バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

濃厚なカラスワールドを堪能。

2017-01-13 | ライヴ報告
日曜日はW.C.カラス、CD発売記念LIVEでした。
今回はリリースパーティと題され、新作『耐えて眠れ~Still Cryin'』の全曲を披露する唯一のライブという触れ込みでした。

全くのひとりで演奏した密室的な作品ゆえ、人前で全曲を濃密に演奏するのはいわゆる「ライブ向きではない」と考えていたのか、
この日はお客さんの前ながら独りで演奏する歌世界を繰広げようという意図があったようです。

事前に「曲順通り演奏しようかと考えている」「基本喋らない」そんなことをぽつりぽつりと語っていたカラス清さん。静かな気合いが感じられたものでした。

ほんの数週間前12月16日にバイユーでワンマンをやったばかり、それ以外にも中央線で何本もやっているというのに客席は満員。お客さんの期待が伝わってくる。人気者になったんだなぁと改めて思う。

静かにスタート。本当に曲順通りだ。大勢の人の前で自分に向かい合った緊張感が心地よい。息を飲むようにしてステージに集中するお客様方。曲間の喋りもほとんどなく進行する。グラスを置く音さえはばかられるような雰囲気のバイユー。演奏、というか音楽の良い響き。表現の奥が感じられる。

途中で曲順通りは挫折したようで、曲間にも少し喋るようになる。
考えてみれば自宅でライブ形式でやっている(卓ライと呼んでいるようだ)時は自分だけなので、一息つくのも自由だが目の前にお客さんのいる状況で同じようにやるのは無理があるのだ(笑)
しかし音楽の緊張感は保つカラスさん。集中力の切れない客席。

正直、「凄いなあ」と驚いて見ていました。演者にも聴き手に対しても。

結局1部、2部ともに緊張感とクオリティの高さは保たれたまま全曲を歌い終えました。その姿に、少し緊張感から解放されたお客さんは大拍手で応える。

「何曲か新作に付け足して演奏する心づもりは有る」と言っていた通り、アンコールに。
静かに聴きいっていた本編とは一変してリラックスした歓声が飛ぶ。
息をのんで聴き入る時も笑って騒いで聴く時にも、とにかくファン方々のW.C.カラスの音楽を求める様は熱烈で、感動的ですらありました。

結局たっぷりと演奏。アンコールではなく第3部の趣に。「今日はやらない」と言っていた『うどん屋で泣いた』も結局歌うカラスさん。そりゃ、あれだけ求められればな〜。


※最終盤は飛び入りのヤマシンと!
※写真はすべてFujiyamaさん提供。


3部構成の長尺のLIVE、客席には満足気な笑顔がひろがりました。
あれだけ求められる歌って素晴らしい。

今回、静かに固唾を飲んで聴き入るファンの方々の姿がとにかく印象的でした。
深い表現の世界に入り込もうとしても、放たれたとたんに聴き手に対して近づいてゆく歌の数々。
先日アルバム推薦ブログにも書きましたが。今、W.C.カラスの音楽は人々に対して開かれている。
改めてそう感じました。

カラス清さん、まだまだまだまだ楽しませてくれそうです。
『耐えて眠れ~Still Cryin'』推薦します。是非ご購入を!

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