Mr.コンティのRising JAPAN

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名門 Scotland 復活なるか?

2006-10-30 | EURO Football
ワールドカップの事をどれだけの人が憶えているだろう?たった4ヶ月ほど前に事が既に数年も前の出来事の様だ。最近のサッカーを取り巻く環境を観ればある程度のお金さえ払えば UEFA Champions League に始まり イングランド、スペイン、イタリー、オランダそしてドイツといったトップクラスのクラブチームの模様がライブで楽しめる。その上、ワールドカップの興奮が終われば今度は2年後に開催される欧州選手権の予選が始まった。のっけから話題を呼んだのはワールドカップ決勝戦のと同カード、フランス対イタリア戦が早々と実現した事。そして10月には欧州各地で試合が行われた。ヒディング新監督率いるロシアや最大の話題はEngland の低迷だろう。
私の注目は Group B の Scotland だ。 このグループは大変な激戦区。ワールドカップの優勝(イタリア)準優勝(フランス)そしてベスト8のウクライナが同居する。この3カ国と同じ組にされる事自体、 Scotland のランキングの位置の低迷振りがよく判る。私がワールドカップに興味を持ち始めた当時、英国4協会と言えば母国 England よりも Scotland が隆盛であった。1974,1978年大会と連続して欧州予選を突破出来なかった England を尻目に、 1974 年は欧州予選でチェコスロヴァキアを抑えて4大会振りの出場を決め、4年後も同じくチェコスロヴァキアを抑えて連続出場を決めた。この時のチェコスロヴァキアは欧州選手権の決勝戦で西ドイツをPK戦の末に破った欧州王者であった。 
この頃の原動力となったのは74年大会ではジャディーン(Rangers ) マグレイン ( Celtic ) ブレムナー ( Leeds United ) ホールトン( Manchester U ) ウィリー=モーガン( Manchester U ) そして当時 Celtic にいた若き日のケネス=ダルグリッシュにジョー=ジョーダン( Leeds United ) マーチン=バッカン ( Manchester U ) ベテラン、デニス=ローはManchester City にいた。メンバー22人中 England のクラブチームでプレーする選手は12名いたが次のアルゼンチン大会ではその傾向はさらに顕著になり、 Manchester United からマーティン=バッカン、ジョー=ジョーダン、ルー=マカリー。大会後欧州2連覇を果たしたノッティンガム・フォレストからはケネス=バーンズ、アーチー=ゲミル、ジョン=ロバートソン。 Manchester City からウィリアム=ドナキー、リチャード=ハートフォード。そしてケネス=ダルグリッシュがリバプールの中心選手で、主要な England のクラブチームの中心に Scotland の選手が並び、この大会の Scotland 代表チームは22人中14人が England で活躍する選手だった。 特にアーチー=ゲミルは1次リーグのオランダ戦では今でのワールドカップの名ゴール特集に出て来る高速ドリブルからオランダDF2人をかわしてゴールを決めると言う同国史上最高のゴールを決めた。しかし、ゲミルは大会翌年 Nottingham Forest がChampions Cup のタイトルを勝ち取るも決勝戦のメンバーからは外され翌シーズンには Birmingham City に移籍してしまう。この後ゲミルは大西洋を渡りアメリカの NASL でもプレーをした。 また Scotland 代表も1974年大会から5大会連続して本大会に進出するも1次リーグを勝ち抜くことは無かった。その5大会中1978年アルゼンチン大会1986年メキシコ大会を除く3大会にブラジルと同組になると言う不運もあった。そして最後にワールドカップの本大会に進んだ1998年フランス大会でもブラジルと同組になってしまう。
10月8日 Scotland の Hampden Park にフランスを迎え、欧州選手権予選の試合が行われた。17年前の 1989年3月にフランスをワールドカップ予選で迎えた時は 2-0 で Scotland は快勝を収め翌年の本大会進出を確実なものにした。当時フランス代表を率いていたミシェル=プラティニ監督は試合前にピッチに立った時、地元 Glasgow の警官にそこを退く様に言われた事を今だ根に持っているらしい。当時のフランスは低迷しておりワールドカップには2大会連続で予選落ちする最中であった。しかし、この試合を最後に Scotland は France に勝てず4連敗中で、その中には2000年3月の Glasgow での敗戦も含まれている。今は完全に立場は逆転している。フランスはこの欧州選手権予選でもイタリアを 3-1 で破るなど好調だ。 Scotland が来年オーストリアとスイスで開催される本大会に出場する為にはフランス相手にこの貴重なホームゲームは落とせない。 Walter Smith 監督の頼みの綱は9月6日、カウナスでのリトアニア共和国とのアウェーゲームで負傷した Everton 所属の McFadden の怪我の回復ぶりだ。10月初旬のリザーブリーグの Sheffield United 戦では70分間プレーをした。本来なら代役となりうる Celtic の Kelly Miller がSuspension で出場出来ないので McFadden の復調は一安心といったところだっただろう。 しかし、本当にスミス監督を喜ばせたのは中村俊輔の僚友 Gary Caldwell 。67分に貴重な得点を決め Scotland に開幕3連勝を齎した。 この Caldwell は2002年3月サンドニでフランスと対戦した当時ドイツ人ベルティ=フォックツが指揮する Scotland 代表に選ばれこの試合で代表デビューを果たした選手だ。試合はフランスが 5-0 で Scotland を粉砕している。フランスのワールドカップ、欧州選手権予選のアウェーでの敗戦は1992年9月、ソフィアでのブルガリア戦以来との事。この欧州選手権予選では Georgia戦、Italy 戦と立ち上がりの20分で2点を取っていたのだがこの試合ではそうは行かなかった。 試合はスコットランド特有の風と霧雨の止まない中で行われた。失点後もフランスはチャンスは有ったがアンリを中心とした攻撃陣は最後までゴールを割れなかった。 
これで Scotland は3連勝。続くアウェーでのウクライナ戦に最低でも引き分ければ、この予選を優位に進めることが出来たのだが……. 続く 
 
SCOTLAND ( 4-1-4-1): C Gordon (Heart of Midlothian) — C Dailly (West Ham United), S Pressley (Heart of Midlothian), D Weir (Everton), G Alexander (Preston North End) — G Caldwell (Celtic) — D Fletcher (Manchester United), B Ferguson (Rangers), P Hartley (Heart of Midlothian), L McCulloch (Wigan Athletic) — J McFadden (Everton).

Substitution : Teale (for McCulloch, 58min), O’Connor (for McFadden, 72)Not used Alexander, McManus, Neilson, Boyd, Severin
Booked McFadden, McCulloch, Dailly

FRANCE (4-4-2): G Coupet (Lyons) — W Sagnol (Bayern Munich), Boumsong (Juventus ) L Thuram (Barcelona), E Abidal (Lyons) — F Ribery (Marseilles), P Vieira (Inter Milan), C Makelele (Chelsea), F Malouda (Lyons) — Ttrezeguet ( Juventus ), T Henry (Arsenal).

Substitution : Saha (for Trezeguet, 62), Wiltord (for Ribery, 73)
Not used Landreau, Clerc, Escudé, Diarra, Squillaci
Referee: M Bussacca (Switzerland).