京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

のこぎり

2006-07-18 23:10:53 | 道具箱
のこぎり

鋸の製造で焼き入れはもちろん大切ですが巧く焼きを入れた後の鋸の厚みを調整します。

もちろん叩いて作った鋸ですがら厚みが仕上がりと比べると3倍位あるそうです。

それを隙取って行く訳ですが今では磁石の付いたベルトサンダーの上で仕上げていくのですが本来は「せん」とよばれる道具を使い手で押しながら厚みを調整してゆきます。

もちろん鋸の元から先までは微妙に隙の具合が違えてあります。この微妙な加減が
とても大事なのです。

独特の擦り傷のような跡が付きますが鋸の滑りを良くし、つまらないように出来ています。これをピカピカに磨いてある物は切った木に側面が吸い付き鋸が重くなって巧く曳くことが出来ないのです。

良い鋸はこれが又、絶妙に掛けてあります。

荒壁

2006-07-17 09:31:07 | 道具箱
荒壁

大工から見ると家の大事な骨格は柱や梁になるのは当然かも知れませんがこれだけでは建物は強くはなりにくいのですこれに土壁、すなわち筋肉で包んでゆくと家の揺れも止まりずっしりと落ち着いてきます。

しかし土、自体が良くないといけません。コンクリートのようにだだ固まればいいと言う物ではありません。土には独特の粘りという物があり、こねる時には藁スサを練り込みゆっくりと寝させておきます。これが独特の粘りと堅さを作り出しま。

丁寧に塗られた土壁は荒壁と言われる一番下地のままであっても上等の仕上げ壁に勝る美しい物も沢山あります。

写真は京都府田辺市にある国の重要文化財に指定されている澤井家住宅の修理された柱と荒壁です。

京都発・ほんまもんの会2

2006-07-16 23:37:10 | 道具箱
京都発・ほんまもんの会2

今日はアリサハウスミュージアムで三木で鋸を製造して居られる光川大造さんに来て頂きました。鋸の製造工程や手鋸の持っている特性などをお聞きすることが出来て明日から手鋸を使う、楽しみが又増えました。

一本一本鋸の特性を見抜いて完成させるのにはとても手間が掛けてあり替え刃のことはだいぶ違いがあることが良く解ります。

もちろんそれらを生かして工業製品の鋸も作って居られます。ブランド銘は「カネジュン」です。

光川さんは最年少で伝統工芸士になられただけ合ってお話しの中には企業秘密の部分もあってとても興味がわいてきました。

京都発・ほんまもんの会

2006-07-15 23:53:54 | 道具箱
京都発・ほんまもんの会

実は私「京都発・ほんまもんの会」て言うのをやっています。職業は教員・建築組合の職員と職人の私とで合計6人で会を進めています。
この会はほぼ毎月職人さんやそれを支える職業の方に講義をお願いしています。
最近では5月に鋸目立ての長勝さん6月は京都の砥石屋さんで田中さんそして今月は三木から鋸製造で最年少の伝統工芸士の光川大造さんが明日16日に講義があります。

毎回の専門職のお話しは「目から鱗」のお話しばかりで今まで知らなかったことを多く聴かせて貰えます。

そんな訳で明日の準備に掛かってきます。

案内は京都にある建築専門書店の大龍堂さんのHPでも紹介して貰っています。
大龍堂さんに申し込めばメールマガジンも貰えますよ。

内容は又、報告します。

刃物の性能2

2006-07-13 21:25:36 | 道具箱
鋸の性能

前回と同じく評価を数字で表すのがとても難しい道具です。たとえば同じ太さの材木を何回で曳ききれるかとかのテストは出来ないこともないのですがやはり数字で表しにくい物です。

それと鋸は目立てによって切れ具合ががらりと変わります。

私は残念ながら自分で目立てをすることが出来ませんので伊豆の金物屋さんをして居られる「長勝」こと長津勝一さんにお願いしています。

この方のお話ですと鋸は超一流出なくてもきちんと何を切るかを決めてそれにあった目立てをするととても良く切れると話されていました。

使わせてもらうと確かにお話しの通りでした。

こうなるとますます解らなくなってしまいます。

刃物の性能1

2006-07-12 17:07:26 | 道具箱
鑿の性能

非常に評価の難しい物があります。たとえば鑿ですが鉋のように削りくず(削り華)の厚みを測って数字で表すことが出来るのですが鑿はそういう物でもありません。

そこで叩いて使うことが多いのでその時の刃のこぼれ具合を見て判断をしたりしています。その他に研ぎ心地もありますが。

しかしこれらの評価は個人によってかなりの差が出てきます。

それ故に評価にバラツキが出てきてしまうようです。

これらを考慮して私が使わせてもらっているのは白紙1号にこだわっている清久さんの物です。

丸太その後

2006-07-11 20:30:03 | 道具箱
丸太その後

加工をしたまでで終わりにしようと思っていたのですがちょと寂しい気がして色つけをしました。

ベンガラと墨を混ぜて古色を作り薄く塗って手すぐにぼろ布で拭き取ります。

一日乾かして柿渋を塗りました。

良い感じに仕上がっていますよ。

この仕上げ方、武生の親分から盗んできた物です。

久しぶりの親分登場

2006-07-09 20:17:08 | 道具箱
久しぶりの親分登場

ご無沙汰をしている親分の現場へ行って来ました。

現場は武生の超えたところの大土呂駅の近くにあります。

記念写真を撮りましょうと言うと、その日はゴキゲンで一番大切な欅の大黒柱の養生を取り外してご覧のポーズ

先日の私の失敗を忘れているのか、忘れたふりをしているのか解りませんがとてもゴキゲンな感じで仕事をしているのを見ていると元気もりもり。

顔つきも顔色も良いでしょう。

私もこうならなくては・・・

丸太

2006-07-09 10:04:42 | 道具箱
丸太

電動工具でほとんどの加工は出来るようになりましたが丸太を加工するのはチョット無理があるようです。

ただ単にスパッとまっすぐに切るにも丸鋸では刃が置くまで届きません。そこで今でも手鋸の出番です。

良い目立てがしてあると刃も流れずに切り口もとても綺麗に仕上がります。

正面から見ると丸太が2本重ねておいてあるように見えますが仕上げるために薄く切り取った物を置いてあるだけです。

手道具はいつ使っても良い気持ちにさせてくれますね。

こんな刃の鋸で切りました。