バビロンの大淫婦(続)

 
 天使がヨハネに言う。
 あの獣は、昔はいたが今はいない。やがて来たり、ついには滅びるものだ。7つの頭は7人の王、10の角は10人の王のことだ。彼らは獣とともに王としての権威を受け、子羊に戦いを挑むが、王の王である子羊は彼らに勝利する。子羊とともに死んだものたちも勝利する。
 淫婦の座る水は、あらゆる民族と言語のことだ。獣はこの淫婦を憎み、惨めにし、裸にし、肉を食らい、火で焼き尽くすだろう。淫婦とは、地上の王たちを支配する大いなる都のことだ。

 すると、もう一人の天使が、大いなる権威を持って天から降りてくる。天使は叫ぶ。
 大いなるバビロンは倒れた。それは悪魔とあらゆる汚れた憎むべき霊の巣窟となった。地上のあらゆる民が、彼女の姦淫に対する怒りの葡萄酒を飲み、王たちが彼女と姦淫し、商人たちが彼女の贅沢により富を得ていたために。

 さらにもう一人の天使が言う。

 民よ、その罪にあずからないよう、彼女から離れ去れ。彼女の罪は積もり積もって天に達した。彼女の不義を倍にして報復せよ。あらゆる災いが一日のうちに彼女を襲い、彼女は火で焼かれてしまう。
 彼女と姦淫し、富をほしいままにしてきた地上の王たちは、彼女が焼かれる火を見て嘆き悲しみ、彼女の苦しみに恐れをいだくだろう。
「大いなる都バビロンは災いだ。お前に対する裁きは一瞬にしてやって来た」
 商人たちも嘆き悲しむ。
「大いなる都は災いだ。これほどの富が一瞬にして無に帰してしまうとは」

 天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ、大いに喜べ。神はお前たちのためにこの都を裁いたのだ。

 さらにもう一人の天使が、巨石を持ち上げ、海に投げ込んで宣言する。
 大いなる都バビロンは、このように打ち倒され、まったく姿を消したのだ。

 画像は、デューラー「大淫婦バビロン」。
  アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer, 1471-1528, German)

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