元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「春の日は過ぎゆく」

2010-02-15 06:29:19 | 映画の感想(は行)
 (英題:One Fine Spring Day )2001年作品。録音技師の青年と、ラジオ局のDJ兼女流プロデューサーとの恋の行方を追うホ・ジノ監督作。韓国映画だが、日本や香港の資本も入っており、製作陣には松竹でいくつかの作品を手掛けた大谷信義の名前もある。

 秀作「八月のクリスマス」(98年)を撮った監督らしく、ユ・ジテ演じる主人公の家族の描写は実に丁寧で情感豊かだ。しかし、イ・ヨンエ扮する年上の恋人の扱いには釈然としないものが残る。彼女が主人公と疎遠になっていったのは、たぶん遠距離恋愛だからとかバツイチで男性に対して不信感を抱いているとかいう理由があったのだろう。しかし、映画で見る限り単に自分勝手に距離を置いたとしか思えず、結果として“尻軽女に翻弄される純情男の話”にしかならなかったのは痛い。

 そういえば「八月のクリスマス」でもシム・ウナ扮するヒロインの描き方に突っ込んだほとんど箇所はなかった。その分ハン・ソッキュを取り巻く状況がヘヴィで、全体としてはあまり気にならなかったのだが、案外この監督、若い女性の扱い方が苦手なのではないだろうか。もっとも、本作以降は彼の映画をチェックしていないので、現時点ではどういうレベルにあるのかは分からないのだが・・・・(^^;)。
コメント
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