今日も遅めの帰宅でした。
駅から家までの帰り道、環七をとぼとぼ歩いていると、
反対車線の歩道に、尋常ではない飛び跳ね方をする猫が...。
一応猫歴20年以上の僕には、その跳ね方...まるで罠にかかった動物のような...が
ただごとでないことはすぐにわかりました。
猫は、歩道橋脇の倉庫の前にいます。
僕は迷わずに歩道橋を駆け上がっていました。
そしてそこにいた猫...
すでに落ち着いて横になっていましたが、
この子がクルマにはねられたばかりで、
さっき僕が見たただならぬ動きは、痛くて
飛び跳ねていたからなのだということがわかりました。
潰れたりはしていないのですが、下半身は動かないようです。
頑張って持ち上げている顔...口と鼻からはかなりの出血、
右目は焦点を失っています。
どうしたらいいのだろう。
助けるべきか。ほんとうに、どうしたらいいのだろう?
明らかに、この猫の命に関わる状況...
そんなとき、僕の脳裏を15年前のコトが頭をよぎりました。
三島の大学にいっていた時です。
ある休日、近所の道で猫が横たわっていました。
下半身が、潰れていました...。血は出ていなかったですけれど。
僕は部屋にバスタオルを取りに帰り、
猫を抱えて一番近い動物病院まで行ったのでした。
先生は、ひとこと言いました。
「下半身は、もう治りません。糞尿は、垂れ流しです。
散歩も、出来ません。それなら、この猫は生きられます。どうしますか?」
僕は、先生に楽にしてあげてください、と告げました。
そして遺骸をタオルに来るんで貰い、病院をあとにしました。
泣きながら、謝るしかなかった。
僕が轢いたわけじゃないけど、助けることは出来なかったのですから。
大家さんから教わった静岡東部の風習にしたがって、近所の川に流しました。
...オレンジ色の街路灯に照らされて、猫はまるで眠っているかのように見えます。
でも、呼吸の荒さが、状況の悪さを語っています。
猫は生きようとしています。前足だけで、這おうとしています。
動かなくていいから!動くなよ...!
さんざん立ちつくし、嫁や猫澤夫妻に電話をしたりしたあと、
僕は、どうにもならないと思い、泣きながらその場を離れました。
...どうにもならない。
今なら、どこか病院に運べば助かるかもしれない。
でも、あの猫はたぶん五体満足で生きられない。
連れて行っても、15年前のあの日のように、
ただ死を楽にしてあげるだけかもしれない。
どうにも、ならなかったんです。
どうにも...。
僕は逃げたのだろうか?何か、してあげられることがあったのだろうか?
そう詰問しながら、家路に着きました...
>>猫は所詮「畜生」であるから、情をかけるなと言います。
手を合わせたりすると良くないとも。
でも、僕の両親は手も合わせるし、
近所の人に頼まれて見知らぬ猫を埋葬したりもします。
だから僕も手を合わせています...いま、道で横たわるあの猫のために。
駅から家までの帰り道、環七をとぼとぼ歩いていると、
反対車線の歩道に、尋常ではない飛び跳ね方をする猫が...。
一応猫歴20年以上の僕には、その跳ね方...まるで罠にかかった動物のような...が
ただごとでないことはすぐにわかりました。
猫は、歩道橋脇の倉庫の前にいます。
僕は迷わずに歩道橋を駆け上がっていました。
そしてそこにいた猫...
すでに落ち着いて横になっていましたが、
この子がクルマにはねられたばかりで、
さっき僕が見たただならぬ動きは、痛くて
飛び跳ねていたからなのだということがわかりました。
潰れたりはしていないのですが、下半身は動かないようです。
頑張って持ち上げている顔...口と鼻からはかなりの出血、
右目は焦点を失っています。
どうしたらいいのだろう。
助けるべきか。ほんとうに、どうしたらいいのだろう?
明らかに、この猫の命に関わる状況...
そんなとき、僕の脳裏を15年前のコトが頭をよぎりました。
三島の大学にいっていた時です。
ある休日、近所の道で猫が横たわっていました。
下半身が、潰れていました...。血は出ていなかったですけれど。
僕は部屋にバスタオルを取りに帰り、
猫を抱えて一番近い動物病院まで行ったのでした。
先生は、ひとこと言いました。
「下半身は、もう治りません。糞尿は、垂れ流しです。
散歩も、出来ません。それなら、この猫は生きられます。どうしますか?」
僕は、先生に楽にしてあげてください、と告げました。
そして遺骸をタオルに来るんで貰い、病院をあとにしました。
泣きながら、謝るしかなかった。
僕が轢いたわけじゃないけど、助けることは出来なかったのですから。
大家さんから教わった静岡東部の風習にしたがって、近所の川に流しました。
...オレンジ色の街路灯に照らされて、猫はまるで眠っているかのように見えます。
でも、呼吸の荒さが、状況の悪さを語っています。
猫は生きようとしています。前足だけで、這おうとしています。
動かなくていいから!動くなよ...!
さんざん立ちつくし、嫁や猫澤夫妻に電話をしたりしたあと、
僕は、どうにもならないと思い、泣きながらその場を離れました。
...どうにもならない。
今なら、どこか病院に運べば助かるかもしれない。
でも、あの猫はたぶん五体満足で生きられない。
連れて行っても、15年前のあの日のように、
ただ死を楽にしてあげるだけかもしれない。
どうにも、ならなかったんです。
どうにも...。
僕は逃げたのだろうか?何か、してあげられることがあったのだろうか?
そう詰問しながら、家路に着きました...
>>猫は所詮「畜生」であるから、情をかけるなと言います。
手を合わせたりすると良くないとも。
でも、僕の両親は手も合わせるし、
近所の人に頼まれて見知らぬ猫を埋葬したりもします。
だから僕も手を合わせています...いま、道で横たわるあの猫のために。