Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

歴史的勝利 …… Deutscheland 1-2 Socceroos 29.03.2011

2011-04-11 | 夏季五輪
日本が KAZU のゴールで沸いた3月29日。日本時間ではその翌日となったがドイツに乗り込んだオーストラリア代表 Socceroosはドイツ代表を 2-1 で破り歴史的な勝利を収めた。ドイツでオーストラリア代表がドイツ代表と試合を行ったのは1974年のワールドカップ以来37年振り。この時はハンブルグでグループリーグの試合があり西ドイツがオベラーツ、クルマンそしてゲルト=ミュラーのゴールで3-0 で快勝した。この試合前、地元のマスコミは遂にギュンター=ネッツァーがベンチ入りを果たす事。そしてピッチに現れるのではとの報道で賑わっていた。 しかしゴールこそなかったが同じポジションのオベラーツの活躍でネッツァーの出番は無かった。
そして私の尊敬する Johnny=Waren も前の東ドイツ戦で負った怪我が悪化し西ドイツ戦そして続くチリ戦の欠場を余儀なくされた。昨年のワールドカップで両者は36年振りに同組になりグループリーグ初戦で激突した。 
個人的には “アジアNo.1” のオーストラリアが欧州の列強にどれだけ対抗出来るか楽しみであったが Özil, Müller, Klose そして Podolski にがんがん中盤からサイドから切り裂かれ日本がなかなか突破出来なかった Schwarzer の守るゴールを開始26分で2得点上げあっさりと試合を決めてしまった。  Socceroos は Cahill が Schweinsteiger へのタックルに1発レッドが出されいい所なく、36年前よりも点差のついた 0-4 で惨敗してしまった…….

地震の影響で本棚からこぼれおちた多くの雑誌や本そしてビデオを整理していると2006年のワールドカップ直前に Socceroos がオランダで行った“調整試合”そして Round of 16 のイタリア戦のビデオが出て来たので DVD にダビングしながらこの試合をじっくりと観た。 共に Viduka のワントップ。 共に Kewell は出場していなかったが2列目には Bresciano, Cahill, Sterjovski が並び Viduka の楔のプレーを中心に攻撃に力強さを見せておりDF ラインはNeil がしっかりと統率し DFハーフの Grella がタフに欧州でも列強であるオランダ、イタリアの攻撃に対応していた。 そして Schwarzer は素晴らしいセーブを連発していた。
オランダ戦では解説の井原氏が “このチームからはなかなか2点は取れないでしょうねぇ…” と云っていたがその通りになった。
日本は試合終盤に痛恨の連続3失点を喫し痛い星を落としたのだけど、オランダ戦、イタリア戦を今観た限り、よく 1-3 で終わったなぁ…と思った。 
それから Socceroos のチーム力は上がったとは言い難い。GK がSchwarzer でなければどうなっていただろう…

Wilkshire scores winner as Socceroos stun Germany

Socceroos の Lucas Neil 主将はドイツ戦の初勝利は前年ワールトカップで 0-4 と惨敗を喫した試合の代償となると語った。
そしてこの勝利は同時に Asian Cup 決勝戦での日本戦の敗戦から立ち直らせるものとも語った。

“本当に驚くべき結果だ。  
“この勝利は我々が常に期待している素晴らしい結果だった。我々は失敗から学び同じ事を繰り返さないと言う事を確認した。 Asian Cup 決勝戦での敗戦も同様に素晴らしい教育からの償還だった。 この無様なパフォーマンスを背にし素晴らしい勝利でカムバック出来た。 これは我が国の将来にとって偉大な勝利だ。 列強を倒し、good performance で我々自信を驚かせ続け若い選手達に驚くべき基盤を築く礎となっただろう。 この結果は我々を強くするだろう。 これは我々に弾みとなるであろうしこういう結果を持続させる事が重要だ。 我々はワールドカップでの結果を振り返った。しかし我々はそこから学びより良いチームとする事が我が国にとって重要な事だ。” 
しかしながら Neil は前半の悪いパフォーマンにも驚かされた様子だった。
“私は前半も少し驚かされた。前半はチームとして戦えていなかった。あたかも1つのチームとして我々の能力を信じてない様なスタートだった。常に我々が見せる格上を相手にした時に示すハングリーさが見せられなかった。または勝利を欲していない様だった。ハーフタイムにそれを少し修正し、彼らはそれを清算した。 前半の我々はボールを奪われ過ぎた。それを調整し二つのチャンスを創った。 そしてチャンスを掴み私達がただ得る事が出来ると信じた事を行った。我々は失点後堅い守りを保持し対戦相手のドイツにゴールチャンスを与えなかった。“ 一度苦杯を舐めさせられた相手にハードに対戦した。 これは大きな勝利で歴史的な驚愕する勝利だ。”

Joachim Löw ドイツ代表監督は試合後
“これは少し不運であった。 前半は若い選手達は素晴らしい動きを見せた。しかし後半はゲームを投げてしまった。あれはファールでもPKでもないと思う。 このパフォーマンスからいくつかの結論を引き出せるだろう。若い選手達には良い経験となるだろう。”こう語った。

昨年8月からオーストラリア代表を率いた Holger Osieck 監督にとって Asian Cup を経て母国代表を倒したこの試合は非常に大きなものとなった。 試合後の祝杯はと尋ねると“恐らくビール1杯か2杯でそれ以上は無い。” と応え。
我々の後半のフォーメーション構築は大変良かった。ハーフタイムに Lucas Neil にはパスの繋ぎを明確にする事ともっと集中してボールを受けた時は自信を持つようにとシンプルにアドヴァイスした。ボール占有率をたやすく失いたくなかった。選手達にはもっと攻撃的に、もしそうであればよい結果が得られると解っていた。ドイツは立ち上がりから我々を威嚇して来たが我々は恐れる必要は無かった。 試合前ドイツに勝つと信じる事はおこがましい事であった。それに私はドイツ代表選手達のレベルを熟知している。この試合がオーストラリアの選手達にとってただ良い経験になればと思っていた。前半の我々はいくつかの弱点がありボールを早く失いすぎた。しかし後半は時間が経つにつれてパフォーマンスが良くなってきた。” 
“選手達を誇りに思う。彼らは素晴らしい仕事を行いただ試合後選手にする事はただ心の底から Thank you very much と云う事だけだ。 彼ら(ドイツ側)が何と言おうが構わない。選手達のパフォーマンス。特に後半は大変満足している。 選手達は非常に良くやったそれは素晴らしいパフォーマンスでそれが誇りに思う理由だ。”



Socceroos のスタメンは Asian Cup の決勝戦のスタメンとほぼ同じ。 Asian Cup では Kewell と Cahill の2トップだったがこの試合は Cahill が怪我で出場出来ず Kewell のワントップ。 Brett Emerton がスタメン出場となり2列目の左に配置され、Brisbane Roar の Matt McKay もスタメン起用でトップ下に。そして2列目右には Bretto Holman が Asian Cup 同様に配置された。
オーストラリアは立ち上がりから反則が目立ち FK を与え続ける展開。そして26分 Andre Schurrle からのパスに走り込んだGomez がゴール上左隅に蹴り込み地元ドイツが先制ゴールを上げた。
しかし Socceroos は劣勢の中でも追加点は許さず。よく反撃に転じ特に Wilkshire の右からのクロスはドイツDFラインには効果的であった。そして29分には Emerton のクロスからボランチの Jedinak がヘッドを放つが GK Weise の正面に。
後半も序盤まではドイツがゲームを支配していた。



しかし61分 David Carney からボールを受けた Matt McKay がスルーパスをゴール前に走り込んだ Carney に送り、 ボールを受けたCarney がドイツゴールに蹴り込み同点とした。これはオーストラリア代表が史上初のドイツ代表から奪った得点であった。



更に1分後、Harry Kewell がゴール前に持ち込んだところを Christian Trasch に引き倒されるとフランス人の Stephane Lannoy 主審はすかさずペナルティースポットを指し、 Luke Wilkshire がそのPKを落ち着いて決めリードを奪った。



リードを許したドイツは69分に Schurrle がオーストラリアゴールに迫りシュートに持ち込むが GK Schwarzer がストップ。
78分には Sasa Ognenovski のクリアーミスを拾った交替出場の Miroslav Klose がフリーでシュートを放つがゴール枠を捉えられず、終了直前の89分にもKlose がオーストラリアゴールに迫るが最後は Neil が必死のスラィディング。 Klose は PK をアピールするが逆に Lannoy 主審は Klose のシュミレーションを取り Socceroos が2003年 England を Upton Park でそして2008年に Eindhoven でオランダを破ったのに続いての“金星”を勝ち取る事となった。



Germany: Wiese (Werder Bremen/29 years / 4 caps) - Träsch (VfB Stuttgart/23/6), Hummels (Borussia Dortmund/22/4), Friedrich (Hertha Wolfsburg/31/80), Schmelzer (Borussia Dortmund/23 / 2) - Bender (Borussia Dortmund/21/1), Schweinsteiger (Bayern München/26/87 - 65 Kroos / Bayern München/21/15) - Schürrle (FSV Mainz 05/20/2), Müller (Bayern Munich / 21 / 15 - 65 Idol / Borussia Dortmund/18/4), Podolski (1.FC Köln/25/86) - Gomez (Bayern München/25/43 - 73 Klose, Bavaria München/32/108)

Australia: Schwarzer (FC Fulham/38/89) - Wilkshire (Dynamo Moskau/29/57), Neill (Galatasaray Istanbul/33/71) Ognenovski (Seongnam Ilha Chunma/31/9), Carney (FC Blackpool/27 / 39) - Emerton (Blackburn Rovers/32/84), Valeri Sassuolo (Calcio/26/36) Jedinak (Genclerbirligi Ankara/26/25), McKay (Brisbane Roar/28/14) - Holman (AZ Alkmaar/27 / 46 - 90 McGrath / Brøndby Kopenhagen/19/1) - Kewell (Galatasaray Istanbul/32/54 - 80th Kruse / Melbourne Victory/22/5)

Referee: Lannoy (France)

Spectators: 30 152

Goals: 1-0 Gomez (26), 1:1 Carney (61), 1:2 Wilkshire (64./Foulelfmeter)

Yellow Cards: Klose, Träsch / Jedinak, McKay

Best Players: Podolski, Schürrle / Carney, Holman


Socceroos no longer overawed by reputations

“ドイツをドイツの地で破った事が本当に最高のゲームと云えないのでしょうか?

Socceroos はpoor では無かった。
後半の奮闘は前半のパフォーマンスを改善させた。 そしてSasa Ognenovski, Brett Holman そして Carl Valeri らが素晴らしいい貢献を見せた。
しかし Holger Osieck 監督は解っている。この試合はチームを率いて以来 Best Performance では無かったことも。
しかし2014年ワールドカップ予選に向けてチームは正しい方向に向かっている事が証明された。
明らかに Pim Verbeek の質のあるオーストラリア選手に対して信頼を欠いた基本的概念が奪い去った地震は Osieck の抜け目ないマネージメントにより大きく回復された。
Asian Cup 決勝戦の敗戦は残念だったが選手達の自信は奪わなかった。 ドイツは恐らく対戦相手を見くびっていただろう。恐らく理解できる事だが昨年 Durnan で彼らが我々を粉砕した事が頭にあったのだろうがそれが失敗であった。
Mönchengladbach での勝利で明らかな事は Socceroos はゆっくりだが着実に列強に威圧されない術を学んでいると言う事だ。 世界の国々はオーストラリアはサッカー列強とは思わないだろうがそれがどうしたのだろう?
重要な事は、最高の可能な方法は、我々は自分達を評価し始めている。



Time to win on the big occasions: Kewell
Socceroos のストライカー Harry Kewell はMönchengladbachでの勝利に続いて今や Socceroos はビッグトーナメントでベストフォームを創り始める時だと語った。
“世界3位を、しかも相手のホームで破った時は彼らは自分自身をののしるだろうと思う。我々はそこに乗込み、やるべき事をやった。たまに何故それがワールドカップで出来なかったのかと恥じる事になるだろう。私は選手達を誇りに思い、また自分達の出来る事を出来たと思う。 彼ら(ドイツ側)が云いたい事もある事は解る。これは Friendly Match に過ぎないがそれはそれ、これはこれだ。 しかし真実は全ての選手達が勝とうとした事だ。”

またワールドカップでは4度ゴールを破られた GK Mark Schwarzer は
“Big Stage での勝利だ。もちろんワールドカップでも勝ちたい。もちろん出来る。しかし全く異なったシナリオだ。出来る事は全ての試合で勝利を掴もうとする事だ。 誰がわかる?恐らくまたワールドカップでドイツと対戦するかもしれない。そしてその時は我々がこの夜行った事をトライするまでだ。 この日見せた後半のパフォーマンスはチームが進化して我々が強くなっている証拠だ。我々には多くの若い選手がやって来た。”
この様に応えた。80分には Melbourne Victory 所属の Robbie Kruse が Asian Cup 同様 Kewell に替って投入され、そして デンマークベースの10代のBrent McGrath がこの試合代表デビューを果たした。



Mönchengladbachでの“大勝利”を報道するオーストラリアの地元紙であるがドイツ側の反応は少し異なったものだった。

Unnötige Heimniederlage der Nationalelf Osiecks Socceroos entzaubern Löws zweite Garde

不要なホームでの敗戦。 Oseick は Socceroos を魔法にかけLöw の2軍チームを破る。2番目のスーツはフィットしなかった。
この試合の前日 Bayern München の Uli Höness 会長は欧州選手権予選の3日後に組まれた Socceroos との試合に難色を示し、 Socceroos のレベルを“ Bayern の A チームと B チームの試合の方が緊張感がある。”と見降したコメントを発していた。
ドイツに乗り込んだオーストラリア代表は怪我で欠場した Cahill を除けばベストメンバーであったのに対しドイツは3日前にKaiserslautern で行われた欧州選手権予選のカザフスタン戦 ( 4-0 で勝利 ) に出場したMesut Ozil, Sami Khedira そして Philip Lahmらの主力選手を起用せず、この試合で出場した中では Schweinsteiger, Müller そして Podolskiの3選手のみであった。そして73分に得点者の Mario Gomez に替って Klöse が投入された。 
Tim Wiese と Manuel Neuer は代表戦で初めて共にDFラインに入り、また香川のチームメイト Borssia Dortmund 所属選手が3人、Hummels, Schmelzer , Bender が含まれていたが21歳の Sven Bender は代表デビュー戦であった。
そして65分からはIdol も投入された。 
他の選手も Friedrich, Schweinsteiger, Müller, Gomez, Podolski を除けば代表出場数は10にも満たない選手ばかりであった。Löw監督はコンビネーションを按じていいたが前半はよくやれたとの評判であった。



73分に Gomez に替って投入された Klöse はこれで代表108試合目の出場となり Jürgen Klinsmann と並んだ。彼らを上回るのは150試合出場の Lothar Matthäus のみであるがゴール数は Gerd Müller を上回っている。
Klöse は最後のシーンは絶対に相手が自分の体に触れていたと、相手もそれは解っていたと不満を隠さなかった。
ドイツの敗戦はワールドカップでスペインに敗れて以来の敗戦であった。

しかしこれだけは言える。もし日本代表がドイツに乗込んで結果を残せるのだろうか…勿論その時は香川は起用出来る様になってからだけど….



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2 コメント

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今さらながらドイツ戦 (鍼灸)
2011-05-06 19:22:46
ドイツ側もカザフ戦とはまったくメンバーを代えてきたので、舐められたものだとは思いましたが、まさか勝てるとは。
ただ、これでドイツ組がまた延命してしまうではないか、と複雑です。やはりドイツ組ではドイツに引導を渡してもらいたかった(苦笑)。
オジェクは試合前にもランゲラクやアミニを高く評価していたので、起用してくるかと思ったんですが、結局、代表デビューは今季デンマークリーグで活躍したマクグラスのみ。
この起用も意外ではありましたが、僕が期待していたハード(アストンビラ)やローリー(シェフィールドU)の起用もなし。
ピム同様、ベテランを使い倒すようですね。
僕の関心はオリルーとヤングルーに向かいつつあります。
6月1日にオリルーが新潟に来ますが、都合がつかないので涙を呑んで断念です。

6月にNZ戦とセルビア戦で新戦力のお披露目といきたいところです。
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ドイツ組 (Mr. コンティ)
2011-05-07 15:12:31
鍼灸様

このドイツ戦をベテランたちの花道にとオジェク監督は考えていたのではないでしょうか?
でも出場していない Cahill は FIFA のサイトで2014年大会も出場する事に積極的だとのコメントを発しています。
Verbeek時代と違って時間があるので”テスト”をしながら世代交代するのではないでしょうか。勿論若手にチャンスを与えられればの話ですが。 
6月の Olyroos の来日は私も一瞬たのしみにしたのですが新潟はちょっと遠い....
6月出来れば NZ, セルビア戦...と思いますがこちらはスケジュールが。
まぁまずは消化試合になったけど Sydney FC 戦を楽しみにします。
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