今週は出張が少なくて、ちょっと落ち着くはずなのですが、お前暇だろう?、みたいな感じで内部の仕事がやってくるものだから結構バタバタと。研究職では無いのですが、時間があれば基礎固めして、内部で発生したデータのまとめをしないとちっとも先に進めません。同じところでぐるぐる回っているだけで良いのか、世の中はずっと先に行くぞ、と反論したくなりましたが、普通に給料もらってるし。
自分のことで精一杯ですけど、たしかに他の社員の仕事を見るのは義務のような気もしてきます。横方向の交流に役立つし。
例の古典幾何学本の翻訳関連。前半の締めが高次元の正多面体の話で、ここはwikipediaなどで十分に説明されていると思います。ですから、親しみが持てる最後の所。これより先はすさまじい…、はずです。
多面体に詳しい方なら、三次元の正二十面体の仲間が4次元にはあって(正600胞体)、しかしなぜか5次元以上には(正五角形対称が)存在しないことをご存じと思います。今この証明部分の英文の打ち込み。
5次元どころか4次元も目には見えませんから、文字通り手探り状態です。4次元ですら直感に反する図形が出てきます。たとえばringと呼ばれる構造。英語版wikipediaには出てきて、ついでに展開図(net)が出てきて吹きます。こういった茶目っ気が日本語版に見られないのはいささか問題だと思うのですが、過剰な演出はwikipediaではたちまちクレームが付くのでしかたが無いのかも。
4次元の超立方体(正八胞体)の展開図は画家ダリの「はりつけ」という絵に出てきます。8つの立方体の表面の内、4つの立方体を縦に並べて、上から二番目の立方体の残りの4面に立方体をくっつけた図です。展開図なので、組み立てないと実体になりませんが、もちろん三次元では無理です。上と下の面がくっついていて、出っ張った立方体の外側は一番下の立方体の側面に接続しています。…と、いくら解説したところで、この方面の直感が利かない方には何のことやら、と思います。それで普通ですので心配ありません。
普通の三次元の立方体では、4つの正方形で構成された帯が3種類見えると思います。しかし、互いに干渉していて、避けることはできません。
正八胞体では立方体の4つが帯になっていて、6種認識されて、うまく選ぶと干渉しない、独立した4つの立方体を選ぶことができます。この2種の4立方体が正八胞体の表面を覆っていて、三次元に投影すると互いに絡んだ輪になります。これがringと呼ばれる構造です。
このringは超立方体だけで無く、他の4次元超多面体にも見られるので用語が付いています。