性犯罪許すまじ(続々々)

 
 ところで、痴漢被害やストーカー被害を含め、性被害に関して言えば、警察の対応はきわめてまともで紳士的。おそらくマニュアルがあるのだろう。被害者の女性をなじったり、冷やかしたりは決してしない。女性に対応するのも、できるだけ若いイケメン刑事の役となっているみたい。
 性被害について、被害者の側に非があるように言う人々がいる。「スキがあったからだ」という非難だ。これは被害者に二次被害をもたらし、性被害そのもの以上の苦しみを与える。こういう非難は結局、「女性なんだから被害に会っても仕方がない」という理解に帰着する。このような輩は絶滅すべきだと私は思う。

 調書を作るのに、午後いっぱいかかった。これで「クールベ美術館展」はパー。
 
 犯人は拘束されているし、犯行現場や時刻(私が見た車窓の景色の特徴から、電車側が割り出した)もすべてバッチリで、問題はなかった。私も社会的地位を訊かれたので、絵描きだ、と答えておいた。

「こういうことは、一つ一つ潰していかないと、良くならない。被害者にとってはもちろん、加害者にとっても、曖昧にしないほうがよい。より早く更生できる」
 ……ごく当然のことだが、警察の態度はこうだった。
 それに比べて、社会進歩の促進体と自己規定し、自由と民主主義を標榜する某組織が、性被害について、これとは正反対の態度を取ったことがあるのを、私は知っている。

 今回もまた、国家権力の一機関、警察は、私たちの敵にはならなかった。

 さて、相棒は、犯人逮捕への協力その他で、報奨金が貰えることになった。これは痴漢に限ったことではないが、たとえ報奨金目当てにせよ、社会全体が犯罪行為を監視し制御するなら、あっと言う間に犯罪は激減すると思う。
 この日本社会は、互いに監視し合い牽制し合って、出る杭を打ち合い、全体のレベルを低めよう、低めようとする。もし逆に、社会が悪いものを監視するなら、社会は格段に良くなるのに、と思う。
 どうせなら同じエネルギーを、良い方向へと向けたいものだ。

 画像は、ハラモフ「瞑想」。
  アレクセイ・ハラモフ(Alexej Harlamoff, 1842-1922, Russian)

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