いよいよ盛夏、日本各地で猛暑となってしまっていますね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか...。体調管理には気をつけましょうね。
ところで、ブログでアクセス解析を導入しているのですが、
夏らしいというか、どこかで取り上げられたのか、
2年前のエントリー、「17年ゼミに自然と「数学」の摂理を思う」のページに
アクセスがとても多かったので、まるまる再掲載しちゃいます!
個人的にも面白い話で、未読の方はぜひご一読を...(^^;
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/22/75cf506bd6f62973484f8b133c1ed270.jpg)
夏本番です。暑いですね。
そんな中、セミの声を聞くと、夏だなあってすごく思いますよね。
で、今日はそんなセミにまつわる、自然がもたらすちょっと不思議なお話をひとつ。
唐突ですが、「17年ゼミ」ってご存知ですか。
北米に生息する、17年間に一度大量に発生するセミです。
17年に1度、なので、幼虫は、なんと17年もの間、土中にいるわけです。
これまたなんでまあ、こんなに長い間地上に出てこないのでしょうね?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/e2/068acd5916daf16204efa7d7eb1d36fa.jpg)
日本でわたしたちがよく耳にするセミの中でいえば、
たとえばアブラゼミは羽化するまで6年といわれています。
これだけでも長いのに、17年ゼミの幼虫でいる時間の長さ...。
でも、この「17年という長さの理由」を知ったとき、
自然界に存在する「数学」のチカラを感じて、鳥肌が立ったのでした...。
17年ゼミは、「周期ゼミ」と呼ばれ、他には13年ゼミがいます。
13年にしても長いですね。
これら周期ゼミは毎年毎年羽化して夏を賑やかすふつうのセミたちと異なり、
すべてが13年周期、17年周期で一斉に羽化するのが特徴です。
しかも、彼らは決して同じエリアに住まないので、偶然にも同じ年に
発生したとしても、バッティングはしないそうです。
13年、17年分が一度に成虫になるわけで、周期ゼミの生まれる年には
生息地の北米ではセミの声が騒音になるほどだそうです。
なんでも1兆匹!とかなんとかですから、その数たるや相当なもの。
ところで、
自然に対して生物というものは、何らかの武器を持って生きています。
猛獣なら牙。弱い草食獣なら集団行動。
毒のある蛇や、擬態をする昆虫も武器を持っていると解釈できます。
ですので、周期ゼミは、
大量発生することを武器として、「種の保存」を行っていると考えられています。
つまり、同じ時期一斉に出てくればいかに多くの捕食者がいても
子孫を残せる、ということなのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/10/0a826feddf61b2fad0a49aef038647ce.jpg)
そんな中、この「周期」の数字が13年、17年なのを見て、
何か気がつかれませんでしたか。
そう、これらは「素数」なのです。
素数とは自らの数字と1以外の数字で割り切れない。
周期ゼミは、彼らの生命の黎明期にはきっと、13年、17年以外にも
1年から9年、そして
10年、11年、12年、14年、15年、16年、18年...っていたのではないでしょうか。
素数以外の繁殖周期を持つセミたちも。
でも、そうなると問題が起きる。
周期ゼミの武器は大量発生にあるわけで、
他の周期を持つセミどおしで羽化したら、今度は捕食者への心配では無く、
自分たちの食料を心配する必要が出てくるのです。
そうなれば、種の保存はままならなくなっていく。
つまり、周期ゼミは他の周期ゼミと決して同時発生してはいけないのですね。
10年ゼミというのがいたとすると、
次に羽化する10年後には、2年ゼミも5年ゼミも出てきてしまう!
10は、2と5で割り切れるからです。
同様に、15年ゼミも、16年ゼミも、18年ゼミも、どれも何らかの数字で割り切れる。
で、そうなると素数にいきつく。
13年、17年は、自分の種以外に「常に同じ年に発生する相手がいない」!
13年ゼミ、17年ゼミが「もし」同じ時期に出るなら、221年に1回しかないのです。
しかも、実際には生息場所も違うので、決して交わることは無い...。
きっと、その自然の摂理の中で、素数を持つ13年と17年ゼミだけが残った...。。
周期ゼミが素数でなければならない理由がそれです。
同じ素数でも11年や19年、23年は無いじゃんか、と言われれば、
この説の根拠が揺らぐらしいのですが、
だけど、もしこの説が本当に近いなら、
自然の摂理の恐ろしさと偉大さ、
僕らが普通に暮らすこの世界にも存在する「数」の力、
目に見えない何か大きな自然の見えざる手の大きさに畏怖してしまうのです...。
>>トップ写真はまさに17年ゼミ。
と、間に挟んでいる写真は、セミをモチーフにした有名な宇宙からお越しの方々、
「チルソニア星のセミ人間」様と、「バルタン星人」様です。
クールすぎるぜ、デザイン!