Mr.コンティのRising JAPAN

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ボスニア・ヘルツェゴビナは仮想クロアチアか??

2006-03-01 | 日本代表
日本人の多く在住するドイツの大都市 Dusseldorf から ICE 等の特急列車で約1時間はしると Dortmund 中央駅に到着する。そこから更に郊外電車で10分程走ると Borssia Dortmund のホームグランド Westfalenstadionが見えてくる。ここの観客席は傾斜が急なので地元サポーターの歓声がその何倍にも響く。日本のサッカー雑誌では“ここのサポーターは熱狂的だ。アウェーチームのサポーターはもとより、選手自身もここではやりたがらない”と紹介されていた。数年前に Champions League の試合観戦に訪れた事があったがその迫力に圧倒されたものだ。しかし、サポーターは総じて紳士的で直ぐ近くにビジター側のサポーターがいても彼らを攻撃する集団は見当たらず、不幸にしてその試合は Dortmund が敗れたがさしたるトラブルも無く中央駅に帰れたのを覚えている。 そのワールドカップでの舞台にもなる Westfalen で日本時間の今夜我が代表は ボスニア=ヘルツェゴビナ代表とのテストマッチを行なう。 このボスニア代表は“仮想クロアチア“ との触れ込みだ。確かに両国とも旧ユーゴスラビアの一角を占めていた。しかし、チームのレベルの違いはもとよりプレースタイルがかなり異なるのではないか? ボバン、プロシネツキ、シューケルらを擁して臨んだフランス大会3位は欧州でも抜きん出た個々の技術力の融合が好成績を残したが、今のクロアチアは若い選手が中心でテクニックよりもスピード等が重視の戦術に見える。クロアチアのシステムは 3-4-1-2 だが今日対戦するボスニアは 4-3-3 または 4-4-2 のオーソドックスなシステムで華麗な中盤のパスワークを身上とする旧ユーゴやむしろ8年前のクロアチア代表に類似する。サハン=サリハミッジ( バイエルン=ミュンヘン ) エルビル=ボリッチ ( イスタンブールスポル ) が合流しない中、中心となるのは HSV Hamburg 6シーズン目の セルゲイ=バルバレス 。高原が加入する前のシーズンにはチームが13位で終わる中 22ゴールを挙げBundesliga の得点王となった。しかし、彼の特徴はその得点力ばかりでない。攻撃的な選手としては類稀な守備力でチームを救っている。自軍のセットプレーの時ばかりでなく、対戦相手のCKや FKの時にはそのヴァイタルエリアに入り守備に貢献する。所属するHSV では Doll 監督は今季 AJAX から Van der Vaart を獲得し、バルバレスが昨シーズンまで任されたポジションに起用され、バルバレスは前線でのツートップの一旦を担うようになった。シーズン開幕後はこのシステムが機能していており、首位バイエルンに迫っていた。(そのおかげで高原がピッチから弾かれた ) しかし Winterpause 前に Van der Vaart が怪我で離脱。バルバレスがトップ下に何度か入ったが Doll 監督は昨年末に再び AJAX から獲得した De Joung を Van der Vaart のいたポジションに据えてバルバレスをFWで起用したりと安定した位置で起用されず、それが Winterpause 後の HSV の星の取りこぼしに繋がっているのではと思われる。HSVの選手はパスを足元に貰いたがるが高原は動きながら流れてパスを受ける動きが身上だ、彼の動く先によくバルバレスから良いパスが送られていた。ボスニアは先のワールドカップ予選では第7組に振り分けられ、6大会連続予選突破のベルギーを上回ったがセルビア・モンテネグロ、スペインに次いで3位に終わった。スペインとはホーム、アウェィで引分けたがセルビア、ベルギーにはアウェィで敗れ、リトアニアにホームで引分たのが痛かった。今回の日本戦に召集されるボスニア代表はワールドカップ予選経験者13名がエントリーされ“BAKA:バカ”の愛称で親しまれるスルスコビッチ監督が引き続き指揮を取り、2年後の欧州選手権本大会出場を目指す。所属先もトルコ、イラン、ロシア、ベルギー、イタリア、ドイツ、ブルガリア、クロアチア、セルビア,オーストリアと多国籍?だ。これはボスニア紛争に端を発した内戦から周辺諸国に逃れその地に定住し国籍をそのままに定住先のクラブチームでキャリアを積み始めた事に寄与する。またイタリアの Juventus に所属する Sweden 代表のイブラヒモビッチの父親はボスニア人だ。Bundesliga 所属選手がバルバレス以外にも二人(バイラモビッチ:シャルケ04、ミシモビッチ:ボーフム)がおり、ボスニアの準ホーム?と言えよう。その上欧州はシーズン中なのでコンディションは国内組よりはずっと良い。その上、チーム力も2月に対戦した、アメリカ、フィンランドよりも優る。しかもフィンランド代表並に長身ぞろいで180cm以下の選手は2名のみ。バルバレスは188cm、もう1人のFWミシモビッチも180cm。4バックのDF陣も左サイドのムシッチ以外は180cmを超える長身揃い。先発が予想される日本の2トップ久保181cm、高原も180cmだが、欧州勢と戦う時はサッカーもラグビーも高さ対策は大きな課題だ。そして今回注目の欧州組は誰が先発で起用されるか?中田、中村は外せないだろうが、稲本、が使われるか?小笠原、福西の二人が先発入りするか?ゼロックス杯に出場した小野は途中出場だろう。そして大黒、松井はどのタイミングで投入されるのか?それとも柳沢が優遇されるのか?またオリンピックマルセイユからFCバーゼルに移籍を果たした中田浩二は?3試合連続出場で上り調子であるので、忘れられない様にアピールをしたいところだが。欧州組に期待するのはシーズン中ということでコンディションではボスニア勢と対抗出来うるのではと言うこと。それからGK。ここは都筑にテストの機会をと思うのだけれど。 試合には在留邦人の人達が応援に詰め掛けるだろう。 国内組はJリーグ開幕前に弾みを、欧州組みで出場機会の少ない選手もレギュラークラスも内(代表)外(所属先)に向けてアピールして欲しいものだ。


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