
今日は、ちょっとしたなつかしい話にお付き合いください。
年月が過ぎるのは早いもので、
ルノー19(ディズヌフ)を手放したのはもう2年前、買ったのは5年前になります。
ルノー19(R19)は欧州ではゴルフに対抗するクラスに相当し、
これ、実はかなり売れました。
欧州や世界中で、売れに売れたと言ってもいい。
だけど、日本では、その「ふつうさ」が災いし、
「強烈に売れなかった」クルマでもありました...。
でも、自分にとっては、ほんとに素晴らしかったクルマなのです。
それは、なぜか?
過去の記事の文章が我ながら秀逸なので、それをつないで編集しますた...
(手抜きアップとも言うw
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...最後の数字ルノー。80年代設計、旧いフランス車の味がいっぱい。
日本国内における希少性。
なんでもないセダンを転がすというスタイル。
洗ってもキレイにならない外観。
ふんわり、しっとり、でも芯のある乗り味。
角がない操作性。
中立付近のただならぬどっしりさ、重くてレスポンスが悪そうで、
でも実際はフィーリングに優れたハンドリング。

房総の海にて。
粘っこい直進安定性。
ステアリングに軽く手を添え、微調整するだけでいい。
これがいかにラクなものかは、
仏車に乗られている方ならわかるかと思います。
ことに、縦置きFFのルノーなどはまるでタイヤから菌糸が生えていて
それが路面を掴むかのごとき粘っこい直進性で、
これはプジョーでもシトロエンでも味わえない感覚だと思います。
ただのOHC/1.7Lとは思えないトルクフルでフレキシブルなエンジン。
踏むこむとダイレクト感を伴うアクセルは、でも決して過敏ではなく
思い通りのアクセルワークを実現しています。

砧公園にて。
わずか車長4.2Mなのに、1クラス以上大きなクルマなみの室内空間とラゲッジ。
ジウジアーロ+ルノーデザインの、四角そうに見えて実は繊細な局面で
緻密に描かれたデザイン。
切り立っていて大きな窓、明るい内装色。

四角いように見えて曲面が美しいサイドの造形。
独特の「ハイテク風」なメーターの書体。
カラフルなワーニング。
イエローバルブが「義務」だったころの、美しいレンズカットのヘッドライト。

シュペールサンクと基本的には同じメーター。これがすきなのよ

こんな時代もあったなあおれ...2台のフランスセダン持ち(意味がわからんw)だったとき。
505と、イエローバルブの競演。
そして、何時間座り続けても、どんな姿勢でも受け入れる魔法のような
絶妙な形状と硬軟のバランスを持つシート。
そして最近のクルマでは味わえない、気持ちのいいシート生地。
このベージュの内装色も、80年代ルノーらしくてスキでした。

シートは硬すぎず、やわらかすぎず。でも個人的にはサンクくらいふかふかのほうが
いいなあと思った。
何でもない実用車に秘められた、すばらしい基本性能の高さ。
まさにルノー、まさにフランス車、そしてまさに欧州車でした。

久留里線のキハ37と。
そう、一言でいえば、「なんでもないクルマ」。
たしかにそう。でも、ほんとうに何度も何度も、この「なんでもないクルマ」に驚かされた。
疲れない。疲れていて乗っても苦にならない。
何百キロ連続で走っても腰も肩も目も、どこも悲鳴をあげない。
それがたかだか下は1.4Lからあるような、ゴルフクラスの一台に秘められていたのです。
ハイテク武装なんか無くても得られる、コンフォート。
それを、R19は持っていたように思います。

雪道にも強かった。スノータイヤは165サイズにしたので、高くて細くてかっこよかった。
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...なんて書いてあるといいことばかりなようですけど、
ずいぶんいろんな目に会ったのも確か。
でも、それも、今となってはいい思い出です。
もとはといえば、このブログで、「R19が欲しい」ってアンテナを立てたことが
購入の端緒でした。
松本のヴォワテュレットさんに、眠っているという情報...。
そして、見に行ったら、この子はオートマが壊れてエンジンが降りた状態で眠っていたのでした。

手前のXMと奥のアルピーヌが気になるw
見た瞬間に、購入を即決。そして、エンジン、オートマを載せ直して、復活!
実に2カ月近く、待ちました。長かったなー。

松本まで途中経過を見に行ったときだったような気がする(記憶あいまいw
実に、これだけ復活の際に直した!
●平成17年6月 復活(笑
オートマチックトランスミッション取り替え、同マウント、
バッテリー、タイミングベルト+同テンショナー、
ウォーターポンプ、
クランクシャフトオイルシール/カムシャフトオイルシール/オイルポンプシール、
シリンダヘッドカバーガスケット/エンジンマウント、
フューエルフィルタ+フューエルホース、
それと多分、マフラー一式/スロットルボディ(この2点記載無し)、
すべて交換。

仮ナンバーつけて品川陸自へダイレクト持込のために
いざ松本を出発!の図。
たしかに買った後、いろいろあったのですが、それはまた別の機会に
まとめますね。
それにしても、自分の中では、今もって究極的な一台です。
何しろ、日本にはほとんど残っていなかったR19の、JAXディーラー正規ものの、
しかも、セダン(シャマード)だったんですから(涙
ああ、数字ルノーはまた乗りたい...。
>>おじさんくさいセダンをスタイリッシュに乗る、という高レベルなことを
なんとか出来ていたような気もするのです。
ああ、もういちど、あんな「しょぼい」クルマに乗りたいなあ...。
>>もう、このクルマは自分の中で完全にノスタルジーになっています。
手放して惜しいとか、そういうのではないです。
やっぱり80年代ルノー、いや、80年代設計のフランス車っていいな、って
いまだに思わせてくれる大きな理由を作ってくれた一台、なのです。