LUNACY

cygnus' blog

東浩紀×北田暁大 『東京から考える』

2009-01-08 23:43:43 | 本・コミック
NHKブックス

ハイ。
とても頭脳系というか知性系のお二人の対談です。
お二人とも、1971年生まれ。

東京都内・近郊各地の開発をもとにしながら、
東京についてではなく、東京の開発から社会や日本を考えた本。
フツーの都市論とは違いやす。
批評家と社会学者の対談です。

建築や都市計画の専門家の対談ではありません。


北田センセが、かつて、東センセを評していわく「動物化で悪いか、この野郎という感じ」(by宮台センセとの対談本『限界の思考』)と。
いやぁその感じが良く出ています(笑)。
ボクは、東センセが嫌いではないです。
あの明晰な分析や文章には、超尊敬なのです。
だけれど、実存レヴェルでは、東センセほど動物化を積極的に受け入れられないのです(笑)。
すなわち、この対談でも、ボクの感覚のシンクロナイズは、北田センセのほうでした(笑)。


なお、この本を読むにあたっては予備知識はほとんど必要ないんじゃないかな?(第五章は少し苦しいかもですが)
少なくともアカデミックなのは、ナッシング。
首都圏の地理に明るいと、読みやすいってのはあるかな?
あと、ほぼ2年前に出版されたのだけれど、恐ろしいことに、開発のスピードが早いために、ちょいと古く感じてしまうことも。


いやぁ、この本を読みながら、マイノリティ・タウンとしての二丁目が、開発を受けにくい・しにくい理由を考察してしまいました(笑)。


宗教空間にほとんど触れられていないけれど、ちょっとこの本の趣旨からズレちゃうからかもね。


最後の第五章は東京については触れられていません。
批評の見地と社会学の見地からの、二人の違いのあぶりだし(のまとめ)にあてられています。
ただ、前半は、もしかしたら東センセは、北田センセだけでなくその師匠サンの上野センセを意識しているのかな?とチラリと思いました(笑)。
それから、この二人が自分達の違いについてまとめてるんだけれど。
ボク的に乱暴に感覚的に言わせてもらうと、理系的(東)VS文系的(北田)っぽくみえちゃうのよ(笑)。なんとなくだけれど。


とりあえず、個人的には愉しめた一冊。
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