先日の204/304に続いて、今日もクラシックプジョーです。
えーもう出しちゃうの、なプジョー504です。
余裕があって、いい出物があれば欲しい...(だけど日本に正規で入った多くが504D...もはや東京では乗れない)
な一台です。
先日の「204、304まつり」でも書いたのですが、
プジョーといえば「地味な実用車のメーカー」だったのですね。
だけども「地味でも実用的」。
それでいて、機知に富んでいる。504はまさにそんなプジョーだからこそ生み出せた
究極の実用セダンのいち事例に相違ない。
504のすごさは、まさにそこ。
適度なボディサイズで、しかも堅牢。
サイドシル太すぎて乗る折に支障が出るんじゃないかというくらい、
骨太に作られている印象があります。
何度か欲しくなって現車を見るたびに、感銘してしまうんです。
ドアはいまだ開けても斜めにならないし、きちんとバチャンと閉まる。
鉄に銀メッキではないステンレス製のバンパーやモール類(エンブレムや車名も!)を採用し、
当時では防錆や耐久に気を配った設計、
ふかふかのシート、あきれるほどの直進性と極上の乗り心地、
そして広い室内と十分なサイズのトランク。
いま、当のプジョーにだってこんなクルマないです。
日産クルーやトヨタのクラウンコンフォートがいい線いってる(^^;
気がしますけど、走りや、シートでは比べようがない...。
高級な飾りや、派手な装飾もないのに、設計思想がすごく高いところにある。
昔日のプジョーらしく、定期的にあえて残されたグリスアップを怠らなければ、
いつまでも走るんではないか、というクルマの作り方も好きです。
「見識」がすごく高いんですよね。「いいもの」とは何か、を知っているメーカーなのではないでしょうか?
むろん504は昔のクルマですから、10年、20年同じもの、同じ思想で
作り続けられないのは当然です。
プジョーはそんな時流を読んだのか、
205以降から、つねに世界のトレンドを「むしろ」引っ張るメーカーに変わりました。
ただ、そこには、1世紀以上続く歴史と、自社のクルマをほぼ部品内製で作り続けられる(た?)技術力と、
スポーツモデルを作るにも基本のクルマがよくなければ意味がないので
基本的なクルマの走りも設計も手を抜かない!※という
不変の設計哲学などがあったからこそ変化を遂げることが出来るわけで、
実は今でも「外観こそ派手になったけど、やはりプジョーは大いなる実用車」
であることも、ieはプジョーが今でも好きなところなのです。
で、504の話に戻りますです。
ピニンファリーナのデザインはいちぶんの破綻もありません。
長さ、幅、ホイールベースの長さと前後オーバーハングのバランス、
日本では当時きっと不評であっただろうケツ下がりのトランク、
フロントウインドーの立ち上がる位置、大きすぎて冗長になりがちな大きな矩形のヘッドライト、
サイドに走るキャラクターライン、ホイルアーチとタイヤの位置関係・サイズの関係、
トレッドの幅...どれもこれもが「美しい」のです。
ケツ下がりをもう少しなんとかしたいな、と思ってイメージしてみてください、
504、美しいスタイルにはならないと思います。
504はプジョーの常で、クーペとカブリオレのボディを追加します。
こちらもピニンファリーナですが、204/304のようにベルリーヌのイメージはほぼなくて、
同じくピニンファリーナの流麗なボディを持ちます。しかも、ボディの製造自体がピニンファリーナです。
少しはメカニズムにも触れておかないと(汗
404の発展進化系であるだけにエンジンも404の改良型でのOHV、1.8Lを搭載していました。
その後インジェクション仕様(とはいえクーゲルフィッシャーのメカ式)を追加したり、
2Lに拡大されたり、日本でもおなじみもディーゼルエンジン(2種の排気量があったうちの大きなほう:2.3Lを日本には導入)を追加。
その後、PRVのV6エンジンが、クーペとカブリオレに載ります。
504クーペ/カブリオレV6は当時のフランスでは相当な高額車だったそうです。
ところで、504といえばラリー。しかも、サファリなどの耐久色の濃いもの。
「砂漠のライオン」の異名を持つとおり、アフリカ(旧フランス領が多い)はプジョーの重要な販売エリアだったこともあって、
サファリ、バンダマなどアフリカ系のラリーに積極的に参戦、しかも勝利を重ね、耐久力を存分にアピールもしていました。
参戦車両がサルーンからクーペにスイッチしたあとも、グループBが始まる前の年・1981年まで活躍しました。
しかしまあ、ほんとにいいクルマですよねえ。
どうしていま、こういう「あたりまえ」のセダン(クルマ)が少ないのでしょう?
新しいポロやゴルフがすごく魅力的なのは、仕立てもいいし、
華美や金襴緞子とは違う上質さがあって、道具として扱ってもその使命に忠実に応え、
それでいてドライビングプレジャーもあって、
乗れば疲れにくいし、とにかく「いいもの」感がある。
サイズも適度...。
これってある意味、実用に徹っしているからこそなのでは、
と、プジョーのページで書いてみたり(^^;
クーペ/カブリオレ以外にもマルチバリエーション。
ホイールベースも長くて、妙に巨大なブレーク。
ちなみにファミリアール(7人乗り)もあったようです。
これは、そのブレークをベースに、ダンジェルというメーカーが架装し、メーカーのカタログモデルだった4×4。
ブレークのリアバンパー、ただのゴムブロックです。こういう割り切り設計が最高。
だってこれで必要十分で一番簡単な設計ですものね。
ちなみにクーペ/カブリオレの後期モデルは、セダンが505にその座を譲るまでほぼ外観を変えなかったのに対し、
バンパーなどを変更してモダナイズしていますが
これがちょっと微妙...な感じで(汗
ieは嫌いじゃないんですが、やはり買うなら銀バンパーのV6かなあ(買うのかw
ところで、有名な話ですが、
プジョー504は本国での製造が終わってからもアルゼンチンなどで2000年程度まで製造されていました。
タクシー。
ああ、こういう乗り方したい(^^;
外観はずいぶん近代化されていて、これはこれでかっこいいかもしれませんね(^^;
というか、つい最近まで新車で買えたことがすごいです。
>>※これ、「こんなもんんでいいや」と割り切る国産メーカーがいかに多かったことか...。いや、まだありますけど...。
いまはだいぶ良くなったようにも思うのですが。
>>日本はたしかに速度域は低いし、使い方も欧州とは違うけど、だからといって
シートが小さい車だからって薄っぺらじゃいけないし、まっすぐ走らないのはなんだかなあ、
って思うんですよね、やっぱり。
>>ドアのチリを合わせるお金があったら、
1日乗っても腰の痛くならないコンパクトカーやミニバンを作って欲しいとieは相変わらず思っております。
こんな話は、40年まえのCGから書かれていることなのです...(号泣
でもまあ、引き換えにトラブルが多かった時代もあったわけで(大汗
結局のところ何を取るか、の問題にはなっちゃうんでしょうけれど。
>>ますます「クルマ離れ」が進んで、しかも白物家電化が進んでいる中、
クルマに「見識」なんていらないのかな。クルマに限らず、そういう製品が減っていませんか。
>>でも小生クルマが好きです。クルマ趣味を貫いて生きていく所存です。
そんな自分は、せめてこの小稿で、「これはいいものだ@マ・クベ」
というものがあれば、それを切に訴えていこうと、今更ながら思ったのでした。
>>日本車にもいいクルマはいっぱいあります。ieは仏車バカですが、
ドイツも、イタリアも、いいくるまはいっぱいあります!!
クルマはまだまだ面白い。クルマにカネを掛ける人は遅れている、なんて
言われている時代のようですが、それがどうした。
内燃だけでなくても、電気でも、クルマは面白いものなのです。
>>ありゃー、最期は504の話から離れちゃいましたw
なので、毎度恒例?ie的乗り方理想をば...
>>ひょっほおおおおおーかっこえええーーーー(変態