チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第172話 ブランコ

2009年11月10日 | チエちゃん
 チエちゃんの小学校には、あの頃、どこの小学校にもあったように、たくさんの遊具がありました。

ジャングルジムに、滑り台、シーソー、鉄棒、遊動円木、雲悌、回旋塔、懸垂シーソー、そしてブランコ。

放課後のチエちゃんたちにとって、それらの遊具を使っての遊びは何事にも変えがたい楽しみでした。
先生さようならをした後、競うように外へと飛び出し、お気に入りの遊具を確保したものでした。

中でも、チエちゃんのお気に入りは、校庭ではなく、裏庭にあるブランコでした。
裏庭は、秘密基地の築山と池があった場所で、その近くにブランコも設置されていたのです。

 お友達と遊ぶ時は、二人乗りをしたり、履いている靴を投げてどちらが遠くまで飛ぶか、とばしっこをしたり、或いは、漕いでいるブランコから飛び降りる危険な遊びもやりました。
でも、何といっても1番は、一人きりでブランコに揺られ、ゆったりとした気分に浸ることでしょう。
揺れるブランコは、チエちゃんを夢の世界へと導いてくれました。
まぶたを閉じれば、折りしも西に傾いた陽の光が明るく、暖かく感じられ、それは天国の光のように思えたものでした。


 今では、ブランコに乗ることなど無くなってしまったけれど、あの感触は今でも心地よく、私の中に残っているように思えます。


 ところで、最近では、遊動円木や回旋塔、懸垂シーソーなどは危険な遊具として、すっかり消えてなくなってしまったようです。
危険だからと、取り去ってしまうことは簡単かもしれませんが、身をもって危険を知ることも大切ではないかと思います。
 これらの遊具で、楽しく遊び、どのようなことをすれば危ないかを経験した私にとっては、残念なことです。