その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

大河・紅葉・見仏 ~鎌倉日帰り旅(1)~

2022-12-15 07:29:18 | 旅行 日本

昨年の「青天を衝け」に続いて、今年も大河ドラマが面白かった(あと最終回を残すのみ)。劇としても三谷幸喜らしい笑いがふんだんに入っている一方で、鎌倉時代前期があれほどまでに凄まじい権力闘争の時代だったことを学べたのも有意義でした。「鎌倉殿の13人」が終わる前にということで、大河・紅葉・見仏をテーマに鎌倉を訪れました。まずは巡った大河ドラマ縁の地をご紹介します。

【大河ドラマ館】
鶴岡八幡宮の境内の鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムにて開催中の「大河ドラマ館」へ。歴史を知るというよりも、ドラマ制作の裏側を覗けるのが面白いです。展示は、ドラマ紹介、御所の撮影セットを再現したジオラマや衣装や小道具の展示など。


(源氏将軍揃い踏み)


(ドラマで使われた梶原景時を訴える連判状)

私が一番ひかれたのはシアター映像のコーナー。4kスクリーンに出演者や制作者のインタビューを交えた10分程度のビデオが日替わりで3種類づつ流されています。私には、音楽、演出、時代考証の方々が、ドラマ制作でのポイントをお話しされていたのが興味深いものでした。テーマ曲を作曲にあたって、脚本の三谷氏から出されたお題は「どろどろ」だったとか。

また、演出での裏話を聞いて、あのシーンはこういう意図だったのねというのも分かります。他には、北条家の女性を演じた宮沢りえ、宮澤エマ、小池栄子3名が夫々の演じた人物の見立てのインタビューなど。登場人物と役者との距離感や、役者さんの演技に対する姿勢が分かり、これも興味深いものでした。

出演者と言い、仕掛けと言い、大河ドラマは人・モノ・金のリソースをふんだんにかけているだけあって、ドラマとしてのレベルが高いので、こうした裏舞台覗きも大河ならではであります。1月9日まで開催されているので、ドラマをご覧になっている方にはお勧めします。

【「鎌倉殿の13人」縁の地】

・鶴岡八幡宮
鎌倉のへそ。この日は、曇り時々晴れという天気でしたが、神前結婚式を挙げる新郎新婦などもいらして、華やかな雰囲気に包まれていました。源実朝暗殺時に公暁が隠れていたという大銀杏は数年前の台風で無くなりましたが、その痕から新しい芽が噴き出しているとのこと。


(左の銀杏の手前が台風で倒れた公暁が隠れていたとされる伝説の大銀杏跡)


(境内の神殿で結婚式が行われてました)

・大倉幕府
鶴岡八幡宮のすぐ東側は頼朝や北条家の執務屋敷(御所)があったところ。今では民家や学校があるのですが、碑が建てられてあります。


(大倉幕府の東門跡地に立つ石碑)

・頼朝、北条義時、大江広元の墓
 小山の中腹にあり、ちょっと不気味な雰囲気。

 


(頼朝の墓)


(義時の墓所跡)

・覚園寺
 本土の薬師堂は、1218年に北条義時が作った大倉薬師堂が前身で、現在のお堂は1354年に再建されたもの。お堂の周辺は祈りの場として草木も含めて撮影禁止なので写真は無いのですが、この薬師堂と中の薬師如来、と右の菩薩、左の月光菩薩、そしてそれらを守る十二神将が立ち、その厳粛な雰囲気は、鎌倉の寺の中でももっと好きな空間の一つです。

境内の紅葉もお見事でした。

 徳川慶喜の大政奉還まで700年近く続く武家政権発祥の地としては、驚くほどこじんまりしている土地ですが、鎌倉は独特の魅力を持ってますね。

(続く)

コメント
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