元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ウインドトーカーズ」

2009-10-08 20:38:57 | 映画の感想(あ行)
 (原題:Windtalkers)2001年作品。第二次大戦下のサイパンを舞台にして、米軍の白人兵士とネイティヴ・アメリカンの通信兵の交流を描いた異色戦争映画である。結論から言えば、つまらん映画だ。

 ニコラス・ケイジ扮する軍曹とナバホ人兵士との関係を軸にした“男の世界”はジョン・ウー監督にとって得意なネタのはずだが、焦点の定まらない八方美人的な脚本がすべてをブチ壊す。余計なエピソードが多すぎ、しかもそれが切れ切れにバラ撒かれているせいで一向にドラマが盛り上がらない。加えて人物描写が薄っぺらでは出るのはアクビばかりである。

 肝心の活劇場面も、激戦地サイパンが舞台ではいつもの“ここ一番のタメ”を形作るヒマもない。第一、ただ漫然とドンパチを描かなければならない映画をウー監督に撮らせること自体が問題である。それにしてもこの映画、いったいどこでロケしているのだろう。南の島とはとても思えぬ湿度希薄な風景は、メル・ギブソン主演の「ワンス・アンド・フォーエバー」と同様、撮影所の裏山で撮ったと勘ぐられても仕方がない。

 そしてニュースフィルムにヘタなCGをドッキングさせた安っぽい画面も願い下げだ。もちろんハリウッド名物“えせ日本”も満載で、観る価値は限りなく低い。
コメント
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