元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

スピーカーを替えてみた(その1)。

2009-10-03 06:54:02 | プア・オーディオへの招待
 先日、ほとんど衝動的にスピーカーを買い替えてしまった。新しい機種は、英国B&W社の685である。更改のきっかけとなったのは、ポンド安とかで実売価格が最近下がったからだ。それまで定価からの値引率が15%程度だったものが、いきなり35%以上になってしまっては、注目せざるを得ない。しかも販売店の話では品薄気味だという。で、気が付いたら店頭で商品注文書にサインしていたという次第(笑)。

 もちろん、いくら価格が安くてもそれだけで購入を決めてしまうような私ではない。685を選定したのは、それなりの確固とした理由がある。それまで使っていたスピーカーは同じく英国メーカーであるKEF社のiQ3であるが、別段この音が嫌いになったわけではない。ただ、明るい音色はそのままにもう少し聴感上のレンジ(帯域)を広げて、見通しの良い展開にしたいと常々思っていたのだ。そしてもう一つ、使用しているアンプとCDプレーヤーが定価10万円であるのに対し、iQ3は6万円強である。グレードとしてはちょっと見劣りする。定価十数万円のものが適当なのだろうが、そんな資金はない。だが、少しでもアンプの定価に近いものを持ってきた方が精神衛生上好ましいのは確かだ。



 ところが、機種選定に当たっては大きな問題が2つあった。まずスピーカーの規格の問題だ。所有しているアンプはSOULNOTEのsa1.0だが、この製品は小出力時のクォリティを突き詰めるという特殊なコンセプトで作られており、パワーも10W×2しかない。当然、能率の低いスピーカーは鳴らせない。インピーダンスについても説明書には“8Ω以上のスピーカーを繋いで下さい”と明記してある。たぶん6Ωならば何とかなると予想するが、これが4Ωになると完全にアウトだろう。

 そしてもう一つ、リスニングルームの状態を考慮しなくてはならない。いつも聴いているのは六畳の自室だ。もちろん、スピーカーは壁際にセットすることになる。ところが、そうなるとバスレフダクトが後方に空いているスピーカーは設置が難しい。パスレフダクトとはスピーカーのキャビネットに付けられた穴であり、早い話が低音の通り道である。これが裏面に空いている場合は低音はスピーカーの後ろから出たあとにキャビネットを回り込んでリスナーに達する。ただし、後ろの壁が近いと低音はそれに邪魔されて不完全な形で前方に出てくることになり、全域に音が濁ってしまう。つまりは、リア・バスレフのスピーカーは壁から距離を取らなくてはならないのだ。



 リア・バスレフ型のスピーカーを自室で可能な限り後ろの壁から離して、それでOKだったら良いが、もしもそれで不十分だったらジ・エンドだ。バスレフダクトにスポンジなどを突っ込んで低音の出方を抑える方法もあるが、それだとスピーカーの真価を発揮しているとは言えない。要するに、狭い部屋でのリア・バスレフ型のスピーカーの使用は無理っぽいケースがあるということだ。ちなみに、iQ3のバスレフダクトは前面に空いており、その点は今まで問題はなかったのである。

 ならば、購入するスピーカーの条件としては“能率が低くなく、インピーダンスが6Ω以上ある、フロント・バスレフ型のスピーカー”ということになる。予算を勘案すると、このB&Wの685しか候補に残らない。他には仏FOCAL社のChorus706V(または806V)も考えられたが、県内はもちろん近県にもFOCALのChorusシリーズを試聴できる店がない(試聴できないものを買うわけにはいかないのだ)。だから今回は“685を買うか、あるいはやめておくか”の二択だったわけだが、試聴の結果“購入する”ということに相成った。以下、サウンドのインプレッションについては次回のアーティクルに続く(^^;)。
コメント (2)
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