バビロンの大淫婦

 
 「人間の絆」のミルドレッドやら「痴人の愛」のナオミやら、「ルパン三世」の峰不二子やらが話題になると、相棒は決まって、ついでに「バビロンの大淫婦」を思い出す。……すごい名前だな。
 その昔、聖書に「バビロンの大淫婦」なるものが登場すると教えてあげて以来、その響きがやたらに忘れがたくて、何かにつけて思い出しているうちに、「バビロンの大淫婦」は、どんな淫婦もかなわない、あらゆる淫婦に勝る、淫婦たちに君臨する淫婦の女王、淫婦中の淫婦のようなイメージに膨らんでしまった。
 
 「バビロンの大淫婦」というのは、「ヨハネ黙示録」に出てくる、女の姿で表わされた反キリストの暗喩。「バビロンにいる大淫婦」ではなく、「バビロンという大淫婦」、つまり「大いなる淫婦バビロン」、「大淫婦バビロン」という意味。
 
 以下、「ヨハネ黙示録 17~18章」の備忘録。

 7つの鉢を持つ7人の天使の一人がヨハネに言う。
「水上に座る大淫婦に対する裁きを見せよう。地上の王たちはこの女と姦淫し、地上の住人たちはこの女の姦淫の葡萄酒に酔いしれている」

 天使はヨハネを荒野へと連れて行く。そこには、緋の獣に乗った一人の女がいた。獣は7つの頭と10の角を持ち、神を汚す数々の名で覆われていた。
 女は紫と緋の衣を纏い、金・宝石・真珠で身を飾り、憎悪と姦淫の汚れで満ちた金の杯を手に持ち、額には一つの名が記されていた。
“大いなるバビロン、淫婦どもと地上の憎むべきものらとの母”
 女は聖徒の血とキリストの証人の血に酔いしれていた。

 To be continued...

 画像は、ブレイク「大淫婦バビロン」。
  ウィリアム・ブレイク(Wlliam Blake, 1757-1827, British)

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