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ギリシャ神話あれこれ:パトロクロスの死(続々)

 
 勢いに乗ったパトロクロスはトロイア勢を猛追、なおも敵将たちを討ち取りながら、アキレウスの忠告を忘れてイリオス城壁まで攻め込んでいく。
 ここでヘクトルがアポロン神に励まされて踏みとどまり、戦場へと取って返してパトロクロスを迎え撃つ。両雄激突。

 パトロクロスはトロイア陣内に3度攻め入った。けれども4度目に、トロイアに味方するアポロンが干渉してくる。
 アポロンはパトロクロスの背後からそっと近づき、その背を平手で打った。パトロクロスの眼がくらむ。
 するとアポロンはパトロクロスの兜を叩き落し、槍と楯を砕き、さらに鎧を解き始める。パトロクロスは混濁して立ちすくむ。

 このとき、神に力を奪われたパトロクロスの背に、槍が飛んでくる。 
 深手を負ったパトロクロスは、トロイア陣中から退こうとする。が。逃すものか! ヘクトルが陣を分けて突進し、パトロクロスの下腹をぶすりと刺し貫いてとどめを刺す。
 パトロクロスはどっと倒れ伏した。南無。

 自らの血に染まった砂塵を掴みながら、パトロクロスが、消え入るような声でヘクトルに宣告する。私を倒したのは神々であって、お前ではない。お前は三番目に出てきたにすぎない。覚悟しておけ。お前の命運もすでに定まっている。すぐにアキレウスがお前を倒すだろう。と。
 言い終えて事切れたパトロクロスに、ヘクトルは、私かアキレウスか、どちらが倒れるか誰に分かる? と答えながら、パトロクロスの屍に足をかけて槍を抜き去った。

 すぐさまメネラオスが駆けつけ、パトロクロスの屍を死守すべくその上を跨いで立って身構える。そこへ、屍が纏ったアキレウスの甲冑を剥ごうと、トロイア勢がワッと襲いかかる。

 To be continued...

 画像は、ダヴィッド「パトロクロス」。
  ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David, 1748-1825, French)

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