Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

川上憲伸 それでもセントラルのエースだ !!

2006-10-27 | プロ野球
4回を三者凡退に切って取った川上憲伸だが5回は先頭打者の稲田に2塁打を浴びるが打たれたのは得意のカットボール。中堅手英智は一旦前に出て慌てて後ろにさがったが追いつけず、それだけ打球が伸びるほど痛烈に打ち返されたのだろう。シリーズ無安打の稲田に長打を喫する事がこの日の川上の調子を物語っていたか? 続く鶴岡は容易に送りバントを決め、第2戦、山本昌から逆転打を放った金子を迎える。ここで金子は 2-1 からの4球目をヒッティングの構えからスクイズを。川上懸命のバックホームは及ばず、日本ハムは小技を織り混ぜて同点とした。 何とか川上がマウンドにいる間に再リードをしたい中日は直後の6回表、先頭打者の森野が外角シュートを左翼に打ち返して出塁すると、代打川相が“バントはこうするんですよ”とばかりにきっちり決めて森野を2塁に送る。かつてはジャイアンツに無くては成らない存在だった川相が紆余曲折を経てドラゴンズにやって来て3年目。彼も日本シリーズ初打席で有終の美を飾れたと見ていて胸が熱くなる。 しかしダルビッシュは谷繁、英智をスライダーで連続三振に討ち取る。ストレートが今一と見ると今度はスライダーで攻めるとは、これは捕手鶴岡のリードが冴えたか? 味方打線が連続三振に切って取られるのを目の当りにし、“ならばもう1点もやらん”とマウンドに登っただろうがもう肩にその力は宿っていなかったのだろう。先頭の田中賢にはストレートを打たれて出塁を許すともう、バッテリーは“決め球にストレート”の選択肢は捨てただろう。小笠原の打席の間に盗塁を決められ、小笠原はフォークで内野ゴロに抑えるが田中賢は三塁に進む。これでセギノールは“犠牲フライでも良い”楽になっただろう、しかも川上のストレートは失速してきていた。セギノールには内角球を続けるが全て唯一の頼みのカットボール。そしてついに1-2からの4球目のカットボールをライトスタンドに運ばれた。大歓声の札幌ドームの中でエース川上憲伸は何を思っていただろう?今シーズン、中4日は1回あったらしいがシーズン投球イニング数 215回は自己最多だったらしい。ジャイアンツの内海(194回) パウエル ( 187 1/3 ) 上原 ( 168 1/3 ) と比較すると立派な数字だがかつて“手抜き”と言われた江川卓でさえ240回は投げていた事を考えれば近年のエースたちに物足りなさを感じるのは私も歳を取った証拠か? しかしこのシリーズ合計12三振を奪って力投した川上憲伸を攻めるドラゴンズファンはいないだろう。試合後彼に与えられた“敢闘賞”は当然の選出だろう。彼こそセントラルのエースだ。上原来シーズンは頼むぞ??
それでもまだ2点差。中日の勝機は残っていたと思う。7回の日本ハムの攻撃を今季も50試合以上登板した(57試合登板)平井、そして久本の2人がかりで0点に抑えた後の8回表1死後ベテランの立浪がダルビッシュのストレートを打ち返しこの日、中日打線8本目となる安打を浴びせた。ここでヒルマン監督は岡島を昨日に引き続き投入。元ジャイアンツの岡島はこれでシリーズ3連投。スライダーで森野を併殺に打ち取り第3戦同様価値あるワンポイント(この場合は2ポイント)を全うした。 確かに森野はシーズン規定打席にも達して .280 を記録し、この日も2安打と当たっていたが左の岡島に対してバントで揺さぶって少なくとも立浪を2塁に送るという方策は取れなかったか?次は上田であった。かつて甲子園を沸かせた松商学園出身の上田佳範。昨シーズンオフ日本ハムを解雇され中日にテスト入団した彼はこのシリーズ古巣を相手に意気込みも違っただろう。結局無安打に終わったが、上田でなくても代打もいただろう。その次はバットの振れていた谷繁だった。ここで1点を返せばまだ同点に追いつくこともあったかもしれない。そうすれば8回裏に稲葉にとどめの1発を浴びずに済んだかもしれない。 しかし、全ては私の勝手な憶測。一番近くにいた指揮官の判断が正しかったのだろう。
ただこの日の残塁8は日本ハムのそれより2つ上回ってしまった。シリーズの戦い勝敗を表している気がする。
最後に今シーズンを最後にアメリカに帰ってしまう“優勝監督”のヒルマン監督の“シンンジラレナ~イ”をアジアシリーズでもう一度聞きたい。 そして来年はジャイアンツがこの舞台に…. 立てるかな? 

新庄劇場 ここに完結

2006-10-27 | プロ野球
見慣れないと言うよりも初めて見た光景であった。昨夜の札幌ドームは最後の打者アレックスの外野への飛球を左翼手の森本が掴みゲームセット、歓喜の輪がマウンド上で作られるところまではお馴染みの光景であったが、続いて“慣例”となった優勝監督の胴上げは行なわれず感涙にむせぶ新庄の胴上げが始まった。続いて主砲の小笠原を始め何人かの功労選手の胴上げが続き、ようやくヒルマン監督の胴上げが始まった。 思えば最後に主役の座に着いたのは新庄だった。8回の最後の打席、まだ試合はおろか自分が討ち取られても自軍の攻撃が続くと言う状況で感涙にむせんだシーンは1987年の日本シリーズで優勝まであと1人となった時点で1塁手の清原が泣き出しシリーズの主役の座を奪ってしまったが、この日の新庄はその上を行っただろう。何年も経ってこの年の日本シリーズを述壊する時と言うよりもこのシーンを思い出したときに“あれは2006年の日本シリーズ最終戦だったなぁ”と思うことだろう。 ジャイアンツファンの私から見ても新庄は魅力的な選手だった。俊足、強肩、非常に“アスリート的”な選手だった。 衝撃的な“1軍デビュー”の年となった 1992年のシーズンは優勝した1985年以降低迷するタイガースをAクラスに押し上げる原動力の一つでもあった。しかし、それ以降は熱狂的なタイガースファンの期待に充分応えられた年はあっただろうか?ジャイアンツファンの私から見れば“頼もしい存在”ではあったが。だが私でさえ“ちょっと酷いな、可哀相だな”と思うシーンがあった。新庄自身“死んでも忘れられない”と語る1997年のオールスター戦だ。打率,220台と低迷するもののファン投票で選出され、当然試合にも出場するが待っていたのはセリーグ応援団からの辛らつな“応援ボイコット”おまけにペットボトルまで投げつけられた。テレビで観ていた私は“虎キチ達よ、そこまでするのか?何故かばってやらないんや?”と口に出した。
同年の夏に会社の先輩に甲子園球場の阪神対巨人に連れて行ってもらった事があった。座ったのは右翼側外野席、しかも前から3列目のタイガース応援団の陣取るところ。試合は桧山の逆転2ランでタイガースが勝利を収めた。殊勲の本塁打を放った目の前の右翼を守る桧山には終始大声援が送られたが、中堅を守る新庄へは厳しい野次が飛んだ。当時よく見せていた“ジャンピングキャッチ”をすれば、“格好つけんて落としたらどないすんねん?”と、バットを握っても凡退を繰り返す度に“どこ見てふっとるんじゃ?”と。結局ノーヒットに終わった。
1995年のシーズンオフに一度引退表明をした時、球団事務所に向かう彼に虎キチ達は“新庄!! 辞めるなんて言わんといてくれよ!! “ と声を送っていたのだが。 メジャーリーグ挑戦を決心したのもこういったいきさつが関与していると思う。 それだけに初めての日本シリーズで溌剌としたプレーを見せ最後は有終の美を飾ることが出来て本当に良かったと思った。

背水の陣で迎えた第五戦。先発マウンドの川上憲伸の心中はどうだっただろう?中日というよりも今やセントラルのエース、エース中の大エースとも言える川上はドラゴンズファンの期待を背負っての登板だっただろう。初回先頭打者の森本を三振に討ち取ったが続く田中賢、小笠原に連打された。打たれたのはいずれもストレート。4番のセギノールはストレートを詰まらせてセンターフライに討ち取るも続く稲葉は得意のカットボールを見送られて歩かせた。結局続く新庄をカーブで三振に切って取り無失点に抑えたが、ストレートを打たれるのは伸びが今一そして、得意のカットボールを見送られるのは切れがもう一つと苦しい立ち上がりだ。しかし、2回から4回までパーフェクトに抑えたのはさすがだった。気になったのは3回に田中賢に145kmのストレートを痛烈に打ち返された事。やはりストレートは一伸び欠けていたか? 一方、日本ハム先発のダルビッシュ。初回1死後井端にスラーダーをセンターに運ばれ出塁させるが続く福留をストレートで併殺に討ち取る。2回はウッズ、森野にストレートを弾き返され1死1,3塁のピンチを招くと今度はセカンドの田中賢(続く井上の打球)、サード稲田(谷繁の打球)がそれぞれ難しい内野ゴロを捌いて後続を断つ。3回は2死1,3塁で打席にウッズを迎え、三遊間に深いゴロを転がされるも遊撃手金子がファインプレーで好捕し福留を間一髪セカンドで封殺した。日本ハム内野陣の鉄壁の守りはこの日も健在だ。それでも4回に中日は先制点を挙げる。先頭の立浪がフォークを上手く打って出塁すると続く森野は送りバントを決める。3回にも荒木が送りバントを決めるなどこの試合の中日はようやくバントが決まるようになった。2死後谷繁、英智には共にストライクが入らず歩かせ満塁で不振の荒木を迎えた。カウント 2-1 からの4球目、打球は小笠原の右を襲う。一旦は小笠原が抑えるがファーストミットから打球がこぼれ荒木は執念のヘッドスライディングを見せ立浪をホームに迎え入れた。不振の荒木の執念を見たが、小笠原も落ち着いて処理をすればアウトに出来なかったか?しかしここからダルビッシュが力を見せる。尚も満塁のピンチに続く井上を力のあるタマでライトフライに討ち取り失点を1で留めた。 しかし、中日にとっては21イニング振りの得点。マウンドに向かう川上憲伸は荒木のヘッドスライディングに男意気を感じただろう。そしてドラゴンズファンは川上の更なる快投を期待しただろう。 つづく