一年後の、昨日と今日

一年前の昨日から、
一年と、一日がたった今日。

きっと、誰にとってもそうだと思うのだけど、

わたしにとっても、
一年前の昨日は、そして、一年前の今日も、

衝撃的な、一日で、

あまりに衝撃的すぎて、
何もかもが止まってしまったような、

目でものを見ていながら、
何を見ているのかよく理解ができないような、

初めて経験する不思議な感覚だったことを思い出します。





3月11日。

いろいろなイベントも開催されていたし、
そういうものに参加するのもいいかな、
とも思ったのだけど。

わたしらしい3月11日の過ごし方って何だろうと考えたとき、
やっぱり、パンを焼くことかな、と思い直して、

パンを焼くことにしました。

いつもより大きな、カンパーニュです。





1年前のあの日を、あの時を思い出しながら。

あの日、あの時、
失われてしまった、たくさんの命と、
たくさんの悲しみと、たくさんの涙を思いながら。

そして、

こうやって、パンを焼いたり、食べたり、
そんな“いつもの毎日”を過ごせることへの、
たくさんの感謝を込めて。

何の変哲もないパンですけど、
わたしにとっては、特別なパン。

お会いできる人にお分けできたら、と思って、
大きなカンパーニュを焼きました。


2時46分には、

日比谷公園で行われていた
「Peace On Earth」の生中継を見ながら、
黙祷をしました。





お洗濯をしながら、
ベランダから見上げた空は、とても青くて。

この空はどこまでも繋がっていて、
わたしたちは、同じ船に乗っているんだ。
そう、思いました。


これからも、きっと、
いろいろなことがあるでしょう。

1年前の悲しみに寄り添い、希望を見つけながら、

これから来るかもしれない、
太刀打ちできない大きな力を横目に、

それでも、生きていかなくてはなりません。


力強く生きていく、というよりも、

心を静かに、穏やかに生きていく、というほうが、
わたしにもできそうな気がして、

そんな思いで、日々過ごしています。


毎日を味わいながら、しっかりと過ごすこと、
家族や、友達や、
そばにいてくれる人たちを大切に過ごすこと、

何事にも、感謝の気持ちを忘れないこと。

いろいろなことを、
改めて「思い直す」一日。


一年後の、昨日も今日も、
やっぱり、特別な一日です。