そのジョルダン標準形の幾何学的証明の本(下記の文献(2))を眺めてみましたが、どこにその証明があるのか最初は分からず。何度か読み返してみて、多分ここだと思う部分がありました。幾何学的証明と言っても、図は出てきません。代数的では無いとの意味だと思います、多分。
文献名は挙げておいた方が良いでしょう
(1) 齋藤正彦。「線型代数入門」。東京大学出版会 (1966)
(2) 齋藤正彦。「線型代数演習」。東京大学出版会 (1985)
(3) 齋藤正彦。「線型代数学」。東京図書 (2014)
今読むなら文献(3)が最も簡明だと思います。それでも著者自身が難しい、と言っていて、数学者の難しいですから外野の私にはふむふむ、とは行きません。時間を掛けて格闘してやっとフィーリング理解出来る感じになるだけと思います。なので時間がある時にお預けです。
とにかく、しっかりした証明が書いてある場所が分かっただけで、こちらとしてはものすごい収穫です。
まあしかし、生意気なこと言うと、証明では無く納得出来て応用が利く、単なる図解ならずっと簡単になると私は予想しています。
三次元で言うと、すべての固有値が異なる場合が一般の楕円面で、2個の固有値が一致する場合が回転楕円面で、3個とも一致する場合が球面です。
一般の楕円面の3個の主軸は、どのように傾いていても必ず直交するのがミソで、行列の対角化が可能なのはそのためです。とある文献に奇跡のような出来事だ、と書いてありましたが、単に情報量(エントロピー)不足、つまり2次関数をどのように線形変換しても2次関数にしかならない、だけのことでしょう。
三次元空間に正方格子を張り、一区画の立方体内に球を内接させます。線形代数ですから変換は図形的には平行移動を除くと、拡大縮小、回転、鏡映、そして剪断変形です。複素数はどうなるのかというと、実数と同じく体ですから基本的には素直な拡張にしかならないはずです。
このうち、球が対称性を失うのはxyz軸で拡大率の異なる拡大縮小を除くと、剪断変形のみで、ジョルダン細胞はその剪断変形の形をしています。これには明確な図的解釈があるはずで、それを探してみることにします。
回転楕円体だったら、中心から見て円になる方向に互いに直交する同じ大きさの任意の2ベクトルを取ればとりあえずの固有ベクトルとして使えるはずで、任意の角度の回転と裏返しの自由度を持ちます。球なら互いに直交する同じ大きさの3ベクトルを取れば良く、球面の2次元と裏返しの自由度を獲得します。
これらが表現出来れば良いのです。
ただ私にとっては優先度が低いので、本ブログで公開するのはいつになるかは分かりません。上述の記載は単なるアイデアですので、読者の皆様はご自由にお使い下さい。