Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

踏み出せば、冥府への扉

2005-03-13 | できごと。
金曜日は仕事で草加~川越とまわりました。
そして、草加で一件目の仕事を終え、東武伊勢崎線で春日部に向かう途中。

越谷駅に進入する直前で、電車が止まりました。
数分たって、アナウンスが入ったのです。
「この先、一ノ割駅で人身事故が発生しましたので...」

覚悟を決めました。
というのも、非道い場合には数十分待たされるからです。

人身事故にもいろいろあって、
ホームを歩いている人と電車が接触するなどの「触車」、
そして、飛び込みなど。
飛び込みも、ご遺体がバラバラになったり、広い範囲で広がったり
台車に絡んだりすると、その「処理」に時間がかかるからです。

今回は10分程度で動き出しました。
すぐ動き出したので、触車程度かなって思いつつ、
いよいよ電車は一ノ割駅に到着しました。
10両編成用ホームいっぱいに到着する電車の窓から僕が見たものは、
救急隊員や駅員が数名と、白い布をかけられた担架...。

そう、ご遺体です。たぶん、飛び込み自殺かと。
どうやら飛散が少なかったのか、担架の上に横たわる「それ」は、
人間の形をしていました。運転再開が早かったのは、だからなのでしょう。
それにしても、事故が起き、遺体を撤去し、わずか10分で走り出す。
僕がホームに着いたその数十分前、ここで、その遺体の方は
命を絶ったのです。

その方は、何を思い、何を考え、そのホームに立ち、飛び込んでいったのでしょうか。
僕には知るよしもありません。

ただ、駅いう日常の景色の中、間違いなくそこにはご遺体、そして
死というものがすぐ目の前にあったのです。
一人の方が亡くなった現場とはまったく思えない、
不気味なほど静かな昼前のホームの外れに。

車内の乗客は何も言わず、ホームを眺めていました。
そして、電車は、まるで何もなかったように動き出していきました。
何もなかったように...。

ホームを通過する電車の至近を歩いたりするのは
ほんとに止めましょう。
それと、電車を待つときはなるたけ下がりましょう。
ホームの先は、死の世界なのですから!


>>実は、意味もなく人を突き落として殺した人も実際に捕まっています。
たまったものじゃないです。
>>飛び込みに遭遇するのはこれが初めてではありません。
1度目は中央線で。明らかに何かを乗り越える感じと、急ブレーキの音。
忘れません。
2度目は、岐阜で。よりによって運転手の目線で前が見られるパノラマカーに
乗っていたときでした...
線路に、人がうずくまっていたのです。びっくりしました。
結局その人は電車の下に潜り込めて無傷!でも、怖かったっすよ(TT

>>余談をついくつか...グロイ話ですが。お食事中の方すみません。
●轢死体は車輪の熱で切断面が焼けるので、あまり血が出ない
●飛び込む直前の人の動きはすぐわかる(運転手と目が合う)
↑パノラマカーの時、僕もそれを経験しました(泣
●以前柏駅で飛び込んだ大きい人を「処理」するとき、床下に遺体がからまり、
ジャッキアップ!して電車を持ち上げたため数時間運休した
●新幹線に飛び込んだ人は、血しぶきになって消滅。残っていたのは、骨盤だけだった
...親戚の京急の運転手は、飛び込みを何度か経験していて
この手の話をいろいろしてくれました...。
コメント (7)
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