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魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-

 世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記

ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-求婚者誅殺さる(続々)

2014-02-16 | 僕は王様
 
 エウリュマコスが弁解する。すべての責任はアンティノオスにあった。その彼が死んだ今、我らのことは許してほしい。我らが浪費した分については今後、十分に償おう。と。
 が、オデュッセウスは言い渡す。許すつもりはない。お前らの選択肢は二つに一つ、闘うか、逃げるかだ。と。
 観念したエウリュマコスは求婚者らを煽る。もはや術はない、覚悟を決めろ! そう言いざま、剣を抜くと、オデュッセウスに斬りかかる。が、オデュッセウスの放つ矢に胸を射抜かれ、食卓の料理や酒を飛び散らせて倒れこんだ。

 広間は乱闘の場と化す。テレマコスは武具を取りに走ると、豚飼い、牛飼いとともに武装し、オデュッセウスの周りに立つ。オデュッセウスは、矢の続く限り求婚者らを射続け、矢が尽きると剣を取る。
 そこへ不忠な山羊飼いが、テレマコスのあとから武具を探し出して戻ってくる。今や求婚者らもオデュッセウスら同様に武装する。ちょっぴりひるむオデュッセウス。

 このとき、アテナ神がメントルに化けて現われる。オデュッセウスよ、トロイアでの気概を、今一度見せてみよ。そう言うなり、ヒラリと天井の梁に飛び乗った。
 求婚者らの投げる槍は、アテナ神によってことごとく外され、一方、オデュッセウスらの槍はことごとく命中する。求婚者らは折り重なって床に倒れ、広間は阿鼻叫喚の血の海に。
 こうして、テレマコスのかばった楽人ペミオスと伝令使メドンのみを残して、求婚者らは殲滅される。

 To be continued...

 画像は、パリエール「求婚者たちを殺害するオデュッセウスとテレマコス」。
  ルイ=ヴァンサン=レオン・パリエール
   (Louis-Vincent-Leon Palliere, 1787-1820, French)


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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-求婚者誅殺さる(続)

2014-02-15 | 僕は王様
 
 さて、結局、最後に挑戦したアンティノオスとエウリュマコスも、オデュッセウスの弓を張ることはできなかった。
 このとき、広間へ戻った乞食のオデュッセウスが、自分も弓を試してみたい、と名乗り出る。求婚者らは口々に喚き立てる。酔っぱらっているのか、図々しい老いぼれめ!
 だが手筈どおり、豚飼いはオデュッセウスに弓を渡す。テレマコスは母ペネロペを広間から退かせ、乳母エウリュクレイアに、侍女たちを部屋から出さないよう言い含める。一方、牛飼いはこっそり中庭の門に閂をかける。

 こうして準備が整うと、オデュッセウスは事もなげに弓に弦を張るや、長矢をつがえて弦を引き絞り、矢を放つ。矢は狙いをたがわず、十二本とも、斧の柄を刺す穴を射抜く。
 
 テレマコスは父の傍らにすっくと立つ。オデュッセウスは襤褸を脱ぎ捨て、では今ひとつの的も試すとしよう、と言うが早いか、酒盃を手にしていたアンティノオスの咽喉を射抜いてしまった。杯は音を立てて床に落ち、アンティノオスは卓上の料理ともども、どうと床に倒れる。

 私こそイタケの王オデュッセウスだ。お前らのこれまでの狼藉を、お前ら自身の命で購ってもらおう!
 一同は騒然となり、戦慄して右往左往するが、壁にあったはずの剣も楯も、今や見当たらない。

 To be continued...

 画像は、サンズ「ペネロペ」。
  フレデリック・サンズ(Frederick Sandys, ca.1829-1904, British)

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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-求婚者誅殺さる

2014-02-14 | 僕は王様
 
 翌朝。ゼウス神はオデュッセウスのために、吉兆として雷鳴を轟かせる。

 テレマコスは剣を肩にかけ、手に槍を持って、身支度万端。老女エウリュクレイアも、てきぱきと侍女たちに仕事を命じる。豚飼いエウマイオスが豚を連れて、山羊飼いメランティオスが山羊を連れて、牛飼いピロイティオスが牛を連れて、屋敷に入ってくる。豚飼いと牛飼いが乞食のオデュッセウスに親切な挨拶の、山羊飼いが罵倒の言葉をかける。
 そして求婚者らが、いつものようにぞくぞくと屋敷に入り、料理と酒とで宴会を始める。

 そこへペネロペが、オデュッセウスの大弓と、長矢の入った矢筒を持って広間に現われ、こう告げる。さあ、求婚者の方々、弓術の腕比べはいかがでしょう。勝者には私自身を差し上げましょう。夫の弓に弦を張り、十二の斧を射通した方に、私は嫁ぐことに致します。

 まずテレマコスが、自分も父の武器を取る力があるかどうか試してみたい、と名乗りを上げる。彼は三度試みて三度とも失敗し、四度目に、ようやく弦を張りおおせるかに見えたとき、乞食のオデュッセウスが目顔で制した。
 続いて婚約者らが、代わる代わる、次々と試し出す。が、あまりに力及ばず、結局弦を張れた者は一人もいなかった。
 
 その間、乞食のオデュッセウスは中庭で、豚飼いと牛飼いに、自分が主人オデュッセウスその人であることを明かす。私の帰国を待っていてくれた召使は、お前たち二人だけだった、と。二人は泣きながら主人に抱きつき、再会を喜んだ。

 To be continued...

 画像は、エカスベア「オデュッセウスの帰還」。
  クリストファー・ウィルヘルム・エカスベア
   (Christoffer Wilhelm Eckersberg, 1783-1853, Danish)


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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-父子再会(続々々)

2014-02-13 | 僕は王様
 
 そこへ降りてきたペネロペ。私がお引き止めしたのだよ、と侍女を叱り、炉の傍らで、乞食のオデュッセウスと語り合う。
 夫は出征したまま戻ってこない。近隣の貴族たちに結婚を迫られ屋敷を荒らされ、彼らを欺くための機織の計略は侍女に裏切られて見破られ、両親さえも再婚を言い立て、息子は財産が食いつぶされるのを苦にしている。云々。と、己の身の上を嘆くペネロペ。オデュッセウスのほうも、例によってまことしやかに、嘘偽りの身の上を語って聞かせる。

 さて、ペネロペは老女エウリュクレイアに、乞食のオデュッセウスの足を洗ってやるよう命じる。この老女はオデュッセウスの乳母で、幼いテレマコスを養育したのも彼女だった。
 老女が盥に湯を注ぎ、松明を手に、オデュッセウスの足を洗おうとすると、ふとその足に、古い傷痕を見出す。これはその昔、若きオデュッセウスが祖父アウトリュコスを訪ねた際に、野猪の牙で突かれたものだった。
 老女は涙を流し、おお、坊ちゃま! と叫ぼうとするところを、オデュッセウスに口止めされる。私の帰還は、まだ誰にも知らせてはならない!

 その夜、オデュッセウスは広間の前に、求婚者らのために屠られた家畜の毛皮を敷いて横になった。そこへ、求婚者らと密通している侍女たちが、彼らに抱かれに行くために、笑いながら、部屋から抜け出してくる。激怒のオデュッセウス、だが我慢、我慢だ!

 To be continued...

 画像は、ブーランジェ「エウリュクレイアに気づかれるオデュッセウス」。
  ギュスターヴ・ブーランジェ(Gustave Boulanger, 1824-1888, French)

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ギリシャ神話あれこれ:オデュッセウス帰還-父子再会(続々)

2014-02-12 | 僕は王様
 
 アンティノオスは激怒して、オデュッセウスに足台を投げつける。この様子を聞き知ったペネロペは、異国の乞食の話を聞いてみたいから連れてくるように、と豚飼いに言いつけた。

 さて、ここで広間に、土地の乞食イロスが現われる。意地汚いイロスはオデュッセウスに、出て行け、老いぼれめ! と罵倒する。乞食同士の喧嘩を、求婚者らは、面白い座興とばかりに、やんややんやと囃し立てる。
 乞食のオデュッセウスが襤褸を腰に巻くと、なんと、意外にも筋骨隆々の見事な肉体が現われた。驚愕する一同。すっかり怖気づいたイロスに、アンティノオスは、大法螺吹きめ、こんな老いぼれにびびりおって、と悪態を吐く。
 が、オデュッセウスは一撃でイロスの骨を砕いてしまう。悶絶するイロスに、求婚者らは笑い転げる。そして、そこにふと気紛れに姿を現わしたペネロペの美貌を前に、欲情を新たにするのだった。欲しい、欲しい、ペネロペが欲しい!

 夜。求婚者らが引き上げると、オデュッセウスとテレマコスは、広間の一切の武器を片づけてしまう。テレマコスが寝室に去っても、まだうろうろしている乞食のオデュッセウスを目ざとく見つけたのが、侍女メラント。
 彼女は先ほどからオデュッセウスを罵りまくっていたのだが、またもや悪罵を浴びせかける。このメラントは、不忠の山羊飼いメランティオスの妹で、求婚者の一人エウリュマコスと密通している、忘恩の侍女だった。

 To be continued...

 画像は、コリント「イロスと闘うオデュッセウス」。
  ロヴィス・コリント(Lovis Corinth, 1858-1925, German)

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