著者:江國香織/辻 仁成(角川書店)1999年
少し古い作品です。
女性の物語を江國香織さんが書き、男性の物語を辻 仁成さんが書いた2冊で一つの物語という珍しい作品です。
当時、映画化されて話題を呼んだベストセラーだったと思います。
私はあまり恋愛小説を読まないのですが、図書館で目についたので読んでみました。
(これって、大事です。直感というか・・・)
偶然、女性の物語(Rosso)から読んだのですが、正解でした。
男性の物語(Blu)から読み始めていたら、たぶんRossoは手にしなかったでしょう。
エンディングからみても、この順序が正しいのだと思います。
共感する一行。
Rosso
あおいが、母のように慕うイタリア人女性フェデリカにアメリカ男と別れた理由を問われ、「あそこが私の居場所ではないと思ったから。」と答えたのに対し、彼女が言った言葉。
人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ
Blu
時は流れる。人は不意に記憶の源に戻りたいと涙ぐむことがある。
ホント、年を取るとこればっかりです。
そのために、私はこのブログを書いていると言ってもいいくらいです。
冷静(=理性と私は解釈した)のためにあと一歩が踏み出せないこともあるし、結果が解りきっていても情熱を抑えきれないこともある。
人は誰しも、冷静と情熱のあいだを生きているのではないでしょうか。