京都発・町家・大工はんなり日記

京都で仕事と道具を楽しみながら毎日過ごす。

清久ファン倶楽部8 角のみ

2006-07-02 22:04:04 | 道具箱
清久ファン倶楽部8

以前からお願いしていた角打ち鑿が届きました。

組のみの場合10本組+7分をいつもお願いしています。7分は敷居の作業をする時に非常に重宝しています。

今日は一日眺めていましたが飽きません。

この人の鑿は全く飾り気がないのです。でもそれが私の気に入っている所なのですがご本人も飾り気よりも機能を重視される造り手のように思います。

何組か使わせてもらっていますが私のような腕のない物にとってとても有り難い存在です。

良い鑿を使わせてもらっているのは職人として自分が出来るチョットいや一番の贅沢なのかも知れません。

鋸 (のこぎり)の伸び縮み

2006-07-02 21:49:31 | 道具箱
鋸 (のこぎり)の伸び縮み

鋸は地金の付いている鉋や鑿と違って薄鋼で出来ています。それ故、先から元まで平均に焼きを入れるのが困難な刃物です。

いくら巧く焼き入れを行ってもムラが出来てしまいます。そのムラ(伸び縮み)を
抜くのに金床の上で叩いてムラ抜きをします。

しかしムラのあるところを見抜くはとても目が肥えている人で無いと解りません。見抜いたところで金床に乗せて叩いて伸び縮みで出来た捻れや曲がりを直していくのです。

この鋸はそれが巧くなされていてとてもスムーズに引けます。

刃先ギリギリまで叩いて巧く癖が抜けています。

鋸 (のこぎり)の枝と下駄

2006-07-02 17:51:03 | 道具箱
鋸 (のこぎり)の柄と下駄

鋸を買う時に誰々の作と書いてあるのを選ぶのは当然ですが最近特に気になることがあります。

写真の枝を見てみると左の一本は全体に籐が巻いてあります。一見上等なのですがいざ使ってみると少し具合の悪いことが解ります。

本来鋸の柄は桐の木で出来ていると聞いていました。その理由は下駄がそうであるように桐は熱を奪ってくれるので手のひらが熱くならないのです。

下駄も同様に足の裏が摩擦で暑くならずにさらさらとした気分で過ごせます。

この様に道理にかなっている物が少なくなって見てくれを重視するのは鋸の柄だけではありませんがこれも時代なのでしょうか

良い物は残してほしいものです。