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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-テレマコスの旅(続)

 
 翌朝、テレマコスは早速集会を開いて、災厄を訴える。自分は、優れた父を失い、母の求婚者どもに財産を食いつぶされている。こんな無法が許されていいのか!
 オデュッセウスがトロイアを出征する際、彼の帰郷には二十年を要するだろうと予言した、鳥占いに長ける老予言者ハリテルセスや、オデュッセウスが後見として残した僚友メントルらが、テレマコスに加勢する。

 が、求婚者らは相手にしない。首謀格の乱暴なアンティノオスや、色男エウリュマコスらが言い返す。俺たちに出て行ってほしけりゃ、母親を実家に帰せ。俺たちはペネロペが誰かに嫁ぐまで引き下がる気はない。オデュッセウスは異郷で死んだのだ。仮に戻ってきたところで、多勢に無勢、俺たちと戦うのは容易ではない。無様な最期を遂げるだろう。と。

 仕方ない。テレマコスは、ハリテルセスやメントルに手伝われて船を用意し、メントルに伴われて船出する。だが、テレマコスの旅路に付き従ってくれたメントルは、例によってアテナ神が化けたものだった。

 船はつつがなくピュロスに到着、テレマコスは老ネストルの館へ赴く。
 が、ネストルはオデュッセウスの消息を知らなかった。代わりにネストルが語ったのは、アガメムノン殺害の顛末。

 翌朝、ネストルは馬車を用意し、息子ペイシストラトスに手綱を取らせて、テレマコスをスパルタへと送り出す。スパルタでは元の鞘に収まったメネラオスとヘレネの夫婦が、8年の歳月を経てえっちらおっちらと帰国を果たし、仲睦まじく暮らしているのだった。

 To be continued...

 画像は、ティエポロ「テレマコスとメントル」。
  ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ
   (Giovanni Battista Tiepolo, 1696-1770, Italian)


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