バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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西岡選手、最高峰は険しかった。

2012-10-15 | ボクシング

西岡選手、残念だったが
“日本のボクサーがテレビの向こうのあの舞台に立つのを<wbr></wbr>固唾を飲んで応援する”
という夢をついにかなえてくれたことには変わりはない。

お…左!!のところでの強烈な右カウンター。

ドネアはやはり強かった。

ボクシングを見せていただきました。本物の。

Vs

試合後のリング上でのインタヴュー。
西岡は軽く流されて(最初のアッパーでのダウンには驚いたか?ドネアのパン<wbr></wbr>チは強かったか?等)、右カウンターで決着のダウンに至る諸々、ガードやリードブロー、勝負の綾についての質問はすべてドネアにされていた。当然だけど悔しいな。

モンスターレフト、必殺の左を封じられましたね。というか出させてもらえなかった。ボクシングは難しい。<wbr></wbr>

西岡が一方的に守勢に回る展開、攻めあぐねるドネアに、会場からは度々ブーイングがおきてた。
前座の試合の激闘の影響もあったのでしょうが…。最近のアメリカの大試合の観客はエキサイティングな打ち合い(だけ)を期待する傾向が顕<wbr></wbr>著で、駆け引きやボクシングの奥深さを楽しむ部分が薄れている<wbr></wbr>ように思います。まぁ高額な観戦料分楽しみたい、という感じでしょうか。これもビッグマッチの宿命?仕方がないのか。

でも、屋外の大会場、満員の観客。日本でずっと観て来た西岡が、海外中継で見てきたテレビの向こうの「あのリング」に立<wbr></wbr>っている姿には正直、痺れました。

対ウィラポン第3戦(引分)を国技館で観た時には(僕にはとてもドローには見えなかった)「ああ、ここまでか」と思った記憶があります。
あれから9年…。技術にハート、これほどのボクサーになるとは。 
 
Photo_2 世界中の注目を集めた舞台で “日本を代表するボクサー” として完敗を喫した彼を悪く言う者もいるようだが。はっきりいってそういう者たちはこれまでの西岡選手の歩みを見てきていないし、日本のプロボクシングを熱心に見つめてきていないのだろう。
そしてなによりボクシングを本気で好きではないのに違いない。有料放送WOWOWの生中継を観た人の中にそういう者たちがいるのは少し悲しいけれど、残念ながら「わからない人」というのはいるのだ。

12年前の世界初挑戦時、防御に追われ手数が少なく判定負け。消極性を多くのボクシングファンから批判された西岡選手。世界最高峰の舞台で、同じく攻め手が少ない展開を強いられながらも12年前とはまったく違う「意図」と「駆け引き」に溢れたハイレベルな攻防を見せてくれました。決して消極的ではなかった。ひとつひとつの動きに彼が年月をかけて辿り着いたボクシングの引き出しの中身があらわれているかのようでした。そのうえで、打てなかった。それくらいにドネアは危険で隙がなかった。

たられば、は意味がないけど。モンティエルをワンパンチで鮮烈に倒して世界的大スターとなったことより、少し雑になっていた感のあるここ数試合のドネアの(ボクシングの)ままだったなら、西岡が左カウンターを打ち込む機会はあったと思う。しかし今回のドネアは慎重で綿密、そして力強かった。

完敗。これもボクシングなのです。