カナダのシンガーソングライターでグレイトギタリストでもあるブルース・コバーンの6年振りの新作アルバム『BONE ON BONE / BRUCE COCKBURN』が到着してます。
コバーンは僕にとってアルバムが出ると必ず購入する数少ないミュージシャンの一人です。
60年代から長いキャリアを誇るコバーン。彼の音楽を聴くようになって20年、の遅れてきたファンの僕ですが、初期の代表作の素晴らしさはもちろん90年代以降の作品も大好きで万遍なく楽しんでいます。
オールドファンで近年の作品をあまり評価しない方もいるようですが、彼の楽曲や声、ギターは年齢を重ねても錆び付いていないと感じています。
この20年、コンスタントにアルバムをリリースしていたコバーン。こんなに間隔があいたのは初めてです。2枚組のアコーステジックアルバムや編集盤もありましたがやっぱり新作が聴きたかった!
リリースが発表されてから聴けるのを心待ちにしていました。
そうして届いたこのアルバム。
エレキギターでのバンドサウンドが中心のいわゆるコバーン節がたっぷりと聴けるファンなら大満足の1枚となっています。
一般に「冬のコバーン」「雪のコバーン」と呼ばれる透明感のある詩的な楽曲。深みのあるダンディな歌世界。そしてクールで尖ったギターサウンド。
これら全てが十分に楽しめます。
なんだか6年振りというのが嘘のようにこれぞコバーン!なアルバムです。
でも今回印象に残ることがひとつ。
コバーンは怒っています。
これまでも社会性のあるテーマの楽曲を発表することの多かった彼ですが、今回は6年間の蓄積、いやここ数年の世界情勢、世の中への怒りを隠すことなく現しているようです。
歌詞を全部解するわけでないですが1曲目の『States I'm In』から抑えつつの怒りが伝わってきます。
曲によっては歌声にも怒りがこもっています。
そう思って聴き直すと
ギターサウンドも攻撃的に感じます。
濃厚な力作です。33枚目のアルバムを発表した72歳。まだまだ創作意欲は衰えてなんかいません。
凄いミュージシャンです。
彼のファンは絶対に買い、です。