バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

新生スリムチャンス!

2012-08-30 | 音楽

少し前から、ほんの一部では話題となっています。再編?された新生Slim Chanceの新録アルバム『THE SHOW GOES ON』。うーんタイトルから泣かせます。ジャケットも狙ってます。役者やの~。

Slimchanceshowgoeson

ロニー・レインがいないのにスリムチャンスぅ???という方には返す言葉もありません。新作を謳いながらも『SONGS OF RONNIE LANE』というテーマに基づいたロニーの曲を取り上げたカバー作品だということを否定的に捉える方には「ああ、それはそうかもしれませんね」という他ありません。
イギリスのパブロック(アップテンポのR&Bスタイルのみを指す言葉ではありません)が大好きで、旧スリムチャンスのSteve Simpson、Charlie Hart等を中心に新メンバー(ゲスト表記だがレギュラーらしい)としてGeraint Watkins(この人はホント最高です!)を迎えたこのバンドに「おおお!」と食指が動く方には小声でお薦めいたします。
過去の曲を過去のメンバーで取り上げた作品なので当然ながらスリルと興奮に溢れたりはしていません。でも「ああ、こういうのってやっぱりイイなぁ」という幸せな興奮には溢れているのです。このゆったりとしつつも活きの良いサウンドからは英国パブロックのゆっくりと練られてきた故の芳醇さが深く感じられ、心地よく幸せな気分にしてくれます。そして勿論、珠玉の楽曲群!!
「みんな聴いて聴いて~」という今を生きる作品ではないため、バイユーで頻繁に流したりはしていませんが、ひとりの時にはとても楽しく聴いています。
盤の到着前には自主制作、プライベート盤の様なものかも、と思っていたのですが…。本格的に活動していることを感じさせる、しっかりとした作りの正規のニューアルバムです。
ライヴもやっているとのこと。新録盤としては強い部分に欠けるかもしれませんが、この演奏をナマで体験するなら、演奏や佇まいそして蘇る楽曲の魅力それらすべてが今の音楽としてリアリティを持って響いてくるのではないでしょうか?
というわけで。もし「このアルバムの購入は控えようかな」という方でも、彼らが日本にやってくる機会があるならば是非足を運ぶことをお薦めいたします。
それくらいの音楽、それくらいの楽曲です。