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魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-

 世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記

ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-父子再会(続)

2014-02-11 | 僕は王様
 
 テレマコスは、母ペネロペに自分の無事な帰還を知らせるために、豚飼いを使いに出す。すると、アテナ神が現われて、オデュッセウスを元の姿に戻してやる。
 すっかり別人となったオデュッセウスの姿に仰天するテレマコス。そんな息子に、オデュッセウスは、自分こそはお前の父だ、と打ち明ける。
 父子は涙を流しながら抱き合った。そして求婚者たちへの復讐の計略を練り始める。

 さて、オデュッセウスは再び乞食の老人に身をやつすと、町で物乞いがしたい、と言って、豚飼いの案内で町へと向かう。
 途中で出くわしたのが、山羊飼いメランティオス。不忠な山羊飼いは、ハッ! 乞食が乞食を連れてやがる! と愚弄すると、求婚者らに食わせる山羊を連れて、いそいそとオデュッセウスの屋敷へ入っていく。

 屋敷では相変わらず求婚者たちの宴会だった。このとき、門前に寝ていた老犬が、乞食姿のオデュッセウスをかつての主人と見分けて、尾を振ると、そのまま息を引き取った。

 乞食のオデュッセウスは屋敷に入り、テレマコスから恵んでもらったパンと肉を食べると、もっとパンを、と求婚者らにパンを乞うてまわる。
 豚飼いめ、なんでこんなに汚い乞食を連れてきやがった! と求婚者らの首領格のアンティノオスが罵倒すると、
 そっちこそ、他人の食卓の料理の山を、パンひとかけらさえ施そうとしない、見かけ倒しのケチ旦那め! とオデュッセウスが応酬する。

 To be continued...

 画像は、ドゥーセ「オデュッセウスとテレマコスの再会」。
  アンリ=リュシアン・ドゥーセ(Henri-Lucien Doucet, 1856-1895, French)

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     Bear's Paw -ギリシャ神話あれこれ-

ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-父子再会

2014-02-10 | 僕は王様
 
 さて、無事イタケに戻ったオデュッセウスだったが、眼を覚ますと、一体ここはどこなんだ? 自分がどこにいるのか分からない。途方に暮れていると、若い羊飼いの男が近づいてくる。これ、アテナ神が化けたもの。
 ここは何という名の国か、と尋ねるオデュッセウス。そして、イタケだ、という返答に歓喜する。とうとう帰ってきた!

 が、慎重からか癖からか、つらつらと偽りの素性を並べ立てる。イタケか! 噂には聞いたことがある。実は私は亡命者なのだが、云々……
 するとアテナ神は、悪賢い策士め! だが、さすがに我が正体を見破れなかったな! と真の姿を現わす。そして、オデュッセウスの姿を乞食の老人に変え、まず忠義な豚飼いエウマイオスを訪ねるよう助言する。

 オデュッセウスは言われたとおり、豚飼いの農場へ。豚飼いは乞食のオデュッセウスを自分の小屋に招き、仔豚の肉と酒とでもてなしてくれる。求婚者どもに豚を食い減らされる、とこぼし、主人オデュッセウスさえ帰ってくれたら、と嘆く豚飼い。
 オデュッセウスは励ましついでに、性懲りもなく偽りの素性と遍歴を語って聞かせる。

 一方、テレマコスは求婚者らに見つかることなく、無事イタケに到着する。そしてアテナ神の言葉どおり、屋敷には戻らず、豚飼いを訪ねる。豚飼いは感激してテレマコスを出迎える。

 To be continued...

 画像は、スタナップ「ペネロペ」。
  ジョン・ロッダム・スペンサー・スタナップ
   (John Roddam Spencer Stanhope, 1829-1908, British)


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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-テレマコスの旅(続々)

2014-02-09 | 僕は王様
 
 テレマコスらがスパルタに到着したとき、折しもメネラオスの館では、娘ヘルミオネの婚礼の宴の真っ最中。ヘルミオネは、トロイア戦争での約束どおり、アキレウスの息子ネオプトレモスに嫁ぐのだった。
 あくる日、メネラオスはオデュッセウスの消息を語る。トロイアからの帰途、風が凪いで立ち往生した際に、海の翁プロテウスから聞いたところによると、小アイアスは溺死し、アガメムノンは帰国後に殺害された。そしてオデュッセウスはカリュプソの島に足止めされている。何しろ彼は、戻るべき船も仲間も持たないのだから。と。

 父は生きている! テレマコスはすぐに出立を決意する。

 その頃、イタケでは、婚約者たちがオデュッセウスの館で相変わらずの宴会騒ぎ。そこへ、テレマコスに船を貸した男が、テレマコスはいつ帰ってくるのか、と尋ねてくる。
 アンティノオスとエウリュマコスはびっくり仰天。奴め、本当に旅立ちやがった。ひょっとしたらこの先、厄介な敵に化けるかもしれん。いっそ、殺しておいたほうが無難だぞ。
 で、テレマコスが帰るところを途中の島で待ち伏せし、暗殺しようと計画する。

 が、その点はアテナ神が、テレマコスの枕辺に立って、求婚者どもがお前を殺そうと待ち伏せているから、夜中に船を進め、迂回してイタケに戻るように、と警告する。さらに、イタケではまず豚飼いを訪ねるがよい、とも。
 翌朝、テレマコスはメネラオスに別れを告げると、ピュロスを経由してイタケ目指して出航する。

 ……オデュッセウスがイタケに到着したときは、ちょうどこんなような状況だった。

 To be continued...

 画像は、ラグルネ「オデュッセウスの息子テレマコスに気づくヘレネ」。
  ルイ=ジャン=フランソワ・ラグルネ
   (Louis-Jean-Francois Lagrenee, 1724-1805, French)


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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-テレマコスの旅(続)

2014-02-08 | 僕は王様
 
 翌朝、テレマコスは早速集会を開いて、災厄を訴える。自分は、優れた父を失い、母の求婚者どもに財産を食いつぶされている。こんな無法が許されていいのか!
 オデュッセウスがトロイアを出征する際、彼の帰郷には二十年を要するだろうと予言した、鳥占いに長ける老予言者ハリテルセスや、オデュッセウスが後見として残した僚友メントルらが、テレマコスに加勢する。

 が、求婚者らは相手にしない。首謀格の乱暴なアンティノオスや、色男エウリュマコスらが言い返す。俺たちに出て行ってほしけりゃ、母親を実家に帰せ。俺たちはペネロペが誰かに嫁ぐまで引き下がる気はない。オデュッセウスは異郷で死んだのだ。仮に戻ってきたところで、多勢に無勢、俺たちと戦うのは容易ではない。無様な最期を遂げるだろう。と。

 仕方ない。テレマコスは、ハリテルセスやメントルに手伝われて船を用意し、メントルに伴われて船出する。だが、テレマコスの旅路に付き従ってくれたメントルは、例によってアテナ神が化けたものだった。

 船はつつがなくピュロスに到着、テレマコスは老ネストルの館へ赴く。
 が、ネストルはオデュッセウスの消息を知らなかった。代わりにネストルが語ったのは、アガメムノン殺害の顛末。

 翌朝、ネストルは馬車を用意し、息子ペイシストラトスに手綱を取らせて、テレマコスをスパルタへと送り出す。スパルタでは元の鞘に収まったメネラオスとヘレネの夫婦が、8年の歳月を経てえっちらおっちらと帰国を果たし、仲睦まじく暮らしているのだった。

 To be continued...

 画像は、ティエポロ「テレマコスとメントル」。
  ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ
   (Giovanni Battista Tiepolo, 1696-1770, Italian)


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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-テレマコスの旅

2014-02-07 | 僕は王様
 
 話は変わって。オデュッセウスが不在のあいだ、故郷イタケでは何がどうなっていたか。

 オデュッセウスの屋敷では、彼の留守をいいことに、イタケや近隣の島々の領主たちがどっと押し寄せてきて、彼の美貌の妻ペネロペに求婚していた。求婚者らは傍若無人、傲岸不遜、厚顔無恥に、屋敷に居座って勝手にもてなされ、毎夜毎夜、我が物顔で饗宴三昧、オデュッセウスの財産を蕩尽し続ける始末。

 ペネロペは、舅ラエルテスの死装束を織り上げるまで、結婚を待ってほしい、と答え、機を織り続けていた。が、実は、昼に織った分だけ、夜になるとこっそり解いて、求婚者たちを欺いて待ちぼうけさせていたのだった。
 が、この策略は三年後、不忠な侍女の密告によって露見してしまう。

 オデュッセウスが出征した当時は、赤ん坊だった息子テレマコスも、今では立派な若者に成長していた。あるときアテナ神が、タポス王メンテスの姿に化けて、イタケの屋敷を訪れる。テレマコスは客の姿に気づくと、すぐに屋敷に招き入れた。

 アテナは、自分は船で航海の途上にあるのだが、父上とは先祖代々懇意の間柄で、今も父上に会うために、ここイタケに立ち寄ったのだ、と挨拶し、憤然として助言する。
 即刻集会を開き、求婚者どもに各々の領地に引き上げるよう訴えなさい。そしてあなた自身は船を出し、父上の消息を尋ねに出かけなさい。父上が存命なら帰国まで辛抱し、無礼な求婚者どもを討伐する手立てを考えなさい。と。

 アテナは去っていったが、若いテレマコスは勇気百倍。

 To be continued...

 画像は、J.ライト「織布を解くペネロペ」。
  ジョセフ・ライト(Joseph Wright of Derby, 1734-1797, British)

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