デザインの輪郭

深澤直人さんの「デザインの輪郭」を読みました。

“工業デザイナー”の深澤さんは、
auのインフォバーや無印良品の壁掛式ＣＤプレーヤーを
デザインした方です。





混雑する電車の中で付箋を片手に一気に読みました。

あまりに「付箋だらけ」なので、
付箋で印をつける意味がないくらいです☆



　　いいふつうがつくれたら本当にすごいと思う。
　　ふつうのことを「いいふつう」にすることが
　　生活レベルが上がるってことだけど、
　　変えてしまおうと思っているから間違いなんだ。



そういう、一節があって。
雲の切れ間から光が射し込んでくるみたいな気持ちがした。
そうそう、これよね。って。

いかに日常を豊かに過ごすかが、
きっとその人の“厚み”みたいなものになるのだろうな。
“豊かさ”は物質的なことではなくて、
気持ちの、こころの、問題なのだと思う。


「あたりまえの価値に気づくことが
　最も感動的だと思う」
と深澤さんも書いているように。

“あたりまえ”のすぐそばにあるしあわせに
いつも感謝の気持ちを持っていられる自分でいたいな、と思う。
泣いたり、笑ったり、怒ったりできる毎日が、
きっと、いちばんふつうでいちばんしあわせなこと。


・・・なんといっても。
「付箋だらけ」なので、
この本のこんなところにじーんとした！なんて書き始めたら、
いつ終わるのか見当もつかないくらい。


だから、最後にひとつだけ。



　　情報は経験値です。
　　人が加工した情報は、たいしたことはない。

　　僕にとって情報とは、あなたと私が今、
　　考えてはいなくても同じ椅子の座の感触を
　　同時に感じているというようなことです。

　　感じること全てが情報です。



感じるこころの閾値は低くしておくこと。
そして、いっぱい、感動すること。

時には悲しくなったり淋しくなったり、
閾値が低いばかりに苦しいこともあるかもしれない。

でも、それもすべて含めて、
それは経験として自分の中に残っていくのでしょう。

何気ない毎日も、
聞き慣れた声も、
見慣れた仕草も、
それこそが「かけがえのないもの」なのでしょう。