気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

丸皿にこにこ 

2009-03-01 00:46:04 | 交友録
ひからびしミミズ背負ひぬ蟻どもの賃金少し値上げをせむか

長方形正方形の角皿に並びて丸皿にこにこ笑ふ

空さしていたいいたいは飛んでゆけ母が空見る子は涙ふく

(水田まり 短歌人3月号)

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水田まりさんは、短歌人のお友達。以前はときどき関西歌会に来られていたが、最近は関西には来られないようだ。新年歌会ではお見かけしたような気がする。
それはともかくとして、今月の水田さんの歌は、温かくてとても素敵だと思った。わかりやすく物を見る目がとても優しい。読んでいて心がなごむ。人柄の良さが歌に出ていると思う。短歌を作る人には、鬱的な暗い性格の人、嫉妬深い人(私のこと)もいるが、ほっとする歌を作るというのも、ひとつのやり方だと思った。しかしこれはなかなか真似ができない。貴重な存在だと思った。