チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

つっけしだんご

2017年05月13日 | お母さん
今日は氏神さまのお祭りだったげんちょも、お父さんがいなぐなっちまったがら今年は出ないって返事したんだ。
もっとも、参加する人もほとんどいなぐなっちまった・・・
お父さんも、最近は掃除には出でだげど、お酒の席は苦手だったから出でながったのよ。

昔は何も娯楽がながったべ?
んだがらお祭りの時、それぞれ家で作った料理なんか持ち寄って、集まって騒いだのさ。
おもしろぐって、の人はみんな楽しみにしてだもんだ。

じいちゃんにおごらっちなあ。
その年の氏神さまのお祭りの時は何にも持だせでやるものが無くて、ばあちゃんに相談したらさつまいもの煮っころがしでも持だせればいいんでないのって言わっち、そうしたら、じいちゃんがプンプン怒って帰ってきてなあ。
「他所の家では、煮物だの、天ぷらだのごちそうをもって来てんのに、おらいだけはあんな芋の煮っころがしなんて恥ずがしくて居らんに!!!」つってなあ。
ちょうどそん時、ばあちゃんと二人で「つっけしだんご」を作っていたどごろだったもんで、
ばあちゃんも(じいちゃんの扱い方が)うまくってな。
「まあまあ、じいちゃん。私らもそう思って、今母ちゃんと二人でつっけしだんごを作ってだどごろだがら。もうちょっと、まってらんしょ」なんて言ってな。

「つっけし(つき返し)だんご」っつうのはな、もち米じゃなくて、ふつうの米の粉で作るだんごだよ。
米の粉をお湯でこねてな、それを小さく千切って丸めたらお湯でゆでて、それからもう一回こねるから手間がかかるのさ。
出来上がっただんごにきな粉をまぶして、持だせだべした。
そうしたら、今度はじいちゃん意気揚々と帰ってきて、
「いや~、あのだんごのおがげで名誉挽回した。みんな、うまいうまいって食ってだ。」
そりゃそうだべ、できたてのふわふわだったんだがらな。
誰もだんごなんて持っていがねえもの。

なあに、あのだんごはさ、もともとはお祭り用に作ぐってだんでなくて、豆腐屋(おばあちゃんの実家)と勇作おんつぁんとご(お母さんの実家)にやるつもりで作ぐってだもんだったのさ。
お祭りにやったもんで、ダメになっちまった。


(チエちゃん的には、芋の煮っころがしでも、だんごでも大差はないように思えるのですが、その時代はだんごの方がごちそうだったのでしょうね  )


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