粋なオヤジになりたくて

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京都居酒屋紀行 - 西木屋町四条『喜幸』

2007-07-31 | 京滋阪神居酒屋
 
 京都は近くに海がないため昔から棒鰊や鯖寿司に代表される加工した魚を取り寄せて食べる文化が育った。しかし川魚なら活きのいいのを食べることもできたんだということを思い起こさせてくれるのがこのお店。場所はコロナ洋食店を更に南に下った狭い路地裏にあります。

 ご主人はすぐ前にある鴨川で投網漁(1シーズンのライセンス料は8000円とのこと)でとれた川魚を自ら調理して出すという希少な方です。17時の開店を待って一番客としてカウンター端席の水槽前に陣取る。カウンターのみで一人で入りやすい店内には年配のご主人のほかに、狭いカウンター内に割烹着姿の女性が3人もいる家族経営のようだ。水槽には今朝とれたばかりの大小たくさんの魚が泳いでいる。これは究極の天然物ですね。この様子を眺めているだけでも飽きない。この水槽に氷屋が運んできた大きな氷を丸ごと投入。氷を入れて水温を下げないと魚が死んでしまうそうだ。


(すごい勢いで泳いでいるのでブレてしまいました)

おばあちゃんが筆と墨で本日のお品書きをさらさらと書いていた。料理お酒とも値段表示はありません。この手の店では珍しい大瓶のみのビールを注文し、まずお通しの『青豆の汲み上げ豆腐』をいただく。この豆腐は豆の味がしてお替りしたい程のなかなかのうまさです。



さてメニューのなかから『鮎の山椒煮』を注文。骨まで柔らかく煮込まれた鮎は丸ごと食べられます。山椒の実がたくさん入っていてピリッとアクセントになってお酒に合います。


(鮎の下には山椒の実がたくさん敷かれています。)

次に伏見の地酒、『坤滴(こんてきと読みます)』をいただく。錦市場でさんざん並んでいるのを見て食べたくなってしまった『鱧おとし』を注文。鱧は市場では頭がつながった状態で血抜きして売られていますが、こんな状態でも噛み付くことがあるそうで、その生命力の強さゆえ昔の時代に京都までの長い道のりに耐えられる魚として重宝されたようです。その頭をダシにして湯引きするらしいです。氷で冷やして梅肉でいただくと京都の夏を感じます。



隣に座った常連さんが水槽にいる小魚『はやの白焼き』を注文して、少し分けてくれました。はらわたがちょっと苦くて、鮎と同じようにちょっと酢をつけていただきます。地方で居酒屋に入るとお店の方やお客さんの色々な話が聞けて、これが良い肴になる典型のような店でしたが、初心者にはやや敷居が高いかもしれません。計5500円也。
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