元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

英国製RCAケーブルを繋げてみる。

2007-10-06 06:45:40 | プア・オーディオへの招待

 プレーヤー類とアンプとを接続するRCAインターコネクトケーブルを新たに調達した。すでに何本か持っているのに“またかよ!”と思われるかもしれないが、気が付けば手元にあるのはショップのオリジナル品やネット通販業者の手作りケーブルばかりで、ちゃんとしたメーカー製というのがなく、一応“これでひとまず最後”という手前勝手な意味付けで購入した次第である(笑)。

 買ったのは英国CHORD社の新製品、CRIMSONである。その名の通り赤いケーブルで、価格は1万4千円弱だ。本当は2万円程度の予算を見込んでいたのだが、取扱ディーラーである“けーぶる舎”の主宰者の“素晴らしいコストパフォーマンス。他メーカーの2倍の値段のものに匹敵する”との謳い文句につられてしまった(爆)。

 早速繋げてみたところ・・・・なるほど、これは良い製品である。まず音場の見通しがワンランク上がった。特に低域の音像配置が整理され、臨場感が高まってきている。特定帯域に不自然なアクセントを付けるなどの色付けは無く、輪郭をキレイに描出するキビキビとしたアキュレートな展開ながら、それでいてこのメーカーならではの明るさと当たりの柔らかさをも併せ持つ。長時間聴いてもまったく疲れない。確かに、大手家電店の店頭に出ている2万円以上のRCAケーブルに比肩しうる実力を持っている・・・・というより、それらとは一線を画した独自の価値観を見出せる。つまり素材の純度とか特殊メッキとかいったスペック上での謳い文句より、音楽に造詣の深い開発陣が徹底したヒアリングにより“耳に心地良い音”を追求したような、非凡な表現力を堪能できるのだ。

 CHORD社にはこれより上のモデルも揃っており、中には10数万円の製品もあるが、実質的に多くのユーザーが導入する1万円台前半までのモデルで、これだけのパフォーマンスを見せてくれれば十分だと思う。極端なドンシャリの音を好むリスナーなら別だが(笑)、中級クラスまでのシステムのオーナーならば、誰でも満足出来る仕上がりではないだろうか。

 もちろん、以前から持っているRCAケーブルである吉田苑の「LSSC」の高域の艶とか、MOGAMIのマイク用線材NEGLEX2534の厳格なフラットぶりも魅力的であり、中低域が重いBeldenのケーブルだって場合によっては使い道もある。CRIMSONを入手したからといってそれらをお払い箱にする気はまったくないが、しばらくはこの英国製のケーブルを使っていこうと思う。

 さて、先日某ディーラーの店長と雑談していたところ、オーディオシステムにおけるRCAケーブルの価格の上限はどの程度だろうかという話になった。彼曰く“3万円ぐらいじゃないですか。どんなに機器類が高価でも、ケーブルならばその価格帯が常識的に言ってハイエンドです”とのことだったが、それには全面的に同意したい。もちろんバカ高い(数十万・数百万もする)ケーブルはそれなりの魅力があるのかもしれない。だが、しょせんは電線だ。そんなのに金を注ぎ込むのなら他に使い道があるだろう。そんな常軌を逸した価格設定が罷り通っているからこそ、オーディオ業界が胡散臭い目で見られるのである。
コメント
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