独仏国境の街角(続々)

 
 工場の敷地のような一面のコンクリートを抜け、壁に“MEGA EROTIC”(どえりゃあエロチックだぎゃあ)と書かれたピンクと黄色のド派手なショップを横目に、車のビュンビュン走り抜ける車道に出て、ユースを目指しててくてく歩く。
 あー、やっぱり都会というのは万国共通で、資本主義に汚染された、否定的な意味での均一性、近代性、それに巣喰われた人間の形態規定性というものを、ひしひしと感じる。

 昔ながらの街並みを保護するとか、街中にも樹木を植え、公園や広場を確保するとかいう行為は、結局、放っておけばどこをも、どれだけでも蝕んでくる資本に対して、人間社会としての領域を擁護する行為なのだ。労働時間の短い国には、緑が多いというのも、そういう理由なわけだ。

 チェックインの時間まで、近くのドラッグストアで買い物。ドイツの塩パン、ブレッツェルをねだる。ドイツのパンはとにかく安くて美味しい。
 で、池のベンチに座って、例のお手製のサンドイッチの昼食と、カモへの餌やり。

 ザールブルクのような辺鄙な田舎のユースホステルは、見るからに一昔前の設備で、地元に住んでいる家族がスタッフとなって管理している。それに対して、ザールブリュッケンのような都会のユースは、外見も中身も近代的で、ビストロが併設されていて、スタッフも学生アルバイトが多い。まあ、グレードが高いと、料金も高いんだけれど。

 受付が美しい女性だったりすると、心ときめいてしまう相棒。上機嫌でドイツ語の挨拶をする。
 が、その女性が立ち上がってみると、ああ! 下半身の横幅が上半身の二倍はある。「インチキだ!」と、相棒ちゃんは大憤慨。

 To be continued...

 画像は、ザールブリュッケン、市庁舎。

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