世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-キコン族の国

小学生の頃、私は、巨人に串刺しにされて食われるエピソードからか、シンドバッド(=商人)とオデュッセウス(=武人)を混同していた。で、中学生になって、農民も商人も、武将になれた時代があったのだから、と言ったところ、出所を求められ、農民は木下藤吉郎、商人は……あれ? シンドバッド? と答えて、大爆笑された。
私の記憶能力にはそういうところがある。勘違いしたままインプットし、その誤ったベースに新たな情報をどんどん付加していって、あるときそれが誤りだったと分かり、お前馬鹿か、気違いかと嘲笑される。
さて。
トロイア陥落後、総帥アガメムノンらの大船団とともに、帰国の途に着いたオデュッセウス率いる12隻のイタケの船団。ギリシア大船団をくまなく襲った出航直後の嵐から逃れた後、トラキアのキコン族の町イスマロスへと流される。
で、オデュッセウスらはこの町で、必要な物資を現地調達する。平たく言えばつまり、行きがけの駄賃とばかりに略奪したわけ。
長居は無用。オデュッセウスは即座に船を出そうとしたのだが、他のイタケ勢が言うことを聞かない。勝手に居残り、飲めや食えやの祝宴を始めてしまう。
そうするうちに、逃げ延びたキコン族が奥地から呼び集めた同胞の援軍がイスマロスに到着。イタケ勢は手痛い逆襲に遭い、命からがら海へと逃げ延びる。
ところで、このイスマロスには酒神ディオニュソスの子である神官マロンがいた。オデュッセウスはイスマロス攻略の際、神官に敬意を表してその一門を略奪から保護した。
マロンはその返礼として、ディオニュソスの聖酒の入った皮袋をオデュッセウスに贈った。これは飲めども尽きない極上の葡萄酒だったという。後にキュクロプス(一眼巨人)のポリュペモスを酔い潰したのは、この葡萄酒だった。
To be continued...
画像は、ルーベンス「ネプトゥヌスの怒り」。
ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640, Flemish)
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