バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

今度の土日のLIVEです!!

2014-07-18 | イヴェント案内

今度の土日は連日LIVEを予定しています。
まず7月19日(土)
出演:TRICKY HUMAN SPECIAL(コウノカオル)/中村翔

開場19:00 開演20:00 料金 1500円(+要1drinkオーダー)

Photo

★『双六亭』のベースプレイヤーで先日ソロアルバム『孤独の巨人』をリリースしたコウノカオルくんがソロ名義で初出演。共演はブルージィでなかなか渋いシンガーソングライター中村翔。どちらもヒューマンタッチな歌うたいです。

翌日7月20日(日)
『近田崇仁セレクション4』
出演:近田崇仁(はいからさん)/清水英明(THE WATTER)/中井大地(ぶ~ちゃい)

開場19:00 開演19:30 料金 1000円(+要1drinkオーダー)

Photo_2

★バイユー従業員でロックバンド『はいからさん』のVo&G 近田崇仁が交流のあるバンドマンを集めて紹介してくれる “近田仕切り” 企画の第四弾。ウタゴコロとロックンロール!がキーワード??

翌日月曜日&祝日はバイユーの営業はお休みさせていただきます。


ジョニー・ウィンター追悼。

2014-07-18 | 音楽

突然のジョニー・ウインターの訃報。情報源がリック・デリンジャーの奥さんだけという状態がしばらく続いたので誤報では?と一縷の望みを抱いていましたが…スイスの空の下ジョニーは逝ってしまいました。

昨夜のバイユーは天候のせいもあって静かな夜でしたが、お客様方と彼のレコードを聴き続けました。…前の晩に大きな音で聴いたばかりでした。

140718_0531_2

“狂乱のブルースギタリスト” 。僕はいわゆる弾きまくるギタリストというのは基本的に、いやまったく好きではなくって彼、ジョニー・ウインターは極めて稀な例外にあたります。

ジョニーは弾きまくります。これでもかってくらいに息つく間もなく。トレブリーなトーンで容赦なく攻めたててきます。高校生の時初めて『CAPTURED LIVE』を聴いたときは正直呆れ返りました(すぐに大好きになりましたが!)。
ジョニー・ウィンターは確かに弾きまくります。「こんなに隙間なく音を繰り出さなくてもいいじゃないか」というくらいに。でもそれは俺たちやリスナー、そして他のギタリストにとっての話。ジョニーにとっては弾かなくてはならないのです!彼の「弾かないと死んでしまう」というくらいの切迫感による「音数の多いギター」と「怒鳴るような歌声」「突き刺さるブルース衝動」は何物にも代え難いオリジナリティとリアリティがあると感じるのです。

例えばスティーヴィ・レイ・ヴォーン、素晴らしいギタリストだとは思いますが…彼のプレイをしばらく聴いていると「弾き過ぎやなぁ」とついつい思ってしまいます。
ステーヴィはただ垂れ流すようなギタリストではなくテキサススタイルのギタープレイには素晴らしいリズムもあり切れ味も抜群。テクニックも表現力もケチをつけるような類いのモノではありません。…でも弾き過ぎ、とは思ってしまうのです。
音楽って難しいなぁ。胸に突き刺さるかどうかは別モノだ。それはもちろん個人の感覚や好みの違いによるのだろうけど、ジョニーのギターは音の洪水と感情のほとばしりに飲み込まれているうちにグイっと来るのです。

僕は彼の音楽が大好きだったけど特別マニアックに接していたわけではない。なのにとても寂しく思うのはやっぱりあの2011年4月の初来日公演を体験したからだと思う。訃報がもしそれ以前だったら「体調不良」とは聞いていたし「ああ、残念だなぁ。大好きだったのに、早すぎるよ」くらいだったかもしれません。
でもあの異様に長く感じた震災直後の日々に日本にやってきたジョニー・ウィンター。「目も見えてないらしい」「指がもつれる」「自分で歩けないのでは?」との悲観的な声が多く、期待せずに待っていた僕らの前で驚異的に素晴らしいLIVEを見せてくれました。感動的ですらありました。しかも翌年の野音を経て、最近では体調回復も伝えられ安堵していたので悲しさもひとしおなのだと思います。

Photo晩年のマディを支え“義理の息子”とまで言わしめた。真っ白なジョニー。
昨夜はレコード盤に加え、お客様が届けて下さった84年の強烈なジョニートリオのLIVEを観ました。時はギタースリンガー期…とにかくむせかえるような凄まじいプレイの連続。ヘヴィな音で弾きまくるスタイルからブルースロックやハードロック的に聴く人さえいるジョニー・ウィンター。でも彼は紛れも無くブルースプレイヤーなのです。
ゲイトマウス・ブラウンが、アルバート・キングがジミー・リードがロバート・ロックウッドがギター・スリムがハウンドドッグ・テイラーがそれぞれブルースギターといっても、まったく違うスタイルであるように…。見た目的には真っ白で黒人とは違いすぎるジョニー・ウィンターが実は~ひたすら感情を振り絞り「弾かんと死ぬ!」というような切迫感で弾きまくるという個性~を持った真性ブルースマンだということが強力に伝わってくるのです。そう、時にロックンロールやハードロック的に聴こえるブルースを弾き歌う人なのです。
84年のジョニー兄貴、「饒舌なのに言いたいことを伝えきれない!」狂おしい感情が爆裂するかのようなスローブルースに打ちのめされました。ギターってあんなに弾きまくってもいいんだ!(…これは間違ってますね)

前述の感動的だった2011年の初来日公演。当ブログでのレヴューを読み返してみると…。もちろん拙文ではあるのですが、お時間のある方には改めて読んで頂きたいなと思いました。こちらJohnny Winterのブルースが東京に響いた夜を小声でリンクしておきます。
2番目の写真は人形師みねちゃん作の逸品、長らく飾られています。

Photo_2

…最後は僕の古くからの友人、高知在住のMエダくんが
うえーん。俺のジョニーウインター愛を見よ!安らかに。」と見せてくれた愛の結晶です。