バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

ジョーン・オズボーンってなかなかイイヤツです。

2012-05-01 | 音楽

もう既にバイユーでのヘヴィローテーションの時期を過ぎつつありますが「著名な女性シンガー」の新作をご紹介。

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『Bring it Home/Joan osborne』これです。なんとなくジャケからしてメジャー感が漂っているように感じてしまうのは日頃ローカルモノばかり聴いているからでしょうか?ジャケはともかくこのアルバムは間違いなく一般的世界市場に向けて発売されています。最近「キテいる」と話題のスワンプポップとはターゲットの広さが違うのです。だけど、空前のスワンプポップブーム到来の予感に胸ときめかせている僕にもなかなかたのしく聴ける盤でもありました。
とても有名なジョーン・オズボーン、ながら「名前は聞いたことある。有名な人」「ああ、確かにモータウンの映画で歌っていたかも…」そんなレベルの知識しかありませんでした。なのに何故?かというと、ある朝運転中にinterfmの『バラカン・モーニング』にて本作収録のスリム・ハーポ『Shake Your Hips』を聴いたからです。途中からで「え?誰これ??」となり、後ほど調べてジョーンさんだと知りました。
惜しくも悔しくも3月いっぱいで終了してしまった『バラカンモーニング』からの最後の購入盤とあいなったわけですが~月曜から金曜日まで毎朝3時間の放送!深夜暮らしながらも午前中の定番として楽しませいただいていたのでなんとも残念です。

で、その時思ったのが「音」カッコいいな、と。購入してもその印象は変わりません。1曲目最初のドラムの音の切れ、手触りからいい感じです。スティーヴ・クロッパーの昨年の大傑作『Dedicated』と似た感触と言えば「おお」と思ってくれる方もいるかもしれません。とはいえクレジットを見るとプロデューサー等に同じ名前はありません…が、こんな名前を見つけました。ミキサーに
Henry Hirsch!ワカル人にはワカル我らがRCサクセション最後のアルバム『Baby a Go Go』の録音を手がけたお人です。ナマの質感を大切にした音の切れ味。ヘンリー・ハーシュさんいい仕事です。

すっかり後回しになりましたがこのアルバムはブルース、ソウルのカヴァーアルバム。お客様に教えていただいたところによると、彼女には以前にも同種のアルバムがありました。好きなんですね。選曲も渋いところ突いてます。レイ・チャールズにサニーボーイそしてクラレンスカーター!トゥーサンの『シュラーシュラー』も有り、盛り上がります。
特徴的なのはジョーンさん、全般を通じて素直に歌ってます。ヒネリがないどころか「ワタシってこんな歌い手なのよ!」という過剰な自己主張のようなものは皆無です。セルフプロデュース(バンドのギタリストとの共同)の本作、自己主張は十分にやってる、ということなのでしょうか。こう書くと「薄味」に思う方がいるかと思いますが、素直さがいい感じです。確かに薄味、かもしれませんがコッテリしてればいいってわけじゃーありません。しなやかさも魅力的で楽しい盤です。彼女、イイヤツなんだろうなと思いました。
強力盤!ではないですがなかなかイイですよ。


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