ギリシャ神話あれこれ:ケファロスとプロクリス(続)

 
 プロクリスはクレタ島に渡り、そこでミノス王の眼にとまった。が、王妃パシパエは、王が不貞を働くと、王の身体から毒蛇や蠍が出て相手の女を殺すよう、魔法をかけていた(彼女は魔術に長けていたわけ)。
 が、が。ミノス王のほうも、魔法を消し去る薬草を魔女キルケから手に入れていた。どっちもどっち、ノー・プロブレム。

 で、ミノス王はプロクリスを口説き、追いかける獲物を必ず捕らえる猟犬ライラプスと、必ず的中する投槍とを贈って、とうとうプロクリスを口説き落とした(別伝では、失踪後彼女は、狩猟の女神アルテミスの従者になり、これらアイテムを贈られたという)。
 ……どうもプロクリス、贈り物に弱い女性らしい。

 その後、ケファロスが捜しに来たのか、プロクリスが帰ったのか、とにかく二人は仲直りする。

 が、あるとき、ケファロスが森に狩猟に出かけたときのこと。
 以前から彼は、猟に出て駆けまわっては、疲れて身を横たえて、ああ、アウラ(=そよ風)、私の熱い胸を静めてくれ、なーんて言っていた。これを聞きつけた召使か誰かが、プロクリスに告げ口したわけ。
 今度はプロクリスのほうが疑念を抱き、夫がアウラという女と不貞を働いているに違いない、と勘違いして、夫を尾行した。で、木陰に隠れて様子を窺っていたところ、カサッ、という葉音に、獲物だと思ったケファロスが、あの百発百中の魔法の槍を投げたものだから……

 妻の悲鳴に飛んで来たケファロスの腕に抱かれながら、胸を刺し貫かれたプロクリスは死んでゆく。

 なんか、馬鹿みたいな星の下の夫婦。

 画像は、アリエ「ケファロスとプロクリス」。
  フルシュラン=ジャン・アリエ(Fulchran-Jean Harriet, 1778-1805, French)

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