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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 「スティーブ・ジョブズ」

2013-11-30 16:12:20 | 映画


 世間ではあまり評判が芳しくないようだが、Appleの創業者スティーブ・ジョブズの半生を描いた映画「スティーブ・ジョブズ」を見に行った。私が読んだレビューでは「表面的な事象だけ取り上げており内容が薄い」とか「言い古されたエピソードばかりで新味がない」という類のものだった。鑑賞して、確かに当たらずとも遠からじかなという思いはあったが、私は見に行って良かった。

 まず、アメリカ西海岸のスタートアップIT企業の様子が良く伝わってくる。変り者たちが集まりガレージから出発した会社が、世界の先端に躍り出て、革命を起こしていく。もちろん相当端折ってはいるであろうが、そのプロセスの躍動感が分かる。

 また天才スティーブ・ジョブズのビジョン、誇り、こだわり。APPLEの成長がまさにジョブスあってものだということも分かる。(逆に、やっぱりジョブズが他界した今、これからのAppleはやはり興味深い)

 思ったのは、これほど日本人向けの映画もないのではということ。自分も含めて、世間のしがらみに縛られ、内向き志向になっている日本人こそ、この映画を見て何かを感じ取れるのではないか。個性とか、能力とか、自己実現とかに正解はないし、だれもスティーブ・ジョブズになれるわけではないが、人生とは自分が前に出ること、何かを掴みとっていくことだということを感じられるのではないか。

 確かに、映画としては何を描きたかったのか良くわからないところはある。ジョブスの成長?人間性?成功?きっとそれなりに事実に忠実であろうとしたがゆえだろうか、物語として起伏はあるものの、ピントが掴めない。でも、この映画の良さは、作品としてではなく、ジョブスの生き方に触れることができることだろう。少なくとも、私はこの映画から元気を貰った。

スタッフ
監督ジョシュア・マイケル・スターン
製作ジョシュア・マイケル・スターンマーク・ヒューム
製作総指揮ジェイコブ・ペチェニック
脚本マット・ホワイトリー
撮影ラッセル・カーペンター
美術フレディ・ワフ
衣装リサ・ジェンセン
編集ロバート・コマツ
音楽ジョン・デブニー

キャスト
アシュトン・カッチャー: スティーブ・ジョブズ
ダーモット・マローニー: マイク・マークラ
ジョシュ・ギャッド: スティーブ・ウィズニアック
ルーカス・ハース: ダニエル・コトキ
J・K・シモンズ: アーサー・ロック