映画「トータル・フィアーズ」の原作だが、読み通すのにはかなり苦労した。上下巻合わせて1400ページ以上という長さのわりには話が本題(ジャック・ライアンと水爆を手に入れたテロ・グループとの戦い)に入るまでに時間がかかりすぎる。
中東問題の総括や諜報機関の活動状況、主人公の人脈紹介に、果てはライアン夫人と女性大統領補佐官との“女同士のバトル”といった、読む側にとっては“どうでもいい話”が味も素っ気もないタッチで延々と続く。さらにテロリストが水爆を作るあたりの小難しい学術用語の洪水は、文系の私にとってはお手上げ状態。これだけ引っ張っておいて、物語のカタルシスが終盤に主人公が大統領に啖呵を切るシーンだけとは、完全に脱力してしまう。
「ジャック・ライアン・シリーズ」のファンならば、こういう膨大な情報量で攻められるのは“快感”なのかもしれないが、このシリーズを初めて読む身としては辛いだけだ。映画版の方が(突っ込みどころは満載ながら)良くまとまっていたと思う。
それにしても、ライアンとその取り巻きの政治的スタンスが“反日的”である点が気になる。ひょっとして作者は米国の保守本流に背を向けた“リベラル派”ではないのだろうか。
中東問題の総括や諜報機関の活動状況、主人公の人脈紹介に、果てはライアン夫人と女性大統領補佐官との“女同士のバトル”といった、読む側にとっては“どうでもいい話”が味も素っ気もないタッチで延々と続く。さらにテロリストが水爆を作るあたりの小難しい学術用語の洪水は、文系の私にとってはお手上げ状態。これだけ引っ張っておいて、物語のカタルシスが終盤に主人公が大統領に啖呵を切るシーンだけとは、完全に脱力してしまう。
「ジャック・ライアン・シリーズ」のファンならば、こういう膨大な情報量で攻められるのは“快感”なのかもしれないが、このシリーズを初めて読む身としては辛いだけだ。映画版の方が(突っ込みどころは満載ながら)良くまとまっていたと思う。
それにしても、ライアンとその取り巻きの政治的スタンスが“反日的”である点が気になる。ひょっとして作者は米国の保守本流に背を向けた“リベラル派”ではないのだろうか。


