試合で10勝すれば優勝という全くの互角となった、と解説をしていた元巨人軍の高田繁はこの激戦を結んだが、私はこれで巨人有利と考えた。残りの4試合は全て相性の良い横浜大洋戦。だがその大洋相手に巨人は1勝2敗1分けと星を伸ばせずさきに全日程を終了。しかも最終戦は先発江川が田代、ラム、山下にホームランを打たれての黒星。一方の中日は連戦が続くが、巨人が先に日程を終えたことから最後の5試合は星勘定をしながらの近藤監督お得意の投手分業、総動員のローテーションを駆使。中日も最後の3試合は大洋戦。その三連戦を2勝1敗で乗り切り最終戦で8年ぶりのリーグ優勝を勝ち取った。巨人は前年独走で4年ぶりに優勝したが、私はこの年の激闘の方が印象に残っている。それは当時夜間学生で、翌年2月に控えた学部への編入試験を目指す“受験勉強”中であったからだろう。当時は難関といわれた編入試験に翌年2月には見事合格し学部へ上がれることになった。この中日との優勝争いと夏に行われたスペインワールドカップが今でも夜学時代の良き思いでとなっている。昨日の事の様だがもう24年前の事だ。日本人メジャーリーガーやワールドカップ出場なんて夢でしかなかった時代だった。 近藤貞雄元監督。本当に思い出をありがとう。


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